借金承諾・断りへのお礼状の書き方|文例つき

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借金承諾・断りへのお礼状の書き方|文例つき

お金を借りる頼み事の場合、精神的にも物理的にも相手に負担をかけることが多いため、お礼状を書くときは丁寧かつ失礼のない文面を心がけることが大切です。

ここでは、借金のお願いを承諾してくれた相手や、断られたときに書くお礼状の書き方やマナーについてお伝えします。文例もご紹介するので、手紙を書くときの参考にしてくださいね。

借金承諾・お断りへのお礼状のマナー

まずは、借金の承諾・お断りのお礼状のマナーや注意点をお伝えします。

お礼を伝えるタイミング

お金や物品を借用した場合、先方の了承を得た段階でお礼する(お礼状を送る)のは当然です。その他にも、金品が実際に手元に届いたとき、経過報告をするとき、返済するときなど、先方と連絡を取ったり、お会いしたりするたびに、その時々の状況に応じて、直接、あるいは書状で感謝の意を示すことが大切です。

お礼状は必ず出そう

借金などの厄介な頼み事を了承していただいたことへのお礼状を書くとき、急いで感謝の意を表したい思いがある場合は、前文を省略して、お礼の言葉から始めても差し支えありません。頼み事は、こちら側からの一方的なお願いです。依頼を断られた場合も、きちんとお礼状を出すのが礼儀。迷惑をかけたお詫び、また、相手も断ったことを気にしているので、ほかをあたっているなど、進捗状況をきちんと報告することが大切です。

借金承諾・お断りへのお礼状の書き方

つづいては、借金の承諾・断りのお礼状を書くときの基本構成と書き方についてご紹介します。お礼状は、以下の図に示した「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つの項目に分かれます。形式に従って書きましょう。

借金承諾・お断りへのお礼状の書き方

  • 前文:お礼状の前文では「頭語(拝啓・急啓・前略)」を書き添えます。金品を借用する際のお願いをした場合は、時候の挨拶や前文の慣用的表現を入れる必要はありません。
  • 主文:主文では「お世話になったお礼の言葉」「現状の報告・感慨」「後日訪問などの通知」を書き添えましょう。
  • 末文:末文は「結びの挨拶」で文章を締めくくり、改行して行末に「結語」を書きます。結語は書き忘れないよう注意しましょう。
  • 後付け:「日付」「差出人」「宛名」の順に書きます。日付は、文頭から2字下げて、和暦で発送年月日を明記しましょう。宛名には、敬称(様)も忘れず書きます。

借金承諾・お断りへのお礼状の文例

借金承諾のお礼(1)

前略 先日は、突然の身勝手なお願いを、快くご承諾いただき、誠にありがとうございました。おかげ様で、窮地を乗り越える(1)ことができ、安堵しております。
 突然の倒産と何も保障がない事態に、一時はどうなることかと途方に暮れておりましたが、〇〇様のご温情に、心から感謝しております。このご恩は一生、忘れません。
 返済につきましては、お約束どおり来月二十日よりきちんとお振込みいたします。借用書を同封いたしますので、どうぞご査収ください。後日あらためて、ご挨拶にお伺いいたします。
 まずは取り急ぎ、感謝の意を(2)申し上げます。
                                         草々

文例中の下線部(1)は「解決する」「危機を脱する」「急場をしのぐ」などの書き換え表現もあります。(2)は「経過報告とお礼を」と書いてもよいでしょう。

借金承諾のお礼(2)

急啓 このたびは不躾なお願いをお聞き届きくださいまして、心よりお礼申し上げます。即座にご快諾をいただきまして、本当にありがとうございました。
 ご尽力をいただいたうえに、温かく励まし続けてくださったお陰で、何とか急場をしのぎ切ることができました。
 今後は、厚かましいお願いなどでご迷惑をおかけしないように、精進して参る所存でございます。
 先日お話申し上げましたように、来月末には確実な入金予定がございますので、ご用立ていただいたお金は、その入金が確認でき次第、参上してご返済申し上げます。
 まずは右、お礼かたがたその後の状況のご報告まで申し上げます。
                                         草々

文例中の下線部は「先日は並々ならぬご懇情をいただき、誠にありがとうございました」「先般はご多忙中にもかかわらずこまやかなお心づかいをいただき、深く感謝申し上げます」などと書き換えても構いません。感謝の気持ちを込めて書くのがポイントです。

借金承諾のお礼(3)

拝啓 先日は突然の厚かましい申し入れにもかかわらず、快くお引き受けいただき援助してくださいましたこと、誠にありがたく、心よりお礼申し上げます。
 おかげ様でなんとか支払いをすませ、危機を脱することができました。仕入れが確保できたことで営業再開の目処も立ち、従業員一同安堵しております。
 これもひとえに〇〇様のご厚情のおかげです。再来月の五月二十日には入金がありますので、先日お渡ししました借用書のとおり、即時ご返済申し上げる所存です。
 略儀ながら取り急ぎ書中にて、深い感謝の意をお伝え申し上げます。
                                         敬具

お金を貸してくれたときのお礼状は、誠心誠意、恐縮の気持ちを込めて書くのが礼儀です。借金を承諾していただいた方に安心してもらえるよう、必ず具体性のある返済計画を明記しましょう。

借金を断られた場合

前略 このたびは、大変不躾なお願いをいたしまして、誠に申し訳ございませんでした。
 〇〇様のご事情を知らなかったとはいえ、あまりにも急に、また身勝手な行動をとり深く反省しております。心よりお詫び申し上げます。
 ご丁寧なお断りのお言葉とともにいただきましたご指導、ご助言に、感謝の言葉もございません。
 厚かましいお願いですが、今後とも変わらぬお付き合いを心よりお願い申し上げます。
 まずは書中をもちまして、お詫びと御礼を申し上げます。
                                         草々

借金の受託を断られた場合でも、必ずお礼状を出しましょう。また、丁寧かつ失礼のない文面にまとめるのはマナーです。たとえ親しい友人に出す場合でも、改まった手紙の書き方が好ましいでしょう。

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