退院祝い(快気祝い・お見舞い)のお礼状の書き方|文例つき

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退院祝い(快気祝い)のお礼状の書き方|文例つき

病気・ケガなどのお見舞いや、退院祝いのお礼状は、健康状態が落ち着いてから、いただいた心遣いや励ましへの感謝の気持ちを込めて、丁寧に書きます。

ここでは、退院祝いや快気祝いのお礼状の書き方をお伝えします。マナーや注意事項などのポイントを理解したうえで、相手別の文例を確認し、手紙を書くときの参考にしてくださいね。

退院祝い(快気祝い・お見舞い)のお礼状のマナー

まずは、退院祝い(快気祝い)のお礼状のマナーや注意事項についてお伝えします。

快気祝いと快気内祝いの違い

「快気祝い=快気内祝い」と誤解している人は少なくありません。正しくそれぞれの意味を理解しておきましょう。

  • 快気祝い:病気や怪我が全快したら、療養中にお世話になった方・お見舞いをいただいた方に、お礼や退院(全快)の報告として贈ること
  • 快気内祝い:全快ではないけれど、退院や床上げに際して、長期入院中にお見舞いに来ていただいた方へお礼かたがた、退院報告を兼ねてお返しをすること

入院中、お世話になった方々にお礼を述べるときは、上記の違いを理解したうえで手紙やお返しを贈りましょう。

病状の経過・退院後の見通しを明記する

退院祝いのお礼状は、退院の報告も兼ねています。文面には必ず退院した旨を書き添えましょう。そして、現在どのような状態であるかも、違和感のない範囲で、前向きな表現で伝えます。また、仕事への復帰の見通しも知らせるようにします。

健康状態があまり思わしくない場合や、自宅療養・通院が長引く場合は、本復ではない旨を具体的に伝えることは控え、現実に即して希望が持てる表現ができないかを考えましょう。

相手の心配をあおる表現・忌み言葉の使用はNG

お礼状に、病気の愚痴や不満、今後の見通しに対する弱音を書いても、相手に心配をかけるだけです。

退院後も通院しなければならない場合や、現時点で本復ではなくても、それをネガティブにとらえて手紙に書くのではなく、「退院後は定期的な通院が必要ですが、仕事のほうは間もなく始めることが可能です」などと前向きな表現を心がけることが大切です。

また、手紙では、不吉なことを連想させる縁起がよくない言葉(忌み言葉)を避けて書くのがマナーです。

病気や入院が長引くこと、繰り返すことを連想させる「死ぬ、衰える、枯れる、倒れる、苦しむ、迷う」や「重ね重ね、ますます、次々」などの重ね言葉には十分注意しましょう。詳しくは忌み言葉の一覧をご覧ください。

退院祝い(快気祝い・お見舞い)のお礼状の書き方

つづいては、退院祝い(快気祝い)の手紙を書くときの基本構成と書き方についてご紹介します。お礼状は、以下の図に示した「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つの項目に分かれます。

退院祝い(快気祝い・お見舞い)のお礼状の書き方

  • 前文:お礼状の前文は「頭語(拝啓)」「時候の挨拶」「相手の安否を気遣う挨拶」の順番に形式に従って書き添えます。頭語のあとは一文字あけて時候の挨拶を書きましょう。入院中、お世話になった方々へ送るお礼状は、丁寧な文章にまとめることが大切です。
  • 主文:「病気のお見舞いへのお礼の言葉」「退院の報告・現在の状態の報告」「今後へ向けての決意、または快気内祝いの品送付の通知」を述べます。
  • 末文:末文は「結びの挨拶」で文章を締めくくり、改行して行末に「結語(敬具など)」を書きます。結語の書き忘れに注意しましょう。
  • 後付け:「日付」「差出人」「宛名」の順に書きます。日付は、文頭から2字下げて、和暦で発送年月日を明記しましょう。宛名には、敬称(様)も忘れず書きます。

退院祝い(快気祝い・お見舞い)のお礼状の文例

上司へ

拝啓 新涼の候、〇〇様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
 さて、私の入院加療中は、ご丁寧なお見舞いをいただき、誠にありがとうございました。
 術後の経過もよく、六日に退院の許可が出ました。現在は自宅でゆっくりと静養しております。定期的な通院が必要ですが、仕事のほうは間もなく始めることが可能です。
 これからは、健康管理にできるだけ努め、皆様にご迷惑をおかけしないように過ごして参ります。
 まずは書中にてお礼とご挨拶を申し上げます。
                                          敬具

しばらく安静にしておく必要がある場合や、機能回復訓練のための通院が必要なときは、文例中の下線部を「社会復帰までにはもう少し時間がかかる見込みで、現在はリハビリに努めております」と書き換えるなど、現在の状態はできるかぎり詳しく報告しましょう。

同僚へ

拝啓 菊花の香り高い季節となりました。
 このたびの入院中は、ご懇切なお見舞いを頂戴し(1)、誠にありがとうございました。皆様のお顔を拝見し、また、温かいお言葉をいただき、とても勇気づけられました。
 おかげ様で、その後順調に回復し、二月二十日に退院をいたしました。現在は通院をしながら自宅療養中です。三月中旬には職場へ復帰する予定です。皆様には大変ご迷惑をおかけし、申し訳ありません。
 今後、体調管理には十分気をつけ、摂生に(2)努めます。
 早く元気な姿をお見せできるよう、今は、少しずつストレッチなどをしながら体力をつけている次第です。皆様もどうぞご自愛くださいませ。
 まずは退院の報告かたがた、お礼申し上げます。
                                          敬具

文例中の下線部(1)は「大変ご心労をおかけいたしたうえ、お心こもったお見舞いをいただき」と書き換えてもよいでしょう。(2)は「普段、いかに不摂生をしていたことか、反省しきりです。これからは健康第一に」などの伝え方も参考にしてくださいね。

友人へ

 〇〇さん、このたびは、お忙しいところ何度も病院に足を運んでくださって、本当にありがとう。
 不安でいっぱいだったので、本当に嬉しかったです。おかげ様で回復のスピードが上がっていき、今日、無事退院することができました。しばらくは自宅でゆっくり過ごす予定です。
 落ち着いたら、ぜひ一緒にお食事に行きましょうね。おいしいお料理とおしゃべりの時間を楽しみに、まずは回復に専念します。

文例中の下線部は「待ちに待った退院の日を迎える」に書き換えもできます。親しい友人にお礼の手紙を送るときは、あまり堅苦しい表現にならないよう、自然な印象を与える言葉を選ぶのもポイントです。

知人へ

拝啓 深秋の候、〇〇様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
 さて、私の病気入院中は、ご多忙中にもかかわらず遠路お見舞いをいただき、どうもありがとうございました。
 あの折は手術直後ということで、弱々しい姿をお見せしましたが、その後の回復はほぼ順調に推移し、四日前に無事退院いたしました。差し入れていただいたクロスワードパズルのおかげで、長い入院生活に退屈することもありませんでした。
 今後、少しの間自宅で体力の回復を図り、十二月から職場に復帰することにしております。
 病気とは縁遠かった私ですが、このような経験をし、体調管理の大切さを思い知りました。今後は十分に注意をして、このようなご心配をおかけしないようにして参る所存です。
 まずはとりあえず、お礼かたがた退院のご報告を申し上げます。
                                          敬具

文例中の下線部は「先日はわざわざお見舞いにお越しくださったうえに、ご芳志まで頂戴いたしまして、どうもありがとうございました」と書き換えてもよいでしょう。入院中、お見舞いの差し入れをいただいた場合は、それについても触れておくようにしましょう。

母の知人へ

拝啓 新秋の候、皆様にはご清祥のこととお喜び申し上げます。
 母、〇〇の入院中はいろいろとご心配をいただき、誠にありがとうございました。おかげ様で四月十五日に無事退院し、日一日と快方へ向かっております。いつも健康だけが取り柄だと申しておりました母も、今回のことで検診や検査の大切さを痛感したようです。
 心ばかりではございますが、快気内祝いの品を同封いたしましたので、どうぞご受納ください。
 まずは書中にて御礼申し上げます。
                                          敬具

家族が代筆するときも基本的な構成は同じです。退院後、本人が仕事に復帰する場合は「職場の皆様には何かとご迷惑をおかけいたしました」「職場復帰のあかつきには、ご恩返しをさせていただく所存です」などとお詫びも添えておくとよいでしょう。

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