卒業祝い・就職祝いの手紙の書き方|例文つき

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卒業祝い・就職祝いの手紙の書き方|例文つき

卒業や就職は人生の大きな節目。これまでの努力や労いの言葉を添えて、これから社会に巣立っていく相手を勇気づけ、励まし、エールを贈ると喜ばれます。

ここでは新しい門出を激励する卒業祝い・就職祝いの書き方やマナーをお伝えします。例文や書き換え例もご紹介しているので、お祝いの手紙を書くときの参考にしてくださいね。

卒業祝い・就職祝いの手紙を書くときのマナー

まずは卒業祝い・就職祝いの手紙を書くときのマナーについてお伝えします。お祝い状で祝福する気持ちを伝えるつもりが、マナー違反をしてしまわないよう読んでおいてくださいね。

1.本人と面識がないときは親に手紙を送ろう

卒業・就職祝いは本人宛てに出すのが理想。ですが、親同士の付き合いなどが中心で、本人との面識がないときは、こちらとの関係に対応した相手にお祝い状を出しましょう。

その場合は、お祝い状の定型を踏まえたまとめ方で書くとよいでしょう。本文の構成要素は「頭語と出だしの挨拶」「お祝いの言葉」「期待感」「お祝いの金品同封(別送)の通知」「結びの挨拶と結語」の形を基本とします。詳しくは「卒業祝い・就職祝いの手紙の基本構成と書き方」をご確認ください。

2.激励と祝福の言葉を述べよう

本人をよく知っている場合は「◯◯君、大学卒業(就職)おめでとう」などの呼びかけとお祝いの言葉から書き始めると喜ばれます。そして、こちらの心情を完結に記して、激励や期待感を伝えます。本文では、人生の先輩としてのアドバイスを書き添えてもよいのですが、あまりに説教じみた内容や苦言、将来を不安視するような内容はタブーです。

3.忌み言葉は避けよう

今後の苦労や不安を連想させる言葉は避けましょう。就職祝いで使用してはいけない主な忌み言葉は「変わる、終わる、崩れる、取り消す、消える、負ける、落ちる、中止」です。縁起の悪い言葉だけでなく、美辞麗句を並べて過剰にお世辞を述べるのも気を付けましょう。白々しく感じてしまいます。

卒業祝い・就職祝いの手紙の基本構成と書き方

つづいては、卒業祝い・就職祝いのお祝い状を書くときの手紙の基本構成をご説明します。構成要素は以下の6点です。

卒業祝い・就職祝いの手紙の基本構成と書き方

  • 前文:入学祝いの書き出しは「頭語(拝啓)」「時候の挨拶」「お祝いの言葉」を述べます。親しい間柄の人には、前文を省略して主文(本題)から書き始めると、カジュアルな内容の手紙になり、ストレートに気持ちが伝わります。
  • 主文:主文では「お祝い事への心情」「今後への期待」「お祝いの金品別送(同封)の通知」を伝えます。
  • 末文:末文では「結びの挨拶」を述べ、改行して右端に「結語(敬具)」を書きます。書き忘れに注意しましょう。
  • 日付:文頭から2字下げて書きます。和暦で発送年月日を明記しましょう。
  • 差出人:卒業・就職祝いを送る人の名前を書きます。
  • 宛名:手紙を送る相手の氏名を明記します。封筒の表書きと同じ敬称(様)も忘れず書きましょう。

卒業祝い・就職祝いの例文

卒業祝い・就職祝いの例文をご紹介します。本人に手紙を書く場合、両親に宛てる場合のパターンをお伝えします。

本人に送る場合(1)

 ◯◯君、このたびはご卒業、ご就職、おめでとうございます(1)。
 四月からいよいよ社会人ですね。◯◯◯◯へ入社されるとうかがいました。夢に向かって大きな一歩を踏み出されたことは、◯◯君はもとより、ご家族の皆様も、さぞお喜びのことでしょう。
 学生生活のなかで学んだ数々の経験を生かし、失敗を恐れず(2)何事にも果敢に挑戦してください。
 ご卒業と新しい門出を祝い、ささやかですがお祝いの品をお贈りいたします。気に入っていただけたら幸いです。
 ◯◯君のご多幸とご健闘を心よりお祈りいたしております。
 ご両親にも、何卒よろしくお伝えください。

例文中の(1)は「ご卒業ならびにご就職、心よりお祝い申し上げます」「晴れてご卒業とのこと、まことにおめでとうございます」、(2)は「持ち前のチャレンジ精神を忘れず」と書き換えて使用してもよいでしょう。

本人に送る場合(2)

 ◯◯君、大学卒業、おめでとう。
 志望業界への就職も決まっているのだから、本当によかった。両親も心から喜んでいることでしょう(1)。
 これまでの学生生活では、ほかの人にわからない悩みや迷いも、きっと少なからずあったことでしょう。働く身となり、また社会人になると、悩みや迷いの種は、たぶん大幅に増えます。身を削るような思いをすることもあるでしょう。しかし、君なら、それをことごとく乗り越えて行ってくれるものと思います。これまでの君を見ていれば、容易に想像できます(2)。応援しています。頑張ってください。
 心ばかりではございますが、お祝いを同封いたします。ますますのご多幸とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。

例文中の(1)は「◯◯君、◯◯株式会社への就職、本当におめでとう。君と両親の喜びの顔が目に浮かびます」、(2)は「これからが君が真の本領を発揮するときです」とも書き換えれます。

本人に送る場合(3)

ご就職おめでとうございます。念願叶って、◯◯(職業)になれた(1)とのこと、わたしも自分のことのようにうれしいです。いま振り返ると、小さい頃から誰にでも心優しく、面倒見のよかった◯◯さんでしたね。まさしくぴったりのお仕事です。困難もあるかと思いますが、社会に出ても持ち前のチャレンジ精神を発揮し、これからの人生がますます光り輝くものでありますよう、お祈りしています。

例文の(1)は「学生時代に学んだことが存分に活かせる会社に就職できた」などと表現もできます。

本人に送る場合(4)

◯◯さん、就職が決まってよかったね。本当におめでとう。両親も、とても喜んでいることでしょう。
 就職活動を一生懸命、頑張っていたから、良い成果に結びついて一安心です。
 就職先は、あなたが希望していた職種とは少し違うようですが、もしかしたら、新しい自分を見つけるチャンスなのかもしれません。そんな心づもりで、新たな一歩を踏み出して欲しいと思います。頑張り屋さんのあなただから、きっと充実した社会人になってくれることでしょう。心から期待しています。
 あなたの門出を美しく祝ってほしいと思い、心ばかりの品を別便で送ります。ご両親にも、何卒よろしくお伝えください。

まだ卒業後の就職先が決まっていない場合は「ご卒業おめでとうございます。人生はまだまだこれから。あせらず、ゆっくり希望の職場を見つけてください。応援しています。」と励ましの言葉を添え、勇気づけましょう。

本人の親に送る場合(1)

拝啓 日増しに春めいてまいりました。ご家族の皆様には、お健やかにお過ごしのことと拝察いたします。
 さて、このたびはご令嬢◯◯様のご卒業、ご就職おめでとうございます。ご就職先は、かねて希望されていた◯◯(業種)会社とか。狭き門の採用試験に見事合格するとは、誠に喜ばしい限りです(1)。ご両親様も本当にお疲れ様でした。努力家の◯◯様ですから、すばらしい未来が待ち受けていることでしょう(2)。
 ご卒業と新しい門出を祝い、ささやかなお祝いの品を同封しました。お気に召すと嬉しいのですが。
 末筆ながら、◯◯様にもよろしくお伝えくださいませ。
                                 敬具

例文の(1)は「誠に誇らしいことです」、(2)は「これからも夢に向かって着実に歩まれていくでしょう」と伝えてもよいでしょう。

本人の親に送る場合(2)

拝啓 萌芽の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
 このたびは、ご息女◯◯さんのご卒業、ご就職、誠におめでとうございます(1)。かねてより志望されていた会社にご就職とのこと、ひとえに◯◯さんのこれまでの努力の賜物と拝察いたします。
 心ばかりではございますが、お祝いを同封いたします。ますますのご多幸とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
                                 敬具

例文の(1)の祝福の言葉は「ご息女様がご卒業、ご就職された由、誠にめでたく心よりお祝い申し上げます」と明記してもよいでしょう。

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