件名を書くときの4つのコツ|ビジネス文書の書き方

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件名を書くときの4つのコツ|ビジネス文書の書き方

ビジネス文書の件名(タイトル)は、文書の顔のような役割を果たします。

件名を読めば、一目で主文におおよそどのような内容のことが書かれているのかが分かるように簡潔かつ具体的に明記する必要があります。ですが、慣れないうちは、意外に難しく感じるものです。

曖昧な表記にならないよう、件名の正しい書き方・コツについて解説します。

1.件名(タイトル)を書く位置

ビジネス文書で件名を書く位置は、以下の図の「(4)件名」の箇所です。

ビジネス文書

件名は、差出人のあとに書きます。この文書を通して受取人に伝えたいことの表題を明記することから、前文の手前に書くということを覚えておきましょう。

2.件名(タイトル)の書き方

件名を書くときに押さえておくべき3つのポイントをお伝えします。

2-1.文書の種類からタイトルの型を決めよう

件名には、主文の内容を要約したタイトルをつけます。以下のタイトルをご覧ください。

  • 商品発送のお知らせ
  • 製品の注文について
  • 社屋移転のご通知
  • 請求内容ご照会の件
  • 納期遅延のお詫び
  • 商品取消のお願いとお詫び

上記のすべてのタイトルから分かるとおり、一般的なタイトルの型は「〇〇〇〇の△△△△」です。この「〇」と「△」の箇所に、それぞれ文書を通じて伝えたいことを挿入すれば、読み手に分かりやすい件名を明記することができます。

順序としては、件名の型の後半にあたる「△」の部分を先に理解し、そのあとで、「〇」に該当する項目を見つけると、分かりやすくなります。

「△」では、主文で伝えたいことが「通知」なのか、「回答」なのか、「依頼」なのか、文書を受け取る相手に対する目的を書きます。以下の表から、あなたが読み手に対して文書を通じて伝えたいことを把握しましょう。「△」にあたる目的の例もあわせて記入しておきます。

文書の種類 「△」の書き方の例 件名・タイトルの例
通知状
  • 〇〇のお知らせ
  • 〇〇のご通知
案内状
  • 〇〇のご案内
照会状
  • 〇〇についてのご照会
  • 〇〇についてのお問い合わせ
  • 信用状況についてのご照会
  • 貴社銀行口座のご照会
  • 注文品未着のお問い合わせ
回答状
  • 〇〇へのご回答
  • 〇〇の件
  • 人事照会へのご回答
  • お取引条件についてのご回答
  • 商品未着の件
依頼状
  • 〇〇のお願い
  • 〇〇依頼の件
  • 〇〇のご依頼
  • 取引先ご紹介のお願い
  • お見積書再考依頼の件
  • アンケートご協力のご依頼
交渉状
  • 〇〇についてのお願い
  • 新規お取引についてのお願い
  • 納入価格検討のお願い
申込状
  • 〇〇の申し込みについて
  • 〇〇のお願い
  • 貴会加入の申し込みについて
  • 特約店契約のお願い
注文状
  • 〇〇の注文について
  • 〇〇の注文の件
  • カタログ商品の注文について
  • 貴社商品の追加注文の件
確認状
  • 〇〇のご確認
  • 〇〇のご確認について
  • 注文内容のご確認
  • 支払条件のご確認について
承諾状
  • 〇〇のご承諾について
  • 〇〇の件について
  • 新規お取引ご承諾について
  • 支払い期日延期の件について
断り状
  • 〇〇の件
  • 〇〇の件(回答)
  • 価格改定要請の件
  • 融資ご依頼の件(回答)
督促状
  • 〇〇のお願い
  • 〇〇の件
  • 貸し出し資料返却のお願い
  • 代金未払いの件
お詫び状
  • 〇〇のお詫び
見積もり状
  • 〇〇のお見積り状
  • 〇〇お見積状送付のご案内
  • プリンターのお見積り状
  • 「オフィス用品」お見積り状送付のご案内
請求状
  • 〇〇のご請求
  • 〇〇のご請求について
  • 平成28年度上半期売掛金のご請求
  • 当月分のご請求について
挨拶状
  • 〇〇のご挨拶

件名を読むだけで、主文になにが書かれているか、相手に伝わるよう、具体的に書きましょう。

2-2.文字の大きさや字体を調節する

読み手が件名をすぐに見つけられるよう、フォントの大きさや字体を調整するのも大事です。Wordはデフォルトの状態だと、フォントの大きさは「10.5pt」、字体は「MS明朝」に設定されています。

文書に書く前文から末文(別記)までの文字の量にもよりますが、オススメの文字の大きさは「12~14pt」です。件名の大きさが文章と比較して大きすぎないよう、また件名と分からないくらいの目立たないサイズにならないよう、調整しましょう。

字体は「MS明朝」のままだと分かりにくいときがあります。その場合は、「MSゴシック」「MSPゴシック」にすれば、際立ちます。

また、件名のフォントだけ太字にすると、文書の構成にもメリハリがつくのでオススメです。

2-3.文字数は長くても20文字以内にする

件名を書くときのポイントは、簡潔かつ具体的に書くことです。

まとまりのない長いタイトルにすると、読み手にとって分かりにくくなってしまうことがあるため、注意しましょう。長い件名は必要のない言葉を削除して、簡略化します。

修正前の件名 修正後の件名
「美術造形一式の代金」お支払いのご通知 代金お支払いのご通知
12月8日分商品発送のお知らせ 商品発送のお知らせ
貴社春の新商品カタログのご送付のお願い カタログご送付のお願い
弊社商品の利用者アンケートご協力のお願い アンケートご協力のお願い
「ステンレス製管フランジFR-1」納期遅延の件 納期遅延の件

より具体的に件名を表示するため、商品名や日付などの詳細を書くことがあります。ですが、基本的に詳細は、主文や別記に記入したほうが見やすいでしょう。

2-4.2つ以上の用件は書かない

ビジネス文書は、1つの文書で1つの用件を伝えるのが基本です。

いくつかの用件を無理に詰め込もうとしても、そもそも文書の書式自体が1つの用件を書く仕様となっているため、読み手としても、差出人が文書を通して何を伝えたいのか、分かりにくくなってしまいます。

そのため、用件は1つに絞って主文を書くことはもちろん、件名も1つのタイトルだけを書きましょう。

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