手紙には、縦書きと横書きの2種類があります。これらは手紙を送る相手との関係や、手紙の用件によって使い分けることが基本です。
改まった手紙や目上の人に宛てる手紙は縦書きが原則ですが、両親や昔からの友人など親しい相手に送るカジュアルな手紙は横書きが適しています。
手紙を書き慣れていない人や、横書きの書き方を理解したい人に、基本構成と書き方について解説していきます。
横書きの手紙の基本構成と書き方
横書きの手紙は5つの要素で構成されています。それぞれは、以下の図の左側に記載している「前文」「主文」「末文」「後付け」「副文」です。
基本は上記の順に沿って書き上げますが、宛名を署名のあとに書くパターンや、日付を前文の前に右に寄せて書く場合もありますが、まずは基本構成の書き方を覚えましょう。
前文の書き方
親しい相手に送る横書きの手紙では、前文は3つの項目に分かれます。図に割り振っている番号順に説明していきます。
1.宛名
宛名には相手の氏名に敬称(様)をつけて書きます。1行目の一番左に寄せて書きましょう。また、改まった手紙を除いて、頭語は省略しても構いません。(頭語とは?)
2.時候の挨拶
時候の挨拶は、手紙を送る時期の気候や季節を挨拶言葉で表現したものです。行頭から1字下げて書き始めます。上記の図では、11月の季節感を「日ごとに秋が深まってまいりましたが」と書き、秋真っ只中の様子を表しています。月ごとに時候の挨拶は異なりますが、今の季節に合う言葉を探している人は時候の挨拶をご覧ください。
3.安否を気遣う挨拶
前文の最後は、相手の健康や安否を気遣う挨拶を書きます。その他の例文は相手の安否を気遣う挨拶でご紹介しています。相手との連絡のやり取りに日が空いている場合は「ご無沙汰を詫びる言葉」を伝えるときもあります。
主文の書き方
主文では手紙の用件を伝えます。ポイントは以下の2点です。
4.起語
「さて」「このたび」といった、本題に入るきっかけとなる言葉を入れます。使い方については起語(起こし言葉)とはをご覧ください。
5.本題
手紙の用件をわかりやすい文章で簡潔に書きます。書くときに注意したいのは以下の2点です。
主文は、伝えたい内容をシンプルかつ具体的に書かないと、相手に用件がうまく伝わりません。主文に伝えたい内容をいくつも詰め込むのではなく、1つに絞って書きましょう。
末文の書き方
末文では、本文の終わりを結びの挨拶で締めくくります。
6.結びの挨拶
結びの挨拶とは、季節の挨拶と絡めて、相手の健康や繁栄を祈る言葉で結びます。
後付けの書き方
後付けは、手紙を送る「日付」と「署名」を書く項目です。
7.日付
日付は1~2字、右に寄せて書きます。算用数字で発信月日を記します。
8.署名
署名は原則、フルネームで書きます。相手との関係次第で名前だけ(苗字を省略)でもよいでしょう。行末より一字程度左に寄せて書きます。
副文の書き方
副文では、書き漏らしたことや、念を押したいことを追記します。書き方は、行頭に「追伸」や「二伸」と書いてから1文字分スペースを空け、書き漏らしたことなどを書き記します。詳しくは副文の書き方をご覧ください。副文は基本、目上の人や改まった手紙には適しておらず、失礼な印象を与えてしまうことがあります。親しい人に宛てた手紙に限り、使用しましょう。