ここでは、横書きのはがきの正しい書き方をご紹介していきます。
文面の基本構成は、手紙とほとんど同じですが、はがきに書ける文字数には限りがあるので、用件を端的に伝える必要があります。
書き方や書くときの注意点について、解説します。
目次
表書きの書き方(横書き)
横書きのはがきは、親しい人への気軽な内容の手紙に適しています。目上の人や改まった内容を送るときは、縦書きのはがきや封書に入れて手紙を送るのがマナー。混同しないよう、注意が必要です。使い分け方については手紙とはがきの正しい使い分け、それぞれの書き方については縦書きのはがきの書き方、手紙の書き方をご覧ください。
まずは表書きの書き方について解説していきます。横書きの場合、表書きは3つの書き方に分かれますが、いずれも親しい人に宛てるときに用います。それぞれは以下の通りです。
1.はがきの向きを縦長にして横書きする場合
まずは、はがきの向きを縦長にして書くときの図から確認しましょう。
- 郵便番号:郵便番号枠があるときは、枠内に数字を正しく記入します。枠がない場合は、はがき中央の左から書き始め、右端に1字分スペースを空けたところで書き終わるようにしましょう。
- 切手:はがきが縦向きの場合、切手を貼る所定の位置は、左上部(縦7.0㎝、横3.5㎝)の範囲です。切手を複数枚貼る場合や、綺麗な貼り方については切手の正しい貼り方を参考にしてください。
- 住所・マンション名:住所は、切手の1~2㎝下、左端から2文字くらいのスペースを空けて、宛名よりも小さい字で書き出します。住所の文字数に応じて調整しましょう。丁目や番地、部屋番号は算用数字(1、2、3)を用います。アパートやマンション名は省略せずに書きましょう。
- 宛名:宛名は、はがきを受け取る人の名前です。大きめの字で上下中央を目安に書きましょう。
- 差出人:差出人の住所・氏名は、はがきの右下に小さい字で書き、コンパクトに収めます。小さい字で書くことによって、受取人への敬意を表す意味合いがあります。氏名は住所よりやや大きめの字で書きましょう。
2.はがきの向きを横長にして横書きする場合A
はがきの向きを横長にするときの書き方は郵便番号枠の有無で決めます。枠があるときの書き方は以下です。
- 切手:はがきの向きを横長にして使用するときの切手の貼る位置は右上です。左上に貼るのは間違いなので気をつけましょう。詳しくは切手の正しい貼り方をご覧ください。
- 郵便番号:郵便番号を書くときの向きは、はがきの外側が「天」、内側が「地」になるようにします。
- 住所・マンション名:住所は左端から2文字くらいのスペースを空けて書き始めます。住所の文字数が多いときは無理に1行で書こうとせず、改行して2行にしましょう。番地の途中で改行してしまわないよう、気をつけてくださいね。
横書きの場合、丁目や番地は算用数字(1、2、3)を用いましょう。 - 宛名:宛名ははがきの上下中央に、大きめの字で書きます。
- 差出人:住所・氏名は、はがきの右下に小さめの字で書きます。氏名は住所よりやや大きめの字にしましょう。
3.はがきの向きを横長にして横書きする場合B
はがきの向きを横にして、郵便番号の枠がない場合は、以下の書き方が適しています。
- 切手:はがきの向きを横長にして使用するとき、切手を貼る位置は右上です。間違えて左上に貼る人がとても多いので気をつけましょう。綺麗に貼る方法は切手の正しい貼り方をご覧ください。
- 郵便番号:左端から2文字ほどスペースを空けて書き始めます。斜めに書いてしまう人は、定規を置くなどの工夫をすると真っ直ぐ書けます。
- 住所・マンション名:郵便番号の左側に揃えて書き始めます。住所の文字数が多いときは無理に1行で書こうとせず、改行して2行にしましょう。横書きの場合、丁目や番地は算用数字(1、2、3)を用います。
- 宛名:宛名は、はがきの上下中央に大きめの字で書きます。
- 差出人:住所・氏名は、はがきの右下に小さめの字で書きます。郵便番号は住所の上に記入するので間違えないようにしましょう。氏名は、住所よりやや大きめの字で書きましょう。
裏書きの書き方(横書き)
続いて、はがきの裏書の書き方についてお伝えします。以下の図をご覧ください。
はがきの基本構成は上図(1)のように、前文・主文・末文に分けられますが、親しい相手であれば、前文と末文を省略し、主文のみ(上図(2))でも構いません。相手との関係に応じて使い分けましょう。
裏書きの基本構成と書き方
◎前文(省略可)
1.頭語:頭語は、主文で用件を伝えるときに、前置きとして伝える挨拶言葉です。「拝啓」「前略」などの言葉を用いますが、相手によって使い分ける必要があります。また、頭語と結語は正しい組み合わせで使用しなくてはなりません。詳細は頭語・結語の組み合わせに記載しています。
2.相手の安否を気遣う挨拶:頭語のあとで1字分のスペースを空けたあとに、相手の体調を気遣う言葉を伝えます。例文は相手の安否を気遣う挨拶をご覧ください。
3.自分の安否を伝える挨拶:前文の最後に、自分や家族の体調・近況を報告します。体調が優れないときは、書くのを控えましょう。例文は自分の安否を伝える挨拶で確認してくださいね。
◎主文
4.起語:主文で用件を伝えるときは起語を用いると、読み手も用件の始まりを理解しながら読み進めることができます。「さて」「ところで」「このたび」といった言葉など、使い方を確認したい方は起語(起こし言葉)を確認しましょう。
5.主文を書くときの注意点:主文を書くときの注意点は2つあります。1つ目は敬語表現。二重敬語などの間違った敬語を使わないようにしましょう。2つ目は忌み言葉です。「重ね重ね」といった不幸を連想する言葉は別の表現にするなどして避けましょう。
◎末文(省略可)
6.結びの挨拶:文章を締めくくるときに用いる挨拶です。例文は結びの挨拶をご覧ください。
7.結語:末文の最後に結語を書きます。頭語は書かずに、「草々」「かしこ」などの結語だけ書く場合もあります。
はがきを書くときのマナーと注意点
最後に、はがきを書くときのマナーと注意点をお伝えします。
1.表書きと裏書きの文字の向きを合わせる
表書きが縦書きなら、裏書きも縦書きにします。それと同様に、表書きが横書きの場合、裏書きも横書きで統一しましょう。
これは、はがきの受け取り手が読みやすいようにするための差出人の配慮であり、はがきを出す相手や内容によって使い分ける、はがきの基本的なマナーです。
2.弔事や慶事のお知らせの場合、横書きはNG
はがきの内容や相手との関係性によって、はがきを書く向きは異なります。横書きのはがきがNGなのは以下のときです。
- 改まった相手に宛てるとき
- 相手が形式を重んじる目上の人
- 弔事や慶事に関する内容
そもそも、はがきを用いるのが相応しいのか、便箋に書いて封書で送るべきなのか、使い分けをしっかり理解しておきましょう。詳しくは手紙とはがきの違いをご覧ください。
3.住所は都道府県から書く
「親しき仲にも礼儀あり」ということわざがあるように、いくら親しい相手にはがきを送ったとしても、住所は正式名称を記載しましょう。
同じ県内の相手でも、住所は都道府県から書くのがマナーです。アパートやマンション名も省略してはいけません。
4.裏面は上下に注意
裏面に書くときは、上下を反対に書いてしまわないよう、注意が必要です。書くときは、表書きの郵便番号の位置を目安にしましょう。
5.字配りで美しさが決まる
丁寧な字で気持ちを込めて書いても、文字のバランスが取れていないと、雑に書いた印象を与えてしまいます。横書きのときの字配りのコツは以下のとおりです。
- 1行15字以内に抑える
- 行数は12~15行を目安にする
- 裏書きの文字の大きさを統一する
- 慣れないうちは下書きする
美しく書けるように、字配りを気にする習慣を身につけておきましょう。