就職活動の際には同時期に2〜3社、多い方は5〜6社面接試験を受ける事があります。現在日本の景気は回復傾向にあるので、希望する会社の採用試験に合格し、晴れて第一志望の会社に新卒入社…という方も珍しくない筈です。
しかし、この時疎かにしてはいけないことは採用試験を受ける・または受けた本命以外の会社に対する対応です。
同時期に受けた会社の中で複数社内定をもらった場合、本命以外の会社には断りを入れ、他社への入社が確定した旨を伝えなければいけません。また、これから面接を受ける予定の会社には採用試験や面接の辞退を申し出なければいけません。面接や採用試験の辞退はメールで構いませんが、言葉遣い・言い回しには十分気をつけるべきです。
ビジネスメールの中でも断りのメールを作成するのは高い難易度の部類に属します。こちらでは、面接を辞退する際に送るお詫びメールの書き方や注意すべき点、文例等を紹介していきます。
面接キャンセルのお詫びメールの書き方・マナー
面接の予定をキャンセルすることは、相手の会社にとっては非常に失礼なことです。これからお詫びメールを作成しようとしている方に対してわざとプレッシャーをかけている訳ではありません。
面接を受ける際には面接官の他には総務や人事の方が必ず付き添います。集団面接ならまだしも、個人面接の場合には自身のために時間を空けてくれているわけです。短時間とはいえ面接にはある程度上位の役職の方々、若しくは社長や役員を含む複数の方々が立ち合うことだってあります。そんな方々と一度交わした約束を破棄しなければいけないのですから、ここはひとつ慎重かつ冷静にお断り・お詫びメールを作成しなければいけません。
相手の方の会社名、部署、指名を記す
メール本文の冒頭では、必ずお詫びメールを送る方のお名前を記します。このとき、会社名や部署が分かっていればそちらも間違いなく打ち込んで下さい。順序としては会社名→部署名(課名)→名前(役職も)です。
- 株式会社〇〇〇〇
人事部 〇〇 〇〇 様
上記のように会社名は勿論、連絡を取っている方の部署名や役職も宛先として打ち込むよう心掛けて下さい。
自分の名前も忘れずに
相手の名前を打ち込んだ後は、メールを作成している自身の名前も挨拶文のあとに忘れず記してください。この時、まだ学生の方であれば大学名、専攻学科も一緒に記すべきです。
- △△大学 経済学部 経営学科 〇〇です
在学中の就職活動は大学の看板を背負って行っていることを意識しましょう。失礼な面接の断り方をしてしまうと通っている大学の看板に傷をつけることになります。
面接辞退する旨を述べ、謝罪の言葉を
相手の方の情報、そしてご自身の情報を打ち込んだ後は面接を辞退する旨を伝えましょう。この時、あまり前置きは入れずに本文の出だしできっぱりと意思を伝えて下さい。
- 先日からお約束させて頂きました面接ですが、一身上の都合により辞退させて頂きたく連絡致しました
上記のように簡潔にまとめて結構です。そしてこの後に謝罪の言葉を述べます。
- この度は貴重なお時間を割き、選考して頂く筈が辞退させて頂くかたちとなってしまい、申し訳ございません誠に身勝手なお願いとなりますが何卒ご了承頂けますようお願い申し上げます
きっぱりと辞退を申し出ましたが、お相手との予定を破棄するのですから謝罪の言葉は丁寧に述べてください。
面接キャンセルのお詫びメールの文例
つづいてはお詫びメールの文例を紹介していきます。学生の方の場合、まだビジネスメールの経験が浅く何から書いて良いか分からない…と悩んでしまう方がいらっしゃる筈です。そんな方はこちらの文例を参考にして頂ければ幸いです。
件名:面接辞退のご連絡 株式会社〇〇〇〇 お世話になっております。 この度、〇月〇日〇時より面接のお約束を頂いておりました面接が、 貴重なお時間を割き、選考して頂く筈が 甚だ身勝手ではございますが、 末筆ながら、貴社の益々のご発展とご活躍を祈念しております。 △△大学 △△学部 △△ |
書くときのポイント:例文を書くときの流れは以下の順番です。
- 相手の方の情報
- 面接辞退のお願い
- お詫びの言葉
- 締めくくり
面接官と一度交わした約束をお断りするお詫びメールでは、簡潔かつ失礼の無いように用件を伝えることが肝となります。面接をお断りする上で具体的な理由を述べる必要はありません。「第一志望の会社から内定を頂いた為…」などと理由を正直に書いても、相手の方は返って気分を悪くされます。メールを読まれる方は過去に何十〜何百人の方を面接してきた人事のプロです。お断りの理由は「一身上の都合」で十分伝わります。メールを送信する際は、最低3回はメールを見直し、誤字脱字や失礼な言い回しが無いかをよく確認した上で送信ボタンを押してください。