通夜・葬儀に参列できないことからお悔やみの言葉を弔電で送ったあと、喪主からお礼のメールが届くことがあります。葬儀のマナーとしては通常、喪主からお礼状を送るものですが、略式であるメールが届いたら、どのように返信すべきか困惑する人も少なくありません。
ここでは、弔電・弔辞のお礼メールを受け取ったあと、返信する際の書き方やマナーについてお伝えします。文例もご紹介するので参考にしてくださいね。
目次
弔電・弔辞のお礼メールに返信するときの書き方マナー
まずは、弔電のお礼メールに返信する際の書き方についてお伝えします。6つのポイントを押さえた返信メールを心がけましょう。
1.基本的に返信は不要
今回先方から送られてきたメールの用件は弔電のお礼ですので、この段階で一連のやり取りは終了したと捉えるのが一般的です。そのため、基本的に弔電のお礼メールへの返信は不要となります。
しかし相手がお世話になっている方や会社の重役だった場合、目下の立場として、先方から送られてきたメールでやり取りを終わらせるのは何ともやり辛いもの。出来ることなら自分が送ったメールで終わらせたいものです。そんなときは先方に負荷をかけない程度の簡潔な返信メールを送ることが大切です。書き方については後述します。
2.件名は「Re:」をつけた状態で送ろう
メールの件名は相手が送ってきた返信メールの件名に「Re:」を付け(ビジネスメールでは返信ボタンを押すと自動的に挿入されます)、そのまま返信しましょう。
ビジネスメールは同じ用件のやり取りを行う場合、件名を変えないのがマナー。例えば、先方から「弔電のお礼」という件名で送られてきたなら、返信ボタンを押して「Re:弔電のお礼」として本文の作成に取り掛かりましょう。
3.宛名を正式名称で記載する
メール本文の冒頭には、必ず宛名を記載しましょう。メールの送り主が会社関係の方でしたら「会社名+部署名+役職名+氏名+様(敬称)」を丁寧に明記します。個人の場合は苗字・名前を、誤字脱字に注意して書きましょう。
また相手が恩師の場合は、名前の後に「先生」「教授」を付けて宛名とします。相手がプライベートの友人の場合でも弔電に関するメールには必ず「様」を付けてやり取りすべきです。
4.挨拶文は省略する
ビジネスメールの書き出しに用いることの多い「お世話になっております」「お疲れ様です」といった挨拶文は、弔電に関するメールでは控えましょう。
- この度はお忙しい中、お気遣いのお言葉を頂き、誠に有難うございます
- ご丁寧にお気遣いを賜り、誠に有難うございます
といった弔電への返信に対する感謝の言葉から書き出しましょう。
通常のビジネスメールに慣れている方は挨拶文が無いことに違和感を覚えるかもしれませんが、ご安心下さい。感謝の言葉から始まる本文も全く不自然ではありません。また、弔電のやり取りには仕事に関する内容は一切盛り込まず、いち個人として向かい合う姿勢で書き添えましょう。
5.結びの挨拶の書き方
相手の方が几帳面な性格の方の場合、今回返信したメールに対して、気を使って返信してくる可能性があります。本来、相手から送られてきた弔電のお礼メールを受け取った時点でやり取りは終わっているはずでした。
しかし相手は目上の方。先方から送られてきたメールでやり取りを終えるのが気まずい為、あえて返信メールを用意しているわけです。ですからこの返信メール以降、やり取りは不要。
したがってメールの最後には「返信はどうかお気になさらず」「返信はご無用です」「返信には及びません」といった言い回しを記載しておきましょう。
6.忌み言葉・重ね言葉の使用は控える
人の不幸に関するやり取りには使用してはいけない言葉が幾つかあります。それは「死去、死亡、亡くなる」といった直接的な表現の言葉。そして「消える、浮かばれない、大変なことになる」などの更なる不幸を連想させる言葉。
また、「重ね重ね、ますます、度々」といった重ね言葉や「続く、追って、繰り返す」等の言葉も、不幸の繰り返しを予期する言葉として捉えることができる為、使用は控えるべきです。
弔電のお礼メールに返信するときの文例
つづいては、喪主から弔電のお礼メールが届いたあとに返信する際の文例をご紹介します。
件名:Re:弔電のお礼 株式会社〇〇〇〇 この度は弔電に関するご返信を賜り 喪主を務められるということで大変お忙しいと存じ上げますが、 この後の返信はどうかお気になさらないよう ==================== |
書くときのポイント:弔電のお礼メールに返信するときの流れは以下の通りです。
- 宛名
- お礼メールへの感謝の言葉
- 相手を気遣う言葉
- 返信不要の言葉
構成は非常にシンプルです。内容としてはお礼メールへの感謝、そして相手の健康を気遣う文章を簡潔に記載し、返信不要の言葉で締めくくる。余計な文章は一切入れず、簡潔なメールに仕上げるべきです。