新築祝い(引っ越し祝い)の手紙の書き方|文例つき

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新築祝い(引っ越し祝い)の手紙の書き方|文例つき

住居の新築や購入は、一生に一度の大きな買い物です。その分、完成・引っ越ししたときの喜びはひとしお。新築や引っ越しのお祝い状を書くときは、新居を褒め称え、新しい生活を展望する言葉でお祝いすることが大切です。

ここでは、新築祝いを書くときに心がけておきたいマナーや基本構成をお伝えします。上司や友人といった、手紙を書く相手別の文例もご紹介するので、参考にしてくださいね。

新築祝い(引っ越し祝い)の手紙のマナー

まずは、新築祝いや引っ越し祝いの手紙を書くときのマナーや、注意事項についてお伝えします。

新築祝いを送る時期

新築祝いを贈るタイミングは、家が完成してから半月以内に届けるのが一般的です。できるだけ早く贈り、1週間前後を目安にお祝い状を送るとよいでしょう。新築披露など、家に招待される場合は、訪れたタイミングで渡します。ただし、新居の完成日から日が空くときは、先に新築祝いを贈っておくのがマナーです。

大げさに褒めるのはNG

あまりにも現実的でない表現や「お屋敷」「豪邸」などの誇張された表現をすると、嫌味に聞こえてしまい、せっかくの祝意が伝わりにくくなります。また、建築に関する費用などにもふれてはいけません。

新築祝いでは、新居のよい点や立地、環境の特長、完成に至るまでの先方の努力などを考え、それを褒める表現を工夫します。例えば「広々とした二世帯住宅」「ご両親様にもやさしいバリアフリー」「天井が高く明るい」「緑豊か」「住みやすい街」「快適な環境」「交通の便がよい」など、新居や周囲の環境をほめる言葉を添えると喜ばれます。

忌み言葉の使用は避ける

新築祝いの忌み言葉は、火事を連想させる言葉や、家が倒れたり、失ったりすることを連想させる、縁起の悪い言葉のことです。例えば、「火」「炎」「燃える」「焼ける」「傾く」「崩れる」「閉じる」「潰れる」「失う」「落ちる」「終わる」です。その他の忌み言葉については忌み言葉の一覧をご覧ください。

新築祝い(引っ越し祝い)の手紙の基本構成

新築祝いの手紙にも決められた書式があります。書式に則って書くことによって、伝えたいことがスムーズに伝わるので、それぞれを構成する要素についてしっかり理解しておきましょう。

新築祝い(引っ越し祝い)の手紙の基本構成

  • 前文:目上の人や上司などの改まった相手には、冒頭に「頭語(拝啓)」「時候の挨拶」「相手の安否を気遣う挨拶」を書き添えます。親しい相手には前文を省いて、いきなりお祝いの言葉から始め、ストレートに祝意を示すのが効果的です。
  • 主文:主文で伝えることは「お祝いごとへの心情」「来訪の予定」「お祝いの金品別送(同封)の通知」の3つです。お祝いごとへの心情では、新居のよい点や周囲の環境にふれて、ほめる表現を工夫しましょう。
  • 末文:「結びの挨拶」「結語(敬具)」を明記します。
  • 後付け:「日付」「差出人」「宛名」の順に書きましょう。日付は文頭から2字下げて、和暦で発送年月日を明記しましょう。宛名には、敬称(様)も忘れず書きます。

新築祝い(引っ越し祝い)の文例

親しい友人・友達へ送る場合(1)

 桜が満開を迎えました。
 このたびは、ご新居(1)が完成されたとのこと、誠におめでとうございます。広々とした二階建ての、縁側のある住宅とうかがっております。ご家族の皆様が、楽しそうに縁側でお話されている姿が目に浮かぶようです。ぜひ、今度お邪魔させてください(2)。
 ささやかですが、お祝いのしるしを別送いたしました。使っていただけましたら幸いです。
 ご家族の皆様がますますご健勝であられますよう、お祈りいたしております。まずは取り急ぎお祝いまで。

文例中の下線部(1)の書き換え表現は「ご新宅」「ご尊宅」などがあります。(2)は「遊びにうかがわせてください」と書き添えてもよいでしょう。

親しい友人・友達へ送る場合(2)

 〇〇さん、念願のマイホームへのお引越し(1)おめでとう。緑の多い、落ち着いた雰囲気の街だそうですね。買い物にも便利と聞きました。〇〇君の子育てもしやすいのではないでしょうか(2)。
 心ばかりですが、お祝いのしるしを同封します。インテリアなどにお役立ていただければ嬉しいです。宜しければ、今度遊びに行かせてください。久しぶりにお会いできることを、とても楽しみにしています。

文例の下線部(1)は「ご転居」「ご移転」などの表現に書き換えすることができます。(2)は「自然環境が豊かな土地柄とか。ご一家のライフスタイルにぴったりのところですね」などと相手の新居や周囲の環境の良い点を、素直に伝えることが大切です。

親しい友人・友達へ送る場合(3)

 〇〇さん、引っ越しの準備で忙しくされている時期だと思いますが、お変わりありませんか。
 〇〇(自分)が幼稚園の頃から親しくさせていただいたあなたが、ご主人の転勤で〇〇へ行くことになったと聞いたとき、とてもびっくりしました。親しくお喋りできる友人が遠くへ行ってしまうのは残念です。今後はメールで連絡を取り合いましょう。
 新しいお住まいは、近くに温泉や公園もあって暮らしやすそうなところですね。新天地でより一層充実した毎日が送れますように。落ち着いた頃、ぜひ遊びに伺わせてくださいね。
 ご主人や〇〇ちゃん(娘)にも、どうぞよろしくお伝えください。

引っ越し祝いの場合は、転居先の環境などにふれ、そこでの暮らしを思いやる言葉や、新天地での活躍を祈る言葉で結ぶとよいでしょう。

上司へ送る場合(1)

拝啓 爽涼の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
 さて、このたびは待望のご自宅の竣工、誠におめでとうございます。お子様方のために自然に恵まれた環境をお選びになり、設計やインテリアは奥様のご意見を尊重してお決めになったと伺っております。さぞかし住み心地のよいご新居に、皆様もお喜びのことでございましょう。ぜひ一度、ご新居を拝見したいと存じます。
 心ばかりのお祝いの品を別便にて送らせていただきました。ご笑納いただければ幸いです。
 まずは書面にてご新邸完成のお祝いまで申し上げます。
                                        敬具

新築に招待されたお礼を兼ねて手紙を送るときは「先日は新居にお招きいただき、ありがとうございました」とお礼を伝え、「木の香り漂う純和風のすばらしいお住まいでした」などと相手が自慢したいポイント、満足している部分をほめると喜ばれます。

上司へ送る場合(2)

拝啓 このたびは、かねてよりご建築中でしたご新邸が落成されましたとのこと、心よりお祝い申し上げます。木のぬくもり漂うご新居に、ご家族の皆様もさぞお喜びのことと拝察いたします。
 落ち着いたころに、ぜひ一度、今後の参考のために拝見させていただけましたら幸いです。
 心ばかりのお祝いを別便にてお送りいたしました。ご家族の皆様のますますの健康とご繁栄をお祈り申し上げます。
                                        敬具

文例の下線部は「ご尊宅が落成なさった由」「待望のご新居が竣工されましたとのこと」「ご新宅がめでたく完成された由」と書き換えることもできます。書状を送る相手の状況に相応しい言葉を選ぶようにしましょう。

上司へ送る場合(3)

拝復 ご新築転居のお知らせを拝受しました。誠におめでとうございます。心からお喜び申し上げます。ましてご家族の皆様は、どれほどお喜びのことでしょうか。
 〇〇区の〇〇駅周辺といえば、閑静な住宅地として知られている所です。にぎやかな場所のマンションなどとは異なり、落ち着いた生活が待っていることでしょう。これまでのご努力が報われますね。小生、無計画な生活を続けていることを棚に上げて、羨ましさを感じてしまいますが、発破をかけられたと申しますか、この歳にして、チャレンジしなければという思いが湧いて参りました。
 お引っ越しが一段落したころを見計らって、連絡を差し上げたうえ、ご新居を見学させていただきたく存じます。その折は、よろしくお願いいたします。
 明日、ささやかな品をお送りいたします。お祝いのまねごとで恐縮ですが、ご笑納ください。
 まずは、心からのお祝いまで。
                                        敬具

先方から新築を知らせる手紙を受け取っており、それに返信する形で新築祝いの手紙を送る場合は、頭語を「拝復」とします。文例中の下線部の書き換え表現は「私たちも数年内に、と考えて参りましたが、土地選びのポイントや設計上のアイデアなど、ぜひご教示願えればと存じております」と先方にアドバイスをお願いしたり、「マイホームづくりは、人生の一大事業と申します。それをこれだけ早く成し遂げられ、感服しております」とほめる言葉を伝えても良いでしょう。

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