手紙や文書は、決まった書式に則って書くことが、読み手に対する敬意を表すことになり、また押さえておきたい最低限のマナーでもあります。それらの気配りは、手紙の文面に限らず、封筒を書くときにも「脇付」や「外脇付け」を用いて表現することがあります。
ここでは、手紙を送る相手により細やかな配慮をする「脇付」「外脇付け」の意味や使い方について解説していきます。
脇付(わきづけ)とは
脇付とは、手紙を出す相手の宛名に書き添えて、いっそうの敬意を表す語のことです。脇付の多くは、名宛人に直接送付するのを避け、秘書などの侍従や机下に手紙を送ることで謙譲の意を表します。
脇付の位置・書き方
縦書きの手紙の場合、脇付を書き添えるのは2箇所あり、便箋の「後付け」に書く宛名の脇(左下)と、封筒の宛名の脇(左下)に記入するのが正式です。
文字の大きさは、宛名よりも少し小さい字で書きます。
脇付の一覧
脇付の一覧を以下に記載します。
差出人 | 手紙を送る相手 | 脇付 |
男性 | 一般 |
|
目上の人 |
|
|
両親 |
|
|
女性 | 一般 |
|
男性・女性 | 師・目上 |
|
高貴な人 |
|
現在は、医師から医師に宛てる手紙や、病院の招待状で「侍史(じし)」の脇付を見かけるくらいで、一般の手紙ではほとんど使用されなくなっています。
仕事やプライベートでの使用頻度が高い電子メールや、ビジネス文書、はがき、弔慰状などでは使用しません。また、敬称に「各位」「御中」を使ったときも用いません。うっかり使ってしまわないよう、注意しましょう。
外脇付け(そとわきづけ)とは
外脇付けとは、手紙や文書・添付書類についての説明や、同封物の取り扱い方を封筒に書き示す語です。封書の内容を事前に知ることができるため、明記しておくと相手に親切です。
外脇付けの位置・書き方
外脇付けは、封筒の表書きで使用します。脇付よりも更に左下の位置に書き添えます。
脇付と外脇付けは併用できません。外脇付けを記すときは、脇付の使用を避けましょう。
外脇付けの一覧
外脇付けの一覧を以下にご紹介します。
外脇付け | 意味 |
|
名宛人本人が開封してください |
|
重要な文書なので丁寧に扱ってください |
|
返信してください |
|
すぐに開封して、迅速に対処してください |
|
〇〇が同封されています |
注意を促すために目立たせたい場合は、赤い文字で書いたり、黒や青色の市販のスタンプを使うこともあります。