日頃の感謝・お礼を伝える挨拶|すぐに使える例文つき

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日頃の感謝・お礼を伝える挨拶|すぐに使える例文つき

手紙では、こちらの用件を伝える前に、日頃の感謝の気持ちを表します。

お世話になっているという気持ちはあっても、それを上手く表現できない人や、感謝の言葉の書き方が分からない人はぜひご覧ください。

日頃の感謝を伝えるときのポイントや、挨拶の代わりに別の表現を使うべき状況を、例文をふまえてご紹介していきます。

1.日頃の感謝を伝える挨拶とは

前文の最後(頭語→時候の挨拶→相手の安否を尋ねる挨拶)に書く「日頃の感謝を伝える挨拶」では、普段、お世話になっている先方に感謝の気持ちを述べます。箇所は、以下の図の「(4)日頃の感謝の言葉」です。

ビジネス文書の書き出し

上記のとおり、「日頃の感謝を伝える挨拶」はビジネス文書に記載する定型文のひとつです。日頃から付き合いのある相手に、感謝の気持ちを伝える挨拶を入れることによって、丁寧な印象を与えるので必ず明記しましょう。

2.日頃の感謝を伝える挨拶の組み合わせ

それでは、感謝の気持ちを伝える挨拶をご紹介していきます。以下の(1)~(5)を組み合わせて使用しましょう。

(1)
  • 平素は
  • 日頃は
  • 毎度
  • 毎々
  • いつも
  • 常々
  • 先日は
  • 過日は
  • このたびは
(2)
  • 格別
  • 特段の
  • なにかと
  • 種々
  • いろいろと
  • ひとかたならぬ
  • 過分の
  • 身に余る
(3)
(4)
  • を賜り
  • にあずかり
  • をいただき
(5)
  • 誠にありがとうございます
  • 心より御礼申し上げます
  • 厚く御礼申し上げます

これらを組み合わせるだけで、形式的な挨拶を書くことができます。

日頃の感謝を伝える挨拶の例文

上記の(1)~(5)を組み合わせた、感謝を伝える挨拶の例文を見ていきましょう。

  • 平素は格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。
  • 日頃は特段のご配慮をいただき厚く御礼申し上げます。
  • 毎々ひとかたならぬお引き立てをいただき心より御礼申し上げます。
  • 過日はなにかとご愛顧にあずかり心より御礼申し上げます。

組み合わせる以外でも、よく使われる挨拶を下記します。

 丁寧な挨拶

  • 常々何くれとなくお心遣いをいただき深く感謝いたしております。
  • 常日頃よりお心にかけていただきまして、感謝の念にたえません。
  • 日頃は何かとご高庇にあずかり、厚く御礼申し上げます。
  • 平素は格別のお引き立てをいただき、感謝至極に存じております。

 一般的な挨拶

  • 日頃は大変お世話になり厚くお礼申し上げます。
  • 常日頃よりお心にかけていただき、まことに恐縮いたしております。
  • いつもなにかとお心配りをいただき、たいへん感謝しております。
  • 常日頃より親しくお付き合いいただき、心より感謝しております。

 親しみやすい挨拶

  • いつも温かく見守っていてくださって、ありがとうございます。
  • いつもお世話いただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。
  • いつも親切にしてくれて、本当にありがとう。
  • 何かと心をくだいてくださって、深く感謝しています。

形式的な挨拶との印象を相手に与えないように、できるだけ心のこもった表現を工夫しましょう。

3.日頃の感謝を伝える挨拶を書かない場合もある

普段付き合いがない相手や、久しぶりに連絡を取る相手、面識のない相手に初めて差し出す手紙には、感謝を伝える挨拶を書く必要はありません。かわりに、ご無沙汰のお詫びを書いたり、面識のない相手への初めての文書であれば、突然の連絡をすることを詫びてもいいでしょう。前文に入れるお詫びの挨拶は、次のような内容が一般的です。

  • ご無沙汰などのお詫び
  • お世話をかけたお詫び(具体的な内容を書かずに済ませられる程度のもの)
  • 面識のない相手に突然手紙を差し出すお詫び
  • 連絡(手紙の返信)が遅くなったお詫び

お詫びする内容が軽くない、重大なものなら、主文で伝える必要があるので注意しましょう。

3-1.久しぶりの相手には、ご無沙汰のお詫びを書く

普段の付き合いがない相手に、日頃お世話になっているお礼を述べるのは不自然です。その場合は、ご無沙汰になったことを詫びて伝えます。

ご無沙汰のお詫びの例文は、以下の(1)~(4)を組み合わせます。

(1)
  • 日頃は
  • 平素は
  • 長らく
(2)
  • とかく
  • 心ならずも
  • つい
(3)
  • ご無沙汰いたしまして
  • ご無音(ぶいん)に打ち過ぎ
  • ご連絡を怠り
(4)

上記を組み合わせた例文を以下に記載します。

  • 日頃はとかくご無沙汰いたしまして誠に申し訳ございません。
  • 平素は心ならずもご無音に打ち過ぎなにとぞご容赦ください。
  • 長らくついご無沙汰いたしましてなにとぞご容赦ください。

そのほかの例も合わせてお伝えします。

  • ひさしくご無沙汰いたしまして申し訳ございません。
  • こちらの都合の良いときにばかりお便りするようで恐縮に存じます。
  • 心ならずもご無沙汰を重ね、ひらにお許しください。
  • 多用に取りまぎれ、とかくお便りも差し上げませず、汗顔の至りに存じます。
  • その後久しくご連絡もいたしませず、たいへん心苦しく存じております。
  • 長らくご無沙汰いたしましたご無礼、あしからずご容赦ください。
  • 生来の筆無精でついついご無沙汰に打ち過ぎ、どうかご容赦くださいませ。
  • 常々心にかかりながらもすっかりご無沙汰してしまい、いくえにもお詫び申し上げます。

久しぶりの相手に手紙を差し出すときは、用件を伝える前にワンクッションはさんだほうが良いでしょう。

3-2.お世話になった相手には、お世話をかけたお詫びを書く

相手に迷惑を掛けてしまったときの程度が軽い場合は、感謝を伝える言葉の代わりにお詫びを書きます。

  • 日頃はご迷惑ばかりおかけしまして、誠に申し訳ございません。
  • このたびはお手数を煩わせまして、お詫びの申し上げようもございません。
  • 先頃はとんだご無礼をはたらき、まことに謝罪の言葉もございません。
  • いつもご心配ばかりおかけしておりますが、どうかお許しください。
  • いつもご面倒ばかりおかけしておりますこと、深く反省いたしております。

相手に対する誠意を示すため、ぜひいれておきたい挨拶です。

3-3.面識のない相手には、突然の連絡のお詫びを書く

初めて会う相手から「いつもお世話になっております」と言われたら違和感を持ってしまうように、手紙でも感謝を伝える挨拶を記入すべきかどうかは、相手とのつきあいの深さを基準に考えなくてはなりません。

面識のない相手に手紙を送るときは、突然連絡することを詫びる書き出しにしましょう。例文を以下に記載します。

  • 突然のお便りで失礼いたします。
  • 突然の不躾なお手紙をどうぞお許しください。
  • 突然、お手紙を差し上げます失礼をご容赦ください。
  • 失礼ながら、初めてお手紙を差し上げます。
  • いまだ拝眉の機会を得ておりませんが、不躾にもお手紙を差し上げますご無礼、どうかお許しのほど願い上げます。
  • いささか怪訝に思われたことでしょうか。このたび〇〇様のご紹介によりお手紙を差し上げました。
  • 厚かましくも突然にお手紙を差し上げますが、どうかご容赦願います。

面識のない相手に突然手紙を差し出すときの注意点

面識のない相手に突然手紙を差し出すときは、以下の点に注意しましょう。

  1. 初めての手紙であることを前文で必ず断る
  2. 用件が何であれ、できるだけ丁寧な言葉遣い、言い回しを心がける
  3. 相手が不審に思わないよう、きちんと自己紹介をする
  4. 紹介者などがあれば、その名前も忘れず書いて、伝えるようにする

これらのポイントを踏まえて手紙を書きましょう。

3-4.返信が遅れたときもお詫びを伝える

相手への返信が遅くなったときは、主文で用件を伝える前に一言お詫びするべきです。例文は以下のとおりです。

  • すぐにもご連絡すべきところ、ついつい遅延いたしまして、誠に申し訳ございませんでした。
  • ご返事を気にかけながら、多用に取りまぎれ心ならずも遅くなってしまいました。
  • ご連絡を怠りまして、たいへんに遅くなってしまい、申し訳ございません。
  • このようにご連絡が遅れましたこと、なにとぞご容赦ください。
  • 遅ればせながら、お返事させていただきます。

形式にとらわれてしまい、なんでも日頃の感謝を伝える挨拶を書いてしまわないよう、注意しましょう。読み手の気持ちになって文章を書くことが大切です。

さいごに

手紙が形式的な内容ばかりになると、相手に堅苦しい印象を与えてしまいます。

ご紹介した感謝を伝える挨拶や、お詫びの言葉を参考に、自身の言葉で文章を考えてみましょう。

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