主文とは|ビジネス文書の書き方

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主文とは|ビジネス文書の書き方

ビジネス文書の前文を書き終えたら、次は主文です。

主文は、相手に用件を伝える大事な部分ですが、文章構成や書き方がうまく組み立てられず、苦手に感じる人も多いでしょう。

読み手に分かりやすい文章を書くためのポイントやコツも解説していきます。

1.主文とは

主文は相手に用件を伝えるもっとも重要な部分です。前文で挨拶を述べたあとは、以下の図の「(6)主文」で本題を書きましょう。

ビジネス文書

主文を書くときのポイントを以下にご説明します。

2.主文では起辞・決まり文句を使おう

挨拶文(前文)を書き終えたら、改行して主文を書き始めます。相手に本題の始まりを伝えるため、「さて」「ところで」などの起辞(起こし言葉)を用いることが一般的です。

また、文章の区切りとして「つきましては」「なお」などの文中の決まり文句を適宜利用して、相手に分かりやすい文章を心がけましょう。先方にとっても「ここからが用件だな」とすぐにわかる合図になります。起辞が使えるのは以下のときです。

  • 用件に入るとき
  • 結論をまとめるとき
  • 用件を補足するとき

それぞれのパターンで使える起辞を、例文とともにお伝えしていきます。

2-1.用件に入るときの起辞・起こし言葉

これから用件(本題)に入るというときに使える起辞は以下の4つです。

  • さて
  • ところで
  • 早速ですが
  • 既にご存じかと思われますが

どのような使い方があるのか、見ていきましょう。

起辞・起こし言葉 用例
さて
  • さて、このたび弊社では
  • さて、突然ではございますが
ところで
  • ところで先日ご連絡しました〇〇の件ですが
  • ところで、お申し越しの◯◯の件でございますが
早速ですが
  • 早速ですが、過日ご提案いただきました
  • 早速ですが、先日ご照会いただいた◯◯の件につきまして
既にご存じかと思われますが
  • 既にご存じかと思われますが、弊社では
  • 既にご存じかと思われますが、先日発表した〇〇の件で

起辞を用いることによって、メリハリのある、わかりやすい文章になります。

2-2.結論をまとめるときの決まり文句

用件を一通り説明し終えたら、結論を述べます。そのときの決まり文句は次のとおりです。

  • つきましては
  • 以上より

例文は以下のとおりです。決まり文句があることによって、相手に意向を明確に伝えることができます。

決まり文句 用例

つきましては

  • つきましては、下記の通り、◯◯の発表会を開催いたします
  • つきましては、〇月〇日までにご回答をいただけますよう

以上より

  • 以上より、弊社といたしましては
  • 以上より、表題の件に関しまして

「つきましては」は、「ついては」に「ます」をつけた丁寧語です。

2-3.用件を補足するときの決まり文句

補足したい事柄があれば、以下の決まり文句を置いて、書き添えます。

  • なお
  • もし

以下の例文をご覧ください。

決まり文句 用例
なお
  • なお、ご不明点がございましたら、ご遠慮なくお尋ねください
  • なお、期日までにご返送ください
もし
  • もし、ご不明な点がございましたら

「なお」は、漢字で「猶」や「尚」と書けますが、ひらがなが分かりやすいでしょう。相手に読みやすい言葉で書くことも大切です。

3.主文を上手く書くコツ

文章は何よりも、読むそばからスラスラ分かるように書くことが大切です。最後まで読んで「考えればわかるはず」という文章は不親切です。それでは書き手の目的も叶えることができません。ご紹介するコツを押さえた文章か、確認してみてくださいね。

3-1.1つの文章では1つの事柄だけを伝える

たった1つの文章の中で、たくさんの事柄を伝えないようにしましょう。あせってしまうと、ついつい詰め込みすぎてしまいます。日本語は、最後に句点(。)がくるまで安心のできない構造になっています。

例えば「お届けの商品がご注文内容と異なるとのご連絡をいただきまして、さっそく調査しましたところ、当方の手違いと判明しましたので、大変なご迷惑をお掛けしましたことを心よりお詫び申し上げます」という文は、最後まで読んで、初めてなにが伝えたいのかが分かります。

また、接続助詞「が」「ため」「ので」などを用いて、なかなか句点がこない長い文章は、たくさんの言葉を覚えたまま文末まで読み進めなければなりません。そのうち、最初から読み直さないと、何が言いたいのかも分からなくなってしまいます。

主語と述語がはっきりした、短めのセンテンスで文章をまとめましょう。

3-2.修飾語を適切に用いる

ビジネス文書では、必要なことだけをシンプルに伝えることが大切です。文章の中に修飾語を用いるときは以下の2つのことを理解しておきましょう。

・余計な修飾語は省く

ニュアンスを正確に表現しようとして、修飾語をいくつもくっ付けて置いてしまう人がいます。例えば「かなり多く」、「非常に意欲的に数々の」、「今後大きく発展していくに違いない無限の将来性」などの表現は、読み手にとってはむしろ分かりにくい言葉になってしまいます。

・修飾語は被修飾語の直前に置く

修飾語を置く位置を変えるだけで、文章の分かりやすさはがらっと変わります。以下の例をごらんください。

  • 誤:入社後3ヶ月を過ぎて、次第に窮屈だと感じていた社内の人間関係が、温かみのあるものだと気づいた。
  • 正:最初は窮屈だと感じた社内の人間関係が、入社後3ヶ月を過ぎて、次第に温かみのあるものだと気づいた。

修飾語と被修飾語を離すと、誤解が生じてしまいます。理解しやすいように、修飾語は直前に置きましょう。

3-3.長い文章は箇条書きにする

長い文章は、情報を整理した上で、並べる順番を考え、箇条書きにしましょう。例えば「東京本社7階会議室で本年度下半期販売目標に関して話し合う会議が、9月15日(木)の午前10時から12時まで開かれます」という文章なら、箇条書きのほうが適しています。主文に情報を詰め込もうとするのではなく、別記に以下の書き方をすると、分かりやすいでしょう。

  1. 日時 9月15日(木) 午前10時~12時
  2. 場所 東京本社7階会議室
  3. 議題 本年度下半期販売目標

箇条書きには、文章を簡潔にまとめられるだけでなく、情報が一目で把握できる利点もあります。

3-4.二重否定で表現しない

1つの文章で否定語を2回用いると、文章が曖昧になってしまいます。

二重否定の例 適切な表現
在庫はないわけではありません
  • 在庫はあります
  • 在庫僅少です
売上は上昇していないというわけではありません
  • 売上は上昇しています
  • 売上はかろうじて上昇しています
無関心でいられなくはありません
  • 無関心でいることができます
  • 関心はありません
しかるべき手段に訴えないこともありません
  • しかるべき手段に訴えます
  • しかるべき手段に訴えることもあります

二重否定で微妙な気持ちを伝えたいというのは、プライベートでは良くても、ビジネスでは認められません。ストレートに意味が分かる表現を選びましょう。よく間違える敬語の表現も確認しておきましょう。尊敬語や謙譲語などの使い分け方を確認したい方は、「敬語の正しい使い方」をご覧ください。

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