寒中見舞いは、厳寒の季節に相手の健康を気遣う挨拶状です。
また、年賀状をお送る時期を逃した場合や、喪中の際など、年賀状の代わりとしても使用します。
ここでは、寒中見舞いの書き方やマナーについて解説します。
目次
寒中見舞いとは
寒中見舞いとは、寒さの厳しい「大寒」の時期に、相手を気遣って出す書状です。主な使い方は以下の3点です。
- 一般的な季節の挨拶として出す
- 年賀状を出さなかった喪中の人に年始の挨拶として出す
- 年賀状を出しそびれた相手に対する返礼とお詫びを兼ねて出す
- 喪中と知らずに年賀状を出してしまった方に、お悔やみとお詫びを兼ねて出す
また、喪中なのに年賀状を受け取ってしまった場合は、折り返しの手紙ではなく、お礼と喪中欠礼の通知が行き届かなかったお詫びを兼ねて、寒中見舞いを出すこともあります。
寒中見舞いのマナーとルール
寒中見舞いを書く前に理解しておくべきマナーやルールを4点ご紹介します。
寒中見舞いの期間はいつからいつまで
寒中見舞いは、松の内が明けた1月8日から立春(2月4日ごろ)に至る前までに、先方に届くように出しましょう。まだ7日の到着に間に合いそうなら年賀状を出します。詳しくは年賀状の書き方をご覧ください。
すでに立春に入っている場合は、寒中見舞いではなく、余寒見舞いを出します。詳しくは余寒見舞いの時期と書き方を確認しましょう。年賀状を出しそびれたからといって、新年早々に出すのは失礼です。また、2月4日以降に出すと「余寒見舞い」になるので、出すタイミングには注意が必要です。
寒中見舞いの「はがき」「切手」の選び方
出しそびれたからといって、残っている年賀状を使用するのはNGです。寒中見舞いを出すときは、「官製はがき」または「私製はがき」を使いましょう。どちらのはがきを使用したとしても、切手には特別、指定はありません。ですが好ましい切手、避けたほうがよい切手があるので確認しておきましょう。
官製はがきの切手の選び方
郵便局で官製はがきを購入するとき、印刷されている切手の絵柄は以下の4種類があります。
- 山桜
- 胡蝶蘭(こちょうらん)
- ヤマユリ
- タンチョウ
上記のうち、寒中見舞いでよく使用されるのは胡蝶蘭の切手です。どの切手を選んでも、相手に失礼な印象を与えることはありませんが、なかには気にする人もいるかもしれません。胡蝶蘭の絵柄の切手を購入するのが無難でしょう。
私製はがきの切手の選び方
私製はがきの場合、切手をハガキとは別に購入しなくてはなりません。寒中見舞いに貼る切手は、通常切手の「ソメイヨシノ」を使用しましょう。
正月をイメージするイラストはNG
寒中見舞いは季節の挨拶状です。年賀状ではありません。そのため、干支のデザインや正月を連想させるイラストの入ったものは相応しくありません。もし絵柄の入ったはがきや便箋を使用するなら、冬や早春をイメージするもの(例:雪、鶴、雪うさぎなど)を選びましょう。
寒中見舞いで注意すべき言葉
年賀状の返事が遅れた場合は、その理由をきちんと述べて、お詫びをします。何も書かれていないと、年賀状が届いたから仕方なくあとから返事を出した、と捉えられてしまうこともあります。こちらの例文については、寒中見舞いの裏書で解説します。また、喪中の場合は「賀」「おめでとう」「お喜び」といったおめでたい言葉は避け、「お年始状」「新年のごあいさつ」「年頭のごあいさつ」などにします。
寒中見舞いの書き方
寒中見舞いの書き方について、表書きと裏書きのそれぞれを解説していきます。
表書きの書き方
寒中見舞いの表書きは、一般的なはがきの書き方と同じです。詳しくは、はがきの書き方で詳しく解説しています。参考にしてくださいね。年賀状の表書きの書き方とは異なるため、注意しましょう。
裏書きの書き方
つづいては、寒中見舞いの裏書きの書き方を解説します。
文面は全部で6つの要素で構成されています。それぞれの要素のポイントや文例をご紹介します。
1.お見舞いの言葉
年賀状の賀詞のように、最初にお見舞いの言葉をやや大きめの文字で書きます。縦書きの場合はハガキの右側の位置に、1文字ほどスペースを空けて書き出しましょう。お見舞いの言葉の例文は以下のとおりです。
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もっともよく使われる慣用句は「寒中お見舞い申し上げます」の言葉です。なお、服喪中の人には「ご服喪中と伺い、年頭のごあいさつは差し控えさせていただきました」と書き添えます。
2.時候の挨拶・先方の健康を喜ぶ言葉/安否を尋ねる言葉
お見舞いの言葉のあとは、時候の挨拶を述べてから、先方の健康を喜ぶ言葉か、安否を尋ねる言葉を書きます。
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そのほかの挨拶の書き出しについては、時候の挨拶、相手の安否を尋ねる挨拶(例文付き)でご紹介しています。
3.年賀状を出せなかったことへのお詫び
年賀状を出しそびれた場合や控えた相手から受け取ったときは、まずはお詫びの言葉を書き、そのあとに年賀状を控えた理由を記入します。お詫びの言葉の文例は以下を参考にしてください。
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続いて、年賀状を控えた理由を伝えます。相手から年賀状を受け取っている場合には、相手の気持ちを害さないよう、できるだけ丁寧に書きましょう。
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喪中に年賀状を受け取った場合は「年の初めのごあいさつをいただき、ありがとうございました。喪中のお知らせが行き届かず、失礼いたしました。お許しください」などと書きましょう。
寒中見舞いを一般的な季節の挨拶状として出す場合は、お詫びの一文は不要です。
4.自分の安否を伝える言葉
お詫びの次は、差出人の安否や健康状態を伝えます。
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その他の言葉を選びたい人は自分方の安否を伝える挨拶(例文集)をご覧ください。
5.指導・交誼のお願い
自分方の安否を伝えたあとは、指導・交誼のお願い文を書きます。
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年賀欠礼状をいただいたお返しに送る場合や、親しい友人に宛てるときは、指導・交誼のお願いそのものを省略することもあります。
6.先方の健康や幸せを祈る言葉/結びの挨拶
寒中見舞いは先方の健康や幸せを祈る言葉で締めくくります。結びの挨拶の例を以下に記載します。
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結びの挨拶も慣用句を用いることが一般的です。