退職祝いのお礼の手紙では、これまでお世話になった方々への感謝の気持ちやお礼の言葉を伝えることが大切です。
お礼状の書き方は、手紙を出す相手がだれかにより、大きく異なります。
ここでは退職祝いのお礼状の書き方やマナーをお伝えします。お礼の手紙を送る相手別の文例もご紹介するので、書くときの参考にしてくださいね。
退職祝いのお礼状のマナー
まずは、退職祝いのお礼状を書くときのマナーや注意事項についてお伝えします。
相手によってお礼状の書き方を変える
先方が誰であるかにより、お礼状の書き方は大きく異なります。仕事上の付き合いのあった取引先関係者や、会社・職場からお祝いをいただいた場合は、基本的な形式を踏まえ、丁寧な文面にまとめることが大切です。先方がごく親しい友人・同僚などの場合は、普段の付き合い方に応じた、率直な気持ちを表現して、感謝の気持ちを伝えましょう。
相手はこちらの今後を気にかけている
退職にかかわるお礼状は、感謝の言葉と現在の心境などを中心にしてまとめれば、基本的な用件を満たすことができます。ただ、相手はこちらが今後、どうしていくのかを気にかけているはずです。お礼の手紙には、現在言える範囲で構わないので、今後の予定や次の行動についても書き添えておきましょう。
退職祝いのお礼状の書き方
つづいては、退職祝いの お礼状の構成をお伝えします。お礼状は、以下の図に示した「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つの項目に分かれます。
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退職祝いのお礼状の文例
取引先へ
拝啓 盛夏の候、貴社にはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 このたびは、私の定年退職に際してご丁重なお祝いを賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます。 在職中は何かとお世話になり、おかげ様で大過なく業務に邁進することができました。特に一昨年、私どもの経理上の不手際から看過できないご迷惑をおかけいたしましたが、貴社の迅速なご対応により乗り切ることができましたこと、忘れることができません。これまでのご厚情に、改めて深く感謝申し上げます。 なお、ご承知のように、私の後任として〇〇が就きましたので、変わらぬご高配を賜りますよう、お願い申し上げます。 今後は、少し充電期間を取った後、社会貢献につながるようなことができればと考えております。 末筆ながら、皆様のご健勝と貴社ますますのご隆盛を、心より御礼申し上げます。 敬具 |
上記は、定年退職祝いのお礼状の文例です。文例中の下線部は「これまで、永年にわたりご懇情あふれるお引き回しをいただき、感謝の言葉もございません」と表現してもよいでしょう。
上司・先輩へ
拝啓 春陽の候、〇〇様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。 このたびは、私の退職に際しまして、お心のこもったご祝詞と退職記念の品をご恵贈いただきまして、誠にありがとうございました。 また、在職中は、公私にわたりご高配を賜り、心からのお礼を申し上げます。 今後は、旅行や趣味を存分に楽しみながら、一層充実した人生を過ごしたいと思っております。 略儀ながら、まずは書中をもちまして御礼申し上げます。 敬具 |
送別会や激励の言葉をいただいたお礼の言葉も、お礼状には書き添えましょう。在職中、お世話になった方々への心からの感謝の気持ちを述べるとともに、今後の予定や抱負についても伝えることが大切です。中途退職の場合は、文例中の下線部を「次の職場では、〇〇様(上司)にお教えいただいたことを生かし、精進して参る所存でございます」などと今後の決意を述べるとよいでしょう。
親しい友人・知人へ
〇〇様 退職祝いのブランデーを、先ほど拝受しました。ありがとう。小生の好みの銘柄で選んでくれたことが、何より嬉しいです。やはり持つべきものは友。早速一本取り出し、ちびちび飲みながらの一筆です。 正直なところ、十分に勤め上げたという充実感と、何となく感じる空虚感とが入り混じったような、不思議な気分を味わっています。 今後については、日本の四季折々の風景を楽しむべく、まだ訪れたことのない場所へ旅行に出かける予定です。その旅の中で、さらにその先の生き方などを考えようと思っています。 ご恵贈のブランデー、最後の一本は取っておきますので、近いうちに飲み交わしましょう。ほろ酔い加減の饒舌、ご容赦ください。 まずはお礼まで。 |
親しい友人にお礼の手紙を書くときは、前文を省略して呼びかけから始めても構いません。定年退職は人生の節目。これからも深いお付き合いをしていきたい友人には、普段なかなか口にできない言葉も書き記すと、相手に喜ばれます。