支店や営業所、事務所を閉鎖する挨拶状では、閉鎖の理由を簡潔に述べて、お世話になった方々にお詫びの言葉を書き添えます。感謝の気持ちや、今後の厚誼を願う言葉も明記し、丁寧に書くよう心がけましょう。
ここでは、支店・営業所閉鎖をお知らせする挨拶状の書き方や、心がけておくべきマナーについてお伝えします。文例もご紹介するので、文書を書くときの参考にしてくださいね。
目次
支店・営業所閉鎖の案内(お知らせ)のマナー
まずは、支店・営業所閉鎖の挨拶状を書くときに心がけておきたいマナーや、押さえておくべきポイント、注意事項について理解しておきましょう。
閉鎖の案内を送るタイミング
支店や営業所が閉鎖することによって、取引先やお客様に迷惑をかける場合があります。挨拶状は、遅くとも1ヵ月前には届くように手配するのがマナーです。閉鎖の理由については詳しく説明する必要はないので、簡潔に明記し、相手先に理解を求めましょう。
また、相手の都合を考慮し、閉鎖日時を明確に伝えることも大切です。閉鎖予定の支店で業務を行う日時、業務を引き継ぐ支店名と業務開始日については必ず明記しましょう。
お詫びの言葉を書き添える
事務所が閉鎖することで、引き継ぎ先の支店までの距離が離れてしまい来店しづらくなる、会社の先行きに対して不安にさせてしまう、コミュニケーションが取りにくくなるなど、お客様や取引先が不便になってしまう場合もあるでしょう。
挨拶状では、自社の都合で閉鎖し、迷惑をかけてしまうことに対してお詫びの言葉を述べるのがマナーです。お詫びとともにこれまでお世話になったことへの感謝や今後のお付き合いをお願いする言葉も添え、丁寧な文面にすることを心がけましょう。
引き継ぎ先も明記する
支店は閉鎖しても、業務自体を継続する場合は、引き継ぎ先についても明記しましょう。他の支店が業務を引き継ぐ場合は、支店名や住所、引き継ぎ開始日時、営業時間、電話番号などを別記に箇条書きで記載します。
その他、必要に応じて最寄り駅からのアクセス情報や、地図の添付、FAX番号、担当部署なども明記し、相手方に迷惑がかからないよう配慮しなくてはなりません。
支店・営業所閉鎖の案内(お知らせ)の書き方
つづいては、支店・営業所閉鎖の挨拶状の基本構成についてご紹介します。案内は書式に則って明記するのがマナー。構成要素とポイントは図の下に記載しておきます。
|
支店・営業所閉鎖の案内(お知らせ)の文例
さいごに、支店・営業所閉鎖の挨拶状の文例をご紹介します。文例のあとに記載しているポイントについても目を通しておいてくださいね。
文例1:支店閉鎖のご挨拶
拝啓 初秋の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご厚情をいただき、誠にありがとうございます。 さて、このたび弊社におきましては、経営合理化の一環として〇〇支店を平成〇〇年〇月〇日をもちまして閉鎖することとしました。これまで同支店をご愛顧くださいました皆様には、心よりの御礼を申し上げます。 なお、閉鎖後の同支店の業務は〇〇支店が、万全のフォロー態勢で引き継ぐ所存でございます。皆様には、ご迷惑をおかけすることを心からお詫び申し上げますとともに、今後とも一層のご指導、ご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。 まずは略儀ながら書面をもってご報告かたがたご挨拶申し上げます。 敬具 |
「不便をかけるお詫び」を述べた後、「今後の指導・支援のお願い」という順序で書き記すと、挨拶が丁寧にまとまります。文例中の下線部は「さらに充実したサービスをご用意させていただく」などと書き換えてもよいでしょう。
文例2:支店閉鎖のご挨拶
取引先各位 株式会社〇〇〇〇 代表取締役 〇〇〇〇 支店閉鎖のご挨拶 拝啓 余寒の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。 さて、弊社では経営合理化策の一環として、平成〇年〇月〇日をもちまして〇〇支店を閉鎖することといたしました。これまで同支店をご利用いただいた皆様には、心よりお礼申し上げます。 なお、平成〇年〇月以降のお取引につきましては、下記弊社〇〇支店にて承り、さらに万全の態勢でサービスに努めてまいる所存です。何卒ご理解をいただき、今後とも変わらぬご愛顧を賜りたくよろしくお願い申し上げます。 敬具 記 支店名 〇〇支店 営業時間 10時~18時 住所 〒〇〇〇-〇〇〇〇 東京都中央区見本橋〇-〇-〇 電話番号 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇 以上 |
顧客に不便をかける可能性があるときは、そのことをお詫びし、フォローの有無を明記しましょう。閉鎖理由については、文例中の下線部の表現のほか、「営業地区の管轄見直しにともない」などと簡潔に書き添えることが大切です。
文例3:営業所閉鎖のご挨拶
お客様各位 株式会社〇〇〇〇 代表取締役 〇〇〇〇 営業所閉鎖のご挨拶 拝啓 初秋の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。日頃はひとかたならぬご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。 さて、このたび弊社は経営合理化の一環として〇月〇日をもって〇〇営業所を閉鎖することになりました。これまでの同営業所への皆様からのご愛顧に深く感謝申し上げます。 なお、〇〇営業所の業務は今後〇〇営業所が引き継ぎ、迅速な対応を心がけてまいる所存でございます。皆様にはご迷惑をおかけすることを心よりお詫び申し上げます。これを機に社員一同気持ちを新たにし、皆様の信頼にお応えできるようさらなる努力をしてまいりますので、何卒ご理解のうえ、今後ともお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。 略儀ながら書中をもってご報告とご挨拶を申し上げます。 敬具 記 業務引き継ぎ先 〇〇営業所 住所 〒〇〇〇-〇〇〇〇 東京都中央区見本橋〇-〇-〇 電話番号 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇 以上 |
合併に伴う事務所閉鎖の場合は、上記文例の「経営合理化の一環として」を「親会社の〇〇株式会社と株式会社〇〇〇〇の合併に伴い」に書き換えて明記しましょう。迷惑を少なくするために、閉鎖時期を明確に伝えることも大切です。