結びの挨拶の例文|ビジネス文書の書き方

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結びの挨拶の例文|ビジネス文書の書き方

ビジネス文書では、主文で相手に用件を伝えたあとは、末文で「結びの挨拶」を用いて締めくくります。

結びの挨拶は、文書を送る相手や文書の内容によって使い分けることが大切です。慣用的な表現を用いて、マナーにかなった文書に仕上げます。

ここでは、ビジネス文書で使える結びの挨拶の例文をご紹介します。

1.結びの挨拶を書く位置

結びの挨拶は、ビジネス文書の書式の以下「(7)末文」に記載します。

ビジネス文書

末文は、「結びの挨拶(まずは取り急ぎ、書面にてご回答申し上げます)」と「結語(敬具)」で構成されます。結びの挨拶で用件の要旨をまとめ、結語の挨拶言葉で締めくくります。結びは簡略化される傾向にあり、省略してもよいとされていますが、改まった文書や目上の人に宛てる手紙では書くことが望ましいでしょう。

2.結びの挨拶の例文

結びの挨拶の締めくくり方は、大きく分けて3つのパターンに分かれます。文書の内容に合う結びを選びましょう。

2-1.用件をまとめる挨拶

末文では用件の要旨を一言にまとめて結びの挨拶とするのが一般的です。結びの挨拶を組み立てる方法と例文をご紹介します。まずは、以下の(1)~(4)を組み合わせる結びを確認しましょう。

(1)
  • まずは
  • 取り急ぎ
(2)
(3)
  • ご通知
  • ご案内
  • ご挨拶
  • お願い
  • ご回答
  • ご依頼
  • お返事
  • ご報告
  • お詫び
  • ご案内
  • お祝い
  • お見舞い
  • 御礼
(4)
  • まで
  • 申し上げます
  • まで申し上げます

上記を組み合わせると、結びの挨拶がすぐに書き上がります。とくに、文書の内容に沿って(3)の部分を選びましょう。

その他の挨拶も含めて、以下に例文をご紹介します。

結びの挨拶の例文(用件をまとめる挨拶)

  • まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。
  • まずは略儀ながら書中をもってお祝い申し上げます。
  • 略儀失礼ながら書面をもちまして御礼申し上げます。
  • まことに略儀ではございますが、書中をもちましてご通知申し上げます。
  • まずは略儀ながら書面にてご案内申し上げます。
  • まずは失礼ながら書面にてお願い申し上げます。
  • 本日は取りあえずお知らせのみにて失礼いたします。
  • まずは謹んで御礼かたがたご報告申し上げます。
  • まずはお知らせかたがたお願い申し上げます。
  • まずは取り急ぎお尋ね申し上げます。
  • まずはご案内まで。
  • 取り急ぎお知らせまで。
  • まずは用件のみ。

2-2.今後の交誼をお願いする挨拶

高誼(こうぎ)とは、情愛のこもった親しい付き合いのことです。主文を伝えたものの、何か物足りない感じがするときに用いたい挨拶です。まずは組み合わせを見ていきましょう。

(1)
(2)
(3)
(4)
  • のほど
  • を賜りますよう
(5)
  • よろしくお願い申し上げます

倍旧(ばいきゅう)とは、以前よりも程度が増すことの意です。それでは例文を見ていきましょう。

結びの挨拶の例文(今後の交誼をお願いする挨拶)

  • 今後ともご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
  • 今後も末永くお引きまわしのほど心よりお願い申し上げます。
  • 今後ともよろしくご用命のほどお願い申し上げます。
  • ますますのお引き立てをよろしくお願い申し上げます。
  • 今後とも幾久しくお引き立てくださいますようお願い申し上げます。
  • なにとぞ倍旧のお引き立てをお願い申し上げます。
  • なにとぞ倍旧のご高庇ご指導を賜りますようお願い申し上げます。
  • 今後とも旧にまさるご高配をお願い申し上げます。

2-3.相手の繁栄や活躍を祈る挨拶

相手の繁栄を祈る挨拶の例文は以下のとおりです。

結びの挨拶の例文(相手の繁栄や活躍を祈る挨拶)

  • 末筆ながら、いっそうのご躍進のほどご祈念申し上げます。
  • 貴社のご隆昌をお祈り申し上げます。
  • 御社のますますのご発展をお祈り申し上げます。
  • 貴社のいっそうのご発展を心よりお祈り申し上げております。

相手の企業のますますの繁栄をお祈りする挨拶で締めくくるのも、よい結びです。

2-4.返事を求める挨拶

相手に連絡をしてほしい、回答してほしいなど、なんらかのアクションを起こしてほしいときは、以下のようなフレーズを使います。

結びの挨拶の例文(返事を求める挨拶)

  • では、ご返事をお待ち申し上げます。
  • 恐れ入りますが、ご返事のほどよろしくお願い申し上げます。
  • ご多用中とは存じますが、ご返事をいただければ幸いです。
  • お手数ですが、同封の返信はがきにてご出欠をお知らせください。
  • 恐れ入りますが、折り返しのご返事をお待ちしております。
  • 何卒〇月〇日までにご回答を賜りますようお願い申し上げます。

依頼ごとは、相手に失礼のないよう、礼節をわきまえた文章を心がけましょう。

2-5.依頼や断りの用件の挨拶

断りの用件を、相手に直接会って伝えるのならまだしも、文書で伝えるときは言い回しに注意しなくてはなりません。

ストレートに表現してしまうと、とても冷たい印象になってしまいます。以下を参考にしてください。

結びの挨拶の例文(依頼や断りの用件の挨拶)

  • 失礼とは存じますが、書中にてお願い申し上げます。
  • 勝手なお願いを申し上げ、誠に心苦しいのですが、どうかよろしくご検討ください。
  • お心に添えず申し訳ございませんが、なにとぞご寛恕のほどお願い申し上げます。
  • あしからずご了承くださいますようお願い申し上げます。
  • ご期待に添いかねますこと、心よりお詫び申し上げます。
  • 遺憾ながら、ご期待に添いかねます。何卒ご容赦ください。
  • 弊社の事情をご賢察のうえ、どうかよろしくお願い申し上げます。

お詫びとともに断りをやんわりと伝えることを意識しましょう。

2-6.今後の対応を伝える挨拶

今後の対応を伝えるときは、簡潔に書きましょう。

結びの挨拶の例文(今後の対応を伝える挨拶)

  • 追って詳細をご連絡申し上げます。
  • 近日中に改めておうかがいしたいと存じます。
  • 近いうちにお電話を差し上げます。
  • なお、詳細はお目にかかったときにお伝えいたします。

詳細を文書に書くと長ったらしくなってしまうときや、文字だと話のニュアンスがうまく伝わらないときはこのように書くのもよいでしょう。

さいごに

親しい友人や身内に送る手紙は、あなたの心情を締めくくりで表現することも大切ですが、ビジネス文書の結びの挨拶は、簡潔に書きましょう。

ビジネス文書はとくに常識が求められ、記録として保存されます。凝ったレトリック、ややこしい言い回し、普段目にしない難しい漢字などは使わないように心がけ、慣用的な表現を用いましょう。

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