転居・引越しを通知する手紙では、住所録書き換えの手間を詫び、新居への来訪を願うひと言を書き添えます。転居後、相手から連絡がとれないことのないよう新住所や連絡先の記入間違いには注意しなくてはなりません。
ここでは、転居・引越しの通知・挨拶状の書き方や、心がけておくべきマナーについてお伝えします。手紙の文例もご紹介するので、通知状を書くときの参考にしてくださいね。
転居・引越しの通知・挨拶状のマナー
まずは、転居や引越しの通知状を書くときに心がけておきたいマナーや、注意事項についてお伝えします。
転居・引越しの通知を送る時期
通知状は相手との交流をスムーズにする潤滑油でもあります。特に、引越しの通知を出さないことは、今後の交際を拒んでいるとも受け取られかねません。転居や引越しの場合は、事前に送るのがマナーです。遅くても転居後、1ヶ月以内に届くように手紙を出しましょう。
年賀状と兼ねても可
11月から2月上旬に引越しをする場合は、転居・引越しの通知を年賀状と兼ねても構いません。その際は、「郵便物の返り」がないよう転居届けの手続きを忘れずに行いましょう。郵便局の窓口のほか、転居届けを書いて投函する方法やインターネットで申し込む方法などがあります。
記入ミスには要注意
通知の手紙の目的は、情報伝達や相手との情報の共有です。引っ越し先の郵便番号や電話番号、丁目や番地といった住所を間違えるなど、うっかりミスがないように注意しましょう。
住所変更の通知では旧住所を併記する場合もありますが、新しい住所だけを明記したほうが、手紙を受け取った相手の混乱を防ぐことができます。また、新住所や新社(店舗)名などの情報は、日付のあとに箇条書きにするとより見やすくなります。情報は正確に伝えるとともに、見やすさにも配慮する心配りが大切です。
転居・引越しの通知・挨拶状の書き方
つづいては、転居・引越しの通知・挨拶状の基本構成や書き方についてお伝えします。通知状は「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つの項目に分けることができます。以下の図をご覧ください。
それぞれの項目で明記する内容は以下のとおりです。
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転居・引越しの通知・挨拶状の文例
さいごに、転居・引越しの通知・挨拶状の文例をご紹介します。文例のあとに、通知状を書くときのポイントや、書き換え例も記載しているので、手紙を書くときの参考にしてくださいね。
転居通知
拝啓 新緑の候、皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのことと存じます。 さて、このたび住み慣れた◯◯を離れ、実家の近くである下記の住所に転居いたしました。 都心から離れ少々不便な場所ですが、自然豊かな暮らしやすいところです。お近くへお越しの際はぜひお立ち寄りください。 ご面倒をおかけいたしますが、お手元の住所録を変更いただきますよう、よろしくお願いいたします。 敬具 |
転居先についてふれる場合は、文例中の下線部を「◯◯線沿線の静かな住宅地でございます」「子供たちの学校が近く、子育てにもよい環境です」などと書き換えましょう。
うっかり出し忘れて通知が遅れた場合は「本来であればすぐにご挨拶をいたすべきところ、片付けなどが忙しくご通知が遅れまして、誠に申し訳ございませんでした。失礼を深くお詫び申し上げます」と書き添え、非礼を詫びましょう。
引越しの通知
引越しのお知らせ 拝啓 清和の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 さて、このたび私ども家族は、両親と同居のため長年住み慣れた◯◯を離れ、◯月◯日より下記の住所に移り住むこととなりましたので、お知らせ申し上げます。近くには、◯◯寺や◯◯公園があり、季節の花々が楽しめます。 駅からお電話いただければお迎えにあがりますので、お近くへお越しの際はぜひお寄りください。家族揃ってお待ち申し上げております。 末筆ながら皆様のご健康をお祈り申し上げます。 敬具 |
転居理由を明記する場合は、文例中の下線部を書き換えます。「主人の転勤に伴い」「◯◯線沿線にささやかな家をかまえ」「長年住んだ家が手狭になり」など、簡潔に述べましょう。
来訪を願うときに、近くの名所や名産品を紹介したり、最寄駅からの道順を伝えたりすると、ぜひ来て欲しいという気持ちが伝わるためよいでしょう。