暑中見舞いは、相手の健康を気遣うと同時に近況報告も兼ね備えた挨拶状です。梅雨明けから立秋までに出すものであり、季節の挨拶状の代表的なもののひとつ。
お世話になっている会社の上司や恩師に気持ちを伝えるときや、親しい友人への近況報告にも向いています。
ここでは暑中見舞いを書くときに押さえておくべきマナーや、書き方についてご紹介します。
暑中見舞いとは
暑中見舞いとは、夏の暑い時期に、相手の健康を気遣って差し出す季節の挨拶状のこと。また、暑中見舞いは1年のおよそまんなかの時期であることから、年賀状を送るまでの近況報告の意味合いで出されることも多いです。基本的に親しい間柄でやりとりするものなので、季節感のある色柄のはがきなどを使い、近況を活き活きとした話し言葉風に書くと良いでしょう。
暑中見舞いのマナー
暑中見舞いを書くとき、出すときに押さえておくべきマナーをご紹介します。
暑中見舞いを出す時期
暑中見舞いは、梅雨が明ける「7月7日頃(小暑)~8月7日頃(立秋に至る前)」までに届くように出します。相手に届く日が、8月8日頃の立秋以降になるときは、「暦の上では秋なのに暑さが残りますね」という意味で残暑見舞いとするのが季節のマナーです。詳しくは残暑見舞いの書き方をご覧ください。
暑中見舞いを書くときの注意点
はがきを出すときの気温や気候で挨拶状の種類を判断してはいけない
いくら夏の盛りと思えるような暑さであっても、立秋(8月8日頃)になったら、残暑見舞いとして出しましょう。また、冷夏となり、しのぎやすいと感じられても、近況報告の意味合いで暑中見舞いを出すのはかまいません。気温や気候で判断しないよう、注意が必要です。
暑中見舞いを書くときのルールを守る
暑中見舞いでは、自分の近況報告や相手の健康を気遣う言葉を書き添えます。ただし、伝えたいことばかりを書くのではなく、基本構成や書式に則って書くことも大切です。
- 頭語・結語は不要
- 季節の挨拶は大きめの字で書く
- 文章は簡潔に書く
- 印刷したはがきを出すときも自筆で一言メッセージを添える
手間がかからないからといって印刷したはがきを送るのも良いですが、それだけだと形式的な印象を与えてしまいます。一言でも相手に言葉を書き添えましょう。
暑中見舞いの基本構成と書き方
暑中見舞いの書き方について、表書きと裏書きのそれぞれを解説していきます。
表書きの書き方
暑中見舞いの表書きは、通常の季節のはがきと同じ書き方をします。
表書きを構成する要素は、上記の図に記載した5つの項目です。
- 郵便番号
- 切手
- 宛先
- 宛名
- 差出人
「5:差出人」に関しては、暑中見舞いの裏書きに記載する場合もあります。表書きの詳しい書き方は、はがきの書き方を参考にしてください。
裏書きの書き方
続いては、暑中見舞いの裏書きの構成と、書き方について解説していきます。
上記の図に記載している6つの項目を押さえておきましょう。
- お見舞いの言葉
- 先方の健康を喜ぶ・安否を尋ねる言葉
- 自分の安否を伝える言葉
- 先方の健康を祈る言葉
- 結びの挨拶
- 年号・月
上記の構成に従って書くだけで、暑中見舞いの文面は完成します。それぞれの要素についてみていきましょう。
1.お見舞いの言葉
書き出しは、やや大きめの目立つ字でお見舞いの言葉を書きます。慣用句として用いられる言葉は以下の通りです。
|
もっともよく使われるお見舞いの言葉は、上記に記載している「暑中お見舞い申し上げます」です。
2.先方の健康を喜ぶ・安否を尋ねる言葉
暑中見舞いでは、相手の健康や安否を尋ねる言葉を入れることが礼儀です。
夏の暑い様子を時候の挨拶で伝え、その上で相手の安否を尋ねるのが一般的です。
|
厳しい暑さを書き出しで伝えることが、暑中見舞いらしい文面に引き立てます。
3.自分の安否を伝える言葉
相手の安否を尋ねた言葉のあとは、自分の安否を伝えます。
|
ここでは、安否を伝えると同時に、近況報告も書きましょう。
4.先方の健康を祈る言葉
近況報告をしたあとは、改行して1字下げてから、相手の健康を祈る言葉を書きましょう。
|
慣用的な表現を用いるのが一般的です。
5.結びの挨拶
暑中見舞いを締めくくる「結びの挨拶」を書きます。
|
「酷暑の折から」は、「炎暑酷暑のみぎり」「暑熱耐え難き時節柄」に書き換えて使用することもできます。
6.年号・月
暑中見舞いの最後に年号・月を記入します。
|
「平成〇年 盛夏」がもっともよく使われます。縦書きのときは漢数字で、横書きのときは算用数字で書きましょう。