就職先紹介のお礼状の書き方|文例つき

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就職先紹介のお礼状の書き方|文例つき

就職先をお世話になったお礼は、合否の結果がでたらすぐに出すのが礼儀です。感謝の気持ちのほかに、面接の結果や内定先についての感想も報告しましょう。

文面は礼儀正しく、かといって大げさすぎず、お世話になった度合いに合わせて文章をまとめることが大切です。

ここでは、就職先紹介のお礼状の書き方やマナーをお伝えします。採用・不採用になったときの文例もご紹介するので、お礼の手紙を書くときの参考にしてくださいね。

就職先紹介のお礼状のマナー

まずは、就職先紹介のお礼状のマナーや注意点についてお伝えします。先方に「紹介してよかった」と感じてもらえるよう、丁寧な対応を心がけましょう。

不採用の場合でもお礼はしっかり行う

お世話になったにもかかわらず、不採用という結果に終わってしまったというケースもあり得ます。ですが、その場合でも「お世話になった」という事実は変わりません。

紹介していただいた方には、簡潔にその報告をしたうえで、尽力していただいたことに感謝の意を表することが大切です。不首尾の原因については、事情のいかんにかかわらず、自己責任によるという姿勢を示しましょう。そのうえで、不採用という結果になってしまったものの面接試験まで進めた、人事部長に会えたなど、前向きなことを報告しましょう。

お礼状のあとにお礼の品も

就職先を紹介してもらった場合は、すぐに手紙でお礼を述べ、その後、お礼の品をわたすのが礼儀です。直接、先方に伺うのが理想ですが、困難であればお礼の品を送ってもいいでしょう。紹介していただいた就職先の採用・不採用にかかわらず、結果の報告とお礼はマナーです。

就職先紹介のお礼状の書き方

つづいては、就職先紹介のお礼状を書くときの基本構成と書き方についてご紹介します。お礼状は、以下の図に示した「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つの項目に分かれます。形式に従って書きましょう。

就職先紹介のお礼状の書き方

  • 前文:お礼状の前文は「頭語(拝啓)」「時候の挨拶」「相手の安否を気遣う挨拶」の順番に形式に従って書き添えます。頭語のあとは一文字あけて時候の挨拶を書きましょう。
  • 主文:「お世話になったお礼の言葉」「現状の報告」「今後の対応・お礼の品送付の通知」を述べます。
  • 末文:末文は「結びの挨拶」で文章を締めくくり、改行して行末に「結語」を書きます。結語は書き忘れないよう注意しましょう。
  • 後付け:「日付」「差出人」「宛名」の順に書きます。日付は、文頭から2字下げて、和暦で発送年月日を明記しましょう。宛名には、敬称(様)も忘れず書きます。

就職先紹介のお礼状の文例:採用の場合

父の知人へ

謹啓 盛暑の候、〇〇様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
 このたびは、私の就職に際しまして、ご多忙中にもかかわらず親身なお世話をいただき、誠にありがとうございました。
 先日お電話でお知らせしましたとおり、無事に内定の通知を受け取りました(1)。これもひとえに、〇〇様のお力添えのおかげと心より感謝申し上げます。
 入社後は、ご恩に報いることができるよう、精一杯、仕事に励んでいく(2)所存です。今後ともご指導、ご助言のほどをよろしくお願い申し上げます。
 まずは書中にてお礼とご報告申し上げます。
                                         謹白

文例中の下線部(1)は「正式な採用通知が届きました」、(2)は「誠心誠意、努力していく」と書き換えてもよいでしょう。今後の抱負や決意を述べるときは、あなたの率直な気持ちをストレートに表現できる言葉で伝えましょう。

先輩へ

拝啓 このたびは私の就職に際しまして、ご多忙中にもかかわらず、大変ご面倒なお願いをお聞き届けくださいまして、誠にありがとうございました。
 おかげ様で希望どおり、株式会社〇〇に就職が決まりました。これもひとえに〇〇様のお力添えの賜物と深く感謝申し上げます。
 〇〇様のご信頼を裏切ることのないよう、精一杯努力して仕事に精進してまいります。今後ともご指導くださいますよう、よろしくお願いいたします。
 あらためましてご挨拶に伺う所存でございますが、まずは書中にて心より御礼申し上げます。
                                         敬具

学生時代の親しい先輩に就職先を紹介していただいた場合でも、形式に従って書き、丁寧な文章にまとめるのが基本です。感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。

息子の代わりに知人へ

拝啓 向春の候、〇〇様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
 このたびは、愚息・将太の就職につきましてご懇篤なご尽力を賜り、厚くお礼申し上げます。
 おかげ様で本日、ご紹介いただいた株式会社〇〇から採用内定の通知が届きました。第一志望の業界で堅実な経営を続ける会社ということで、本人も心から喜んでおります。
 本人には〇〇様のご恩に報いるためにも、精一杯の精進を続けるよう言い聞かせております。
 後日、本人同伴のうえ改めてお礼に伺う所存でございますが、まずはささやかなお礼の品を別便にてお送りいたしますので、ご笑納いただければ幸甚に存じます。
 時節柄、皆様くれぐれもご自愛のほど、お祈り申し上げます。まずは書中にて、ご報告かたがたお礼申し上げます。
                                         敬具

文例中の下線部の書き換え表現は「このたびは、息子の〇〇にお力添えをいただき、誠に助かりました。心からお礼申し上げます」、「先般は、突然のお願いにもかかわらず、快くお聞き届けいただきまして、どうもありがとうございました。〇〇(名前)も、くれぐれもよろしくお伝えするように申しております」などがあります。

就職先紹介のお礼状の文例:不採用の場合

父の知人へ

拝啓 初冬の候、〇〇様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
 このたびは、私の就職に際しまして、ご多忙中にもかかわらず親身なお世話をいただき、誠にありがとうございました。
 〇〇様にはお力添えをいただきましたが、残念ながら不採用という結果になりました。私の力不足ゆえ、〇〇様のお骨折りに報いることができず、誠に申し訳ございません。日頃の努力不足を反省し、心よりお詫び申し上げます。
 今後は、〇〇様のご恩に報いることができますよう精進してまいります。引き続きご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
 後日、改めてご挨拶にお伺いしたいと存じますが、まずは書中にてお礼とお詫びを申し上げます。
                                         敬具

不採用の場合は、尽力していただいたお礼とともに、今後も引き続き内定獲得にむけて前向きに行動する気持ちを伝えます。マイナスな表現を用いたり、紹介者の責任を問う文面を書いたりしてはいけません。先方の心遣いに配慮した文章にまとめましょう。

先輩へ

拝啓 このたびは私の就職に際しまして、お力添えをいただきまして、誠にありがとうございました。せっかくご紹介いただきましたが、私の力が及ばず採用はかないませんでした。〇〇様にご迷惑をおかけすることとなり、お詫び申し上げます。
 今後はこのようなことがないよう、精一杯精進してまいりますので、引き続きご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
 後日、改めてご挨拶にお伺いしたいと存じますが、まずは書中にてお礼とお詫びを申し上げます。
                                         敬具

いただいたチャンスを生かすことができなかったことについてのお詫びの言葉を盛り込みましょう。不採用の場合、紹介者に気を使わせないよう、まだ諦めていない気持ちや、この機会を生かして成長するといった言葉を伝えることが大切です。

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