ビジネス文書には一定の書式があります。
書き方がわからない人は、まずは書式に則って書くことを身につけることが先決です。
今回はビジネス文書のなかの、差出人の正しい書き方について解説します。必要事項や差出人を書く位置が分からない人は確認してくださいね。
1.差出人を書く位置
まずはビジネス文書のなかの、差出人を書く位置について解説していきます。以下の図の「(3)差出人」の箇所です。
差出人を書くときは、宛名よりも下の位置に明記します。手紙や文書では、読み手に敬意を表す意味合いを込めて、差出人よりも宛名を上部に記入します。差出人を文末に書くこともありますが、一般的には上図のように宛名の斜め右下の位置です。手紙を受け取る相手が、自分よりも目下の人であったとしても、同列で記載したりするのはマナー違反です。
2.差出人の書き方
ビジネス文書の内容によっては、差出人の記入の仕方も変わります。差出人は、大きく分けて4つのパターンに分かれます。それぞれの書き方を見ていきましょう。
2-1.一般的な書き方
差出人の項目では、一般的に発信者の以下の項目を記入します。
- 会社名
- 部署名
- 役職(肩書)
- 氏名
見栄えが良くなるため、基本的に右詰めで書きます。以下に記入例を記載します。
株式会社〇〇〇〇 |
もし宛名の項目を3行で明記する場合(1行目:会社名、2行目:部署名、3行目:役職・氏名・敬称)は、差出人の書き方も合わせるとより見栄えが良くなります。
2-2.連絡先を明記するときの書き方
文書によっては、受取人が書面内容を確認した後の連絡を希望する場合や、先方に不明点があったときに確認できるような窓口を記入することがあります。
必要に応じて以下の項目を記入しておきましょう。
- 会社名
- 部署名
- 役職(肩書)
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- FAX番号
住所や電話番号も記載するときは右詰めで以下のように書きます。
株式会社〇〇〇〇 |
文書を読んだ相手からなんらかのアクションがほしいときは、それに必要な項目を記入します。見やすさの観点から、無理に差出人の欄に記入せず、別記に書くのも良いでしょう。電話番号やFAX番号を書くときは、番号の書き間違いがないよう、文書を送付する前に、上司に確認してもらうとよいでしょう。
2-3.差出人を連名で表記するときの書き方
連名で差し出すときは以下の3つのパターンがあります。
2-3-1.同じ会社・部署に所属する者が連名で差し出すとき
同じ会社・部署に所属する2者が連名で文書を差し出すときは、上位役職者が上、目下の人を下に明記します。
株式会社〇〇〇〇 |
基本的には、上位に明記した人は、担当する業務自体の責任者になります。一方で下位の人は、窓口としての担当者です。2者とも役職者の場合は、上記したように役職を揃えて記入します。役職がない人を連名で書く場合は、苗字を揃えましょう。
2-3-2.同じ会社の違う部署に所属する者が連名で差し出すとき
同じ会社に所属する2者でも、部署が異なる場合の連名の書き方は、文書にもそれを正確に明記しないといけません。上位に書く人・部署名は、文書との関連性が強いほうとなります。
株式会社〇〇〇〇 |
窓口の担当者名の下には、必要に応じて電話番号などの連絡先を記載しておきましょう。
2-3-3.二社の連名で差し出すとき
2社が連名で文書を出すときは、親会社・子会社などの資本関係の上位を上に、下位を下に記入します。
株式会社〇〇〇〇 △△△△株式会社 |
会社名の先頭を揃えたり、役職名・名前を揃えると見栄えが良くなります。Wordで文書を作成するときは、均等割り付けで字間を調節する工夫も考えましょう。
2-4.代表者印を捺印するときの書き方
社外に出す公式文書のなかには、差出人の箇所に、会社の実印や角印を捺印する場合があります。そのときは会社名・住所の頭を揃えて、代表取締役名を1文字分、字下げします。
印鑑は、名前に陰影が少しかかる程度に捺印しましょう。