ビジネス文書における「良い文書」は、読み手を意識して作成されたもの。大切なのは、言いたいことが読み手にはっきり伝わり、納得させることができるかどうかです。そこでもっとも大事なことは、決められたルールを守り、書式に則って文書を書くことです。
ここではビジネス文書の基本構成と、それぞれの要素で押さえておくべきポイントはなにか、具体的にご説明します。
ビジネス文書の基本構成と書き方
ビジネス文書(社外文書・社内文書)や、案内状・招待状などは、横書きで作成するのが一般的です。※縦書きの場合もあります。ビジネス文書は、書式に則って書くことが基本です。まずは書式には8つの構成要素があることを理解しましょう。
(1)日付~(8)別記までの、それぞれの構成要素をご説明します。より具体的に知識を深めたい方は、該当のリンクをご覧ください。
前付
前付けとは、差出人がいつ、誰に宛てた文書かを明記することであり、ビジネス文書では以下の3つの要素を必ず入れます。
(1)日付・文書番号
日付は、「発信年月日」を和暦で書くのが基本。また文書番号は、文書を保管するときに使用し、社内文書で用いられることが多いです。日付や文書番号の正しい書き方を知りたい人は「日付の書き方」をご覧ください。
(2)宛名
宛名は、文書を受け取る相手の情報を記入します。会社名・部署名・氏名・敬称を入れて個人に宛てる書き方や、「お客様各位」「関係者各位」といったように多数に宛てる書き方があります。
「〇〇部長様」など、敬称を間違ったり二重敬語を使ってしまい、相手に非常識な印象を与えてしまうと、仕事にも支障をきたします。正しい書き方を知りたい方は「宛名の使い分け方」をご覧ください。
(3)差出人
文書を差し出す人の会社名や名前を書きます。連名で文書を出すときや、代表印を捺印するときなどによって、差出人の書き方も変わります。正しい明記は「差出人の書き方」でご説明しています。
タイトル
(4)件名
文書の用件や本題を記載します。「〇〇のお知らせ」「〇〇のご回答」のように、差出人が本文で伝えたい要旨を読み手が一目で分かるように、簡潔かつ具体的に記載します。読み手にとって分かりにくいタイトルを選んでしまっている人は少なくありません。自信のない人は「件名を書くときのコツ」をご覧ください。
前文
(5)前文は、以下の4つの要素で構成されています。
1.頭語
頭語は文書の一番はじめにくる「拝啓」「謹啓」などの挨拶で、結語とセットで使います。正しい使い方は「頭語と結語の組み合わせ」で記載しています。
2.時候の挨拶
文書を送る季節や天候に応じて、その季節感や差出人の心情を表す挨拶言葉を書きます。挨拶文の例文は「時候の挨拶」で確認しましょう。
3.安否を尋ねる挨拶
ビジネス文書の場合、相手の会社の繁栄を喜ぶ挨拶を入れます。例文や注意点は「安否を尋ねる挨拶【例文付き】」をご覧ください。
4.日頃の感謝を伝える挨拶(自分の安否を伝える挨拶)
日頃お世話になっている感謝の気持ちを伝えます。また状況に応じて自分の安否を伝えることもあります。それぞれの例文を確認したい方は「感謝の気持ちを伝える挨拶」、「自分の安否を伝える挨拶」をご覧ください。前文を書くときの注意点は「前文の書き方」で解説します。
主文
(6)主文では、相手に伝えたい用件・本題を伝えます。
1.起語
主文の冒頭は、「さて」「ところで」といった「起語(起こし言葉)」を用いて、用件を伝える合図を読み手に知らせます。
2.本文
本文は、読み手に分かるように言葉の言い回しや順序、敬語の使い方に気をつけて書き上げます。二重敬語など、敬語の間違い表現には注意しましょう。
末文
(7)末文は、以下の2つの要素で構成されています。
1.結びの挨拶
本文の締めくくりとして、挨拶文を入れます。すぐに使える例文は「結びの挨拶の例文」に記載しています。
2.結語
結語は「敬具」「敬白」といった挨拶で、頭語とセットで使用します。詳しくは、「頭語と結語の使い方」をご覧ください。
別記
(8)別記
別記は、後に本文で書くと分かりにくい内容や、紛れてしまう項目を見やすくするときに用います。書き出しの左右中央に「記」と入れ、箇条書きで項目を書き、「以上」で締めくくります。具体的に例文を見たい方は「別記の書き方の例文」をご覧ください。