還暦祝いのお礼状の書き方|文例つき

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
還暦祝いのお礼状の書き方|文例つき

還暦祝いのお礼状は、年を重ねることの喜びを伝えられるような、明るい文面で書くことを心がけましょう。親に代わって書く場合は、親の気持ちになって、丁寧に言葉を選ぶことが大切です。

ここでは、還暦祝いのお祝い状の書き方やマナーについてお伝えします。お礼の手紙を送る相手別の文例もご紹介しているので、書くときの参考にしてくださいね。

還暦祝いのお礼状のマナー

まずは、還暦祝いのお礼状のマナーや注意事項についてお伝えします。

後ろ向きな表現はNG

「いつまでも健やかにいてほしい」というのがお祝いをしてくれた人の思い。還暦祝いのお礼状を送る人は、それに応える形で、明るい印象にまとめることが大切です。

体調がよくない場合でも「あといくつ生きられるかわかりませんが」「物忘れがひどくなって」など、相手に心配をかけるような表現には気をつけましょう。ただし、無理に元気を装うことまでは考えるべきではありません。現実に即して希望が持てる表現ができないかを考えましょう。

本人が書けないときは代筆を

還暦祝いのお祝いをいただいた本人の体調が優れず、自分でお礼状を書けないときは、配偶者か子、孫が代筆します。

この場合、本人が喜んでいる様子を伝えるとともに「本人が、筆を持つのが億劫になっておりますので、私が…」という程度のひと言を、末文か添え書きに記すのもよいでしょう。ただし、先方が必要以上に不安がらないように配慮しましょう。

還暦祝いのお礼状の書き方

つづいては、還暦祝いの手紙を書くときの基本構成と書き方についてご紹介します。お礼状は、以下の図に示した「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つの項目に分かれます。形式に従って書きましょう。

還暦祝いのお礼状の書き方

  • 前文:お礼状の前文は「頭語(拝啓)」「時候の挨拶」「相手の安否を気遣う挨拶」の順番に形式に従って書き添えます。頭語のあとは一文字あけて時候の挨拶を書きましょう。
  • 主文:「還暦祝いへのお礼の言葉と喜びの表現」「現在の感慨」「今後の交誼のお願い」を述べます。
  • 末文:末文は「結びの挨拶」で文章を締めくくり、改行して行末に「結語(敬具など)」を書きます。結語の書き忘れに注意しましょう。
  • 後付け:「日付」「差出人」「宛名」の順に書きます。日付は、文頭から2字下げて、和暦で発送年月日を明記しましょう。宛名には、敬称(様)も忘れず書きます。

還暦祝いのお礼状の文例

友人へ(1)

拝啓 厳寒の候、皆様におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。
 このたびは、私の喜寿に際しまして、お心の込もったお祝いを頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。心より御礼申し上げます。
 大過なくこの年を迎えることができましたのも、ひとえに皆様の温かいご支援ご厚情の賜物と、深く感謝いたしております。還暦のお祝いをいただき、まだまだ現役という思いを、一層強くしております。
 今後とも引き続きご高配を賜りますよう、お願い申し上げます。
 略儀ながら、まずは書中をもちまして御礼申し上げます。
                                         敬具

今後、仕事を続けていくか体調と相談して決めていく方は、文例中の下線部を「幸い足腰はまだ相応に動きますので、それを気持ちの支えにして、もうしばらくやっていこうと存じます」と書き換えてもよいでしょう。

友人へ(2)

拝啓 季秋の候、皆様にはますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
 私の喜寿のお祝いの品を、先ほど拝受しました。優しいお心づかい、本当に嬉しく存じました。誠にありがとうございます。
 お祝いをいただきながら申すのも失礼ですが、喜寿を迎えたからといって、まだまだ若い人のご厄介になるわけにはいきません。気力だけは今までどおりに若く保っているつもりでおります。
 まだやっていないこと、やり足りていないことが山のようにありますので、今後は体と相談しながら実現していきたいと考えております。
 今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
 末筆ながら、奥様にもよろしくお伝えくださいませ。
                                         敬具

文例中の下線部は「本日は、喜寿のお祝いをお贈りくださいまして、どうもありがとうございました」と長寿祝いへのお礼の言葉を率直に伝えてもよいでしょう。

父の友人へ(1)

拝啓 爽秋の候、〇〇様におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 このたびの父の還暦にあたりましては、丁重なお祝いの品をお贈りいただき、誠にありがとうございました。一年一年確実に年はとっていくものですが、父はいつも、気持ちだけは二十代と申しており、おかげ様で風邪ひとつひかず、元気に第二の人生を歩んでおります。
 お手紙が届く頃、父からも電話でご挨拶させていただきます。いつもお心をかけていただき、嬉しいかぎりです。ご家族の皆様にもよろしくお伝えください。
 まずはお礼まで。
                                         敬具

文例中の下線部は「お心のこもったお祝いをお届けいただき」「おたたかいご祝詞とご芳志をお贈りくださいまして」などと書き換えて使用してもよいでしょう。父や母と先方の関係性を考慮したうえで改まった手紙にするか、柔らかい印象にするかを決め、相応しい言葉を選ぶことが大切です。

父の友人へ(2)

拝復 錦秋の候、皆様にはご清祥のこととお喜び申し上げます。
 このたびは父の喜寿に際しまして、お心の込もったご祝詞ならびにご芳志を賜り、厚く御礼申し上げます。おかげ様でこの年まで長生きできた喜びをかみしめております。まだまだ現役として仕事を続けていく意欲があり、喜寿を迎えたとは思えないほど元気にしております。父がこれまで健康に過ごしてこられましたのも、皆様のご厚情の賜物と感謝いたしております。
 内祝いのしるしに、心ばかりの品をお送りしました。ご受納いただければ幸いに存じます。
 まずは書中にてお礼のご挨拶を申し上げます。
                                         敬具

父や母の代筆をする場合、喜寿を迎えた本人の近況がわかるよう、現在の状況や今後の予定を書き添えると先方に喜ばれます。現状については、前向きな表現を心がけましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket