封筒にもさまざまな種類があります。結婚式の案内を茶封筒や社用の封筒で送らないように、書類を送ることができればどの封筒を使っても良いという訳ではありません。手紙の種類や用件に応じて、適切な封筒を選ぶのも大切なマナーです。
ここでは、封筒の使い分けからルールまで、マナーとして押さえておくべきポイントをご紹介します。
ビジネス文書を送るときの封筒の種類と選び方
ビジネスで使われる封筒には、社名入り和封筒、白の縦長の和封筒(一重・二重)、茶封筒、洋封筒(角封筒)などがあります。ビジネス文書を送るときの封筒の種類は、用件に合わせて以下の組み合わせを選びましょう。なお、用途に応じた封筒を選んだら、次は「封筒の宛名の書き方」をご覧ください。
社名入り和封筒
社名入りの和封筒は、一般的な社外文書を送るときに使用します。取引に関する書面や契約書、会社案内などのパンフレットを送付するときなどです。
- 〇:仕事に関する事務的な文書
- ✕:社交・儀礼文書、お悔やみ状・お見舞い状
社名やロゴ・所在地があらかじめ印刷されている和封筒は、企業などの取引先に送るときに使い勝手が良いでしょう。
和封筒(二重)
和封筒には一重の封筒と二重の封筒がありますが、二重封筒は正式な手紙とされています。
ビジネスでは、社名入り封筒では事務的すぎると思われる、あらたまった社交・儀礼文書を送るときに使用されます。会社設立や役員就任、栄転・昇進などの「お祝い状」や、仕事の協力・紹介などの「お礼状」を送るときに使いましょう。
- 〇:お祝い状やお礼状などの社交・儀礼文書
- ✕:事務的な文書、お悔やみ状、お見舞い状
ただし、お悔やみ状を送るときは二重の封筒は使いません。「不幸が重なる」という意味があるため、タブーです。病気や災害のお見舞いの場合も、同様の意味から使いません。
和封筒(一重)
一重の和封筒は、お悔やみ状をはじめ、葬礼関係の文書を送るときに選びます。病気のお見舞いや災害のお見舞い状を送るときも、一重の封筒を使うのが慣例です。
- 〇:お悔やみ状・お見舞い状
- ✕:お祝い状・お礼状などの社交・儀礼文書
手紙の文章でも「重ね重ね」などの忌み言葉を使うのも不吉とされているため、注意しましょう。
茶封筒
茶封筒は、請求書や領収書など、事務的な文書やビジネス用途で送るときに使用します。
- 〇:仕事に関する事務的な文書
- ✕:社交・儀礼文書、目上の人に送る文書
正式な文書や目上の人に送る場合、茶封筒は使用してはいけません。茶封筒はあくまでも事務用です。※茶封筒で送る代わりに白封筒で送るのは構いません。
洋封筒(角封筒)
- 〇:社交・儀礼文書
- ✕:仕事に関する事務的な文書
会社の式典への招待状や役員就任の挨拶状などの儀礼文書を送るときは、はがきの大きさのカードに印刷し、洋封筒に入れて送ります。
手紙を送るときの封筒の種類と選び方
続いては、便箋で手紙を送るときの封筒の選び方をご紹介します。
白無地の和封筒
白無地の和封筒は、すべての手紙に使えるフォーマルな封筒です。
- 〇:すべての手紙
- ✕:弔事・お見舞いの手紙(二重の封筒)
ただし、裏紙がある二重の封筒は、忌み言葉と同じ「重なる」意味合いから、弔事やお見舞いの手紙、結婚式のお祝いの手紙などには使わないよう注意しましょう。
白無地の洋封筒
白無地の洋封筒も、正式な手紙を送るときに使えます。特にカードを入れる招待状、案内状などに適しています。
- 〇:すべての手紙・カード
- ✕:郵便番号枠があるものは弔事には避ける
ただし、縦書きの郵便番号欄があるタイプは、とじ目を逆にする不祝儀の場合、表側と上下が逆になるのでNGです。
色・絵柄入りの封筒
色や絵柄の入った封筒は、親しい相手への手紙に使います。
正式な手紙にはNGですが、淡い色の無地ならば、あらたまった相手に使ってもかまいません。
- 〇:親しい相手に送る手紙
- ✕:弔事・お見舞い・正式な手紙
基本的に便箋も封筒も、色・柄入りのものは親しい友人だけに送るほうが無難です。
茶封筒
事務的な手紙に多く使われます。請求書や領収書、書類を送るなど事務的なイメージが強いので、あらたまった相手や儀礼的な手紙には不適切です。
- 〇:大きめの郵便物・事務的な手紙
- ✕:正式な手紙・あらたまった相手に送る手紙
親しい人にも使用は控えたほうが無難でしょう。