主文は、相手に用件を伝えるパートのため、手紙における中心的な部分といえます。用件さえ相手に伝わればよいわけですが、これが意外にも難しいものです。味気ないほどの率直な表現も、ぶっきらぼうな印象を与えかねません。
逆に、あまりにまどろっこしい物言いだと、何が言いたいのか理解しづらくなってしまいます。
主文を上手く書けずに悩んでいる人、書くときのコツを知りたい人はご覧ください。
主文とは
主文とは、用件を相手に伝える手紙における中心的な役割をはたす部分です。以下の図の赤線で囲った部分が主文です。
主文を構成する要素は「(1)起語」、「(2)本文」の2つです。続いては、それぞれの要素を具体的に解説していきます。
主文を構成する「起語」と「本文」
主文は用件を伝える部分のため、決められた書式に則って書く必要はほとんどありません。ですが、前文と違って自由度が高い反面、読み手の立場を踏まえた書き方をしないと、正確に用件を伝えることができない難しさもあります。ここでは、主文を書くときの構成や、相手に用件が伝わりやすくなるコツをご紹介していきます。
(1)起語
起語とは、本題を伝える前に前置きとして置く、「さて」「ところで」「さっそくですが」といった決まり文句のこと。いきなり相手に用件を突きつけるのが唐突な感じがして憚られるときに使います。
本文を書き始める前は、以下のような言葉を使ってワンクッションはさみましょう。
用いる言葉 | 用例 |
さて |
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ところで |
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さっそくですが |
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上記の用例のほかにも「実は」「突然ですが」などの一言をはさんで、じょうずに場面転換をはかってください。
(2)本文
手紙の用件というのは「お祝い」「お礼」「お見舞い」「依頼」「問い合わせ」などさまざまです。主文の書き出しと結びを用いて、相手に用件をスムーズに伝えられるようにします。また、手紙を書くとき注意しなければならないのが、正しい敬語表現を用いることと、忌み言葉を避けることです。
主文では、尊敬語と謙譲語を正しく使い分けること、二重敬語に気をつけることがマナーです。敬語の使い方に自信がない人は「敬語の正しい使い方」と「二重敬語の表現」について確認しておきましょう。また、「重ね重ね」など不幸の繰り返しを連想させる忌み言葉は、使ってはいけません。手紙を書く前に「忌み言葉とは」で使ってはいけない表現を理解しておいてくださいね。主文を書き終えたら、続いては「末文の書き方」について解説していきます。