結婚式・披露宴への招待状は、格式を重んじる極めて儀礼的な案内です。礼儀や作法を理解して書くことが大切。
ここでは結婚式・披露宴の案内状や招待状を書くときのマナーや注意事項をご紹介します。
両家の親御さんの名前で招待状を出す場合や本人から出す場合、海外挙式を挙げる場合など、さまざまな例文をぜひご覧ください。
結婚式・披露宴の招待状(案内状)を書くときの5つのマナー
結婚式・披露宴の招待状には、守るべきマナーや基本のルールがあります。相手に失礼な印象を与えてしまうと、新郎新婦の門出に水を差してしまいます。そうならないよう、招待状・案内状を書くときのポイントを確認しておきましょう。
1.結婚式・披露宴の招待状・案内状を送る時期
結婚式・披露宴の招待状は、2~3ヶ月前に発送するのが一般的です。返信を必要とする招待状のため、遅くても1ヶ月前には相手に届くよう、早めの準備をするのがマナー。すでに挙式日が別の予定で埋まっていたとしても、日程調整できるよう、返信期日に余裕を持って発送する配慮が大切です。
2.句読点「、」「。」は用いない
結婚式は、個人としては最高の儀礼の1つ。披露宴への招待状は、儀礼にのっとった文面でまとめることが必要です。文面は、「区切る」ことを意味する句読点「、」「。」は用いません。文節ごとに1字開けて整えるのが基本のルールです。
3.結婚披露宴への招待状は縦書き?横書き?
結婚式・披露宴への招待状は、縦書き・横書きのどちらでも差し支えありません。文面の構成要素は、基本的には縦書きも横書きも同様です。ただし、一般的には横書きはカジュアルな文面に向いています。くだけ過ぎると品位が落ちてしまうので、その点には十分に注意が必要です。
4.余興やスピーチの依頼をするとき
親しい友人に余興をお願いしたり、親族や職場の上司にスピーチを依頼したいときは、依頼内容を書いた「付箋」や「カードを招待状に同封します。ただし、必ず事前にお願いしたい旨を知らせ、相手から了承をとってから送るようにしましょう。
5.結婚にまつわる忌み言葉の使用は避ける
「離れる」「切れる」「いよいよ」など別れや繰り返すことを連想させる言葉を忌み言葉といいます。招待状や案内状に限らず、手紙を送るときは忌み言葉を使用しないよう注意が必要です。詳しくは忌み言葉の一覧をご覧ください。
結婚式・披露宴の招待状(案内状)の書き方
つづいては結婚式の招待状を書くときの基本構成についてご紹介します。招待状は書式に則って明記するのがマナー。構成要素とポイントは図の下に記載しておきます。
|
結婚式・披露宴の招待状(案内状)の例文
結婚式・披露宴の招待状の例文をご紹介します。あなたの結婚式の状況に合った内容の例文を選んでくださいね。
1.差出人が本人・ご媒酌人なし
謹啓 新緑のみぎり 皆様におかれましては ますますご清祥のこととお喜び申し上げます |
例文中の(1)~(2)は以下の言葉に書き換えることができます。
(1)日頃よりご指導とご厚誼を賜ります皆様にご挨拶を申し上げたく
- 皆様に心よりのご挨拶を申し上げたく
- 皆様方に今後より一層のご指導とご厚誼を賜りたく
- 今後ご厚誼をいただく皆様に粗餐を差し上げたく
「粗餐」とは他人に出す食事をへりくだって伝える語のことです。
(2)披露宴を催します
- ご披露の小宴を催します
- ささやかながら披露の宴を催したく存じます
- 披露かたがた心ばかりの粗宴を開かせていただきます
相手との人間関係を大事にして、丁寧に出席をお願いしましょう。
2.差出人が本人・ご媒酌人あり
恭啓 春暖の候 皆様にはお健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます |
例文中の(1)~(2)は以下の言葉に書き換えることができます。
(1)私ども両名の婚約が整い 〇〇〇〇様ご夫妻のご媒酌を得て結婚式を執り行うこととなりました
- 私たち両名は かねて婚約中のところ このたび 〇〇〇〇様ご夫妻のご媒酌により結婚式を挙げることになりました
- 私たち両名はこのたび 〇〇〇〇様ご夫妻のご媒酌により結婚式・披露宴を行うこととなりました
(2)ささやかながらご披露の小宴を催しますので お忙しいなかを恐縮に存じますがぜひご臨席をいただきますよう よろしくお願い申し上げます
- 私たちの新たな門出をお見届けいただきたく存じ 結婚ご披露の小宴を催したく存じます
- 新たな旅立ちに際し 皆様の盛大なお見送りをお願いいたしたく存じ ご披露の宴席を設けさせていただきますので ご来駕を賜りますようお願い申し上げます
3.差出人が本人・人前式の挨拶文
拝啓 桜の花も咲きそろう季節となりました 皆様には健やかにお過ごしのことと |
例文中の(1)は以下の言葉に書き換えることができます。
(1)日頃親しくしていただいている皆様に結婚の証人となっていただき挙式を行いたく存じます
- つきましては 日ごろご厚誼を賜っている皆様に 結婚の証人になっていただきたく 挙式ならびに披露の席へのご臨席をお願い申し上げる次第でございます
- 私たちの新しいスタートとなる人前式に、お立ち会いいただきたく存じます
4.差出人が本人・入籍済み
謹啓 新緑のさわやかな季節となりました 皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます さて かねてより婚約中でありました私たちは このたび挙式の運びとなりました(1) つきましては 日頃お世話になっている皆様にご挨拶申し上げるとともに 末永いご厚誼を賜りたく心ばかりの小宴をご用意させていただきました ご多用中 誠に恐縮ではございますが ご出席いただけましたら幸いです 謹白 |
例文中の(1)は以下の言葉に書き換えることができます。
(1)かねてより婚約中でありました私たちは このたび挙式の運びとなりました
- 私たちは〇月〇日に入籍し 新たな生活をスタートさせました
- このたび 私たちは 結婚式を挙げることとなりました
5.差出人が本人・入籍済み・出産後
拝啓 春暖のみぎり 皆様におかれましてはご清祥のことお喜び申し上げます 私たちは〇年〇月〇日に入籍し 今年の〇月には長男〇〇が誕生いたしました(1) つきましては ご報告とご挨拶を兼ねまして ささやかではございますが小宴を催したいと存じます ご多忙中のところ誠に恐縮ではございますが ご列席賜りますよう 謹んでご案内申し上げます 敬具 |
例文中の(1)は以下の言葉に書き換えることができます。
(1)私たちは〇年〇月〇日に入籍し 今年の〇月には長男〇〇が誕生いたしました
- このたび 私たちは結婚式を挙げることになりました ふたりは〇月〇日に入籍し 今年の〇月には長男〇〇が誕生いたしました
6.差出人が本人・海外挙式
謹啓 陽春の候 皆様には益々お健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます さて このたび私たち両名 婚約が成立し 挙式の運びとなりました つきましてはハワイ オアフ島にて挙式を行い ささやかな小宴を催したいと存じます ご多忙中のところ また遠方からお越しで誠に恐縮ではございますが ご出席くださいますようご案内申し上げます 謹白 |
海外挙式の場合は、交通費・宿泊費についても明記しておきます。招待状に付箋をつけて以下の言葉を書き添えましょう。
- 遠方よりお越しいただきますので、交通費・宿泊費は私どもで負担させていただきます
- 誠に恐れ入りますが、渡航費と宿泊費につきましては各自ご負担いただくことになります。なお、ご祝儀などのお気遣いはなきようお願い申し上げます
海外で挙式を行う場合、国内での結婚式と比べて、ゲストはお金の負担や事前に準備すべきことがたくさんあります。招待する側としてはっきり明記する配慮をもちましょう。
7.差出人が本人・会費制
謹啓 薫春の候 皆様にはご健勝のこととお慶び申し上げます このたび 私たちは結婚することとなりました つきましては 皆様へのごあいさつと感謝の気持ちを込めまして小宴を催したく存じます(1) ご多用中誠に恐縮ではございますが ぜひご臨席くださいますようご案内申し上げます なお 当日は会費制にさせていただいております ご祝儀などのお心遣いはなさいませんようお願い申し上げます 謹白 |
例文中の(1)は以下の言葉に書き換えることができます。
(1)皆様へのごあいさつと感謝の気持ちを込めまして小宴を催したく存じます
- 日ごろよりご交誼いただいております皆様により一層のご指導を賜りたくささやかながら披露パーティーを催したいと存じます
8.差出人が本人・立食パーティー
拝啓 桜の花も咲きそろう季節となりました 皆様いかがお過ごしでしょうか このたび 私たちは結婚することとなりました(1) つきましては 日ごろお世話になっております皆様に 私たちの新たな旅立ちを見届けていただきたく 心ばかりの披露パーティーを催したく存じます 会場はふたりの思い出のレストランを選びました お忙しいなか恐縮でございますが ぜひご出席くださいますようお願い申し上げます なお 立食パーティーとなりますので 平服にてお越しいただけますと幸いです 敬具 |
例文中の(1)は以下の言葉に書き換えることができます。
(1)このたび 私たちは結婚することとなりました
- かねてより婚約中でありました私たちは このたび 結婚することとなりました
9.差出人が両家の親・ご媒酌人なし
謹啓 新秋の候 ますますご清祥のこととお喜び申し上げます |
例文中の(1)~(3)は以下の言葉に書き換えることができます。
(1)末永いご厚誼を賜りたく
- 今後とも幾久しくご懇情を賜りたく
- 二人の門出に際し
- 皆様方にはこれからも一層のご指導を賜りたく
- どうか今後ともご指導ご厚誼を賜りたく
(2)ご披露を兼ねて小宴を催したいと存じます
- 披露かたがた粗餐を差し上げたく存じます
- ささやかな披露をいたしたく存じます
(3)何卒ご臨席賜りますよう
- ご来臨の栄を賜りますよう
- ご列席賜りますよう
10.差出人が両家の親・ご媒酌人あり
謹啓 陽春の候 皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます |
例文中の(1)は以下の言葉に書き換えることができます。
(1)幾久しくご懇情賜りたく
- 今後ともご指導を賜りたく
- 今後より一層のご指導とご厚誼を賜りたく
11.差出人が両家の親・ご媒酌人あり
謹啓 新秋の候 皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます |
例文中の(1)は以下の言葉に書き換えることができます。
(1)さて 私どもではこのたび 〇〇〇〇様ご夫妻のご媒酌により(途中省略)両名の婚約の儀が整い 結婚式を挙げる運びとなりました
- このほど 〇〇〇〇様ご夫妻のご媒酌をいただきまして(途中省略)の婚約の儀が無事に相整い 挙式の運びとなりました