長年勤めた会社を去るときは、名残惜しいものです。お世話になった方や役員、上司、同僚、部下…様々な方に挨拶しなければいけません。また、挨拶しなければいけないのは社内の方だけではありません。取引先や協力会社、顧客にも連絡するべきです。
「どうせ自分なんかが辞めたところで誰にも迷惑かからないだろう」などと思っていたら大間違い。長年同じ会社で勤めていると、様々な会社や人との繋がりが出来ているものです。立つ鳥跡を濁さず、という諺がありますが退社の際は正にこのタイミング。去り際を綺麗に…つまりお世話になった方々に会社を去る旨をしっかりと伝え、今後の取り引きに支障が無いよう、新たな担当者や連絡先等をお知らせしなければいけません。こちらでは退職の際に送るお礼やお詫びのメールについて紹介していきます。
退職のお詫びメールの書き方・マナー
退職の挨拶をお世話になった方に伝える。これは社会人のマナーとして当たり前のこと。退職する理由に関しては定年や、早期退職、家庭の事情等、様々な理由があり、理由に関しての制限は存在しません。いつ辞めても個人の自由が許されます。しかし、退職の理由に関係なく誰にも知らせず会社を去ることは社会人として完全にマナー違反。周囲からは常識のない人として、認識されてしまいます。
退職の際には社内・社外の両者に連絡しなければいけません。社内に対しては退職する情報を回覧や口頭で伝えることが出来ますが、問題は社外に対してしっかり伝えようとすると上記のやり方では時間や手間がかかり過ぎてしまいます。こういったとき1番手っ取り早い手段が「メール」です。勿論、社内の方にも退職のお知らせやお詫びメールは有効です。是非ご参考ください。
退職のお詫びメールを送るタイミング
退職する際に挨拶のメールを送るタイミングは、退職の公示が出たタイミングで送るのがベストです。公示が出る前に勝手に送るなど、フライングにならないよう注意しましょう。
退職のお知らせを伝えたら、付き合いのある取引先の担当者が挨拶に来られることも考えられます。相手のことも考慮し、日にちにゆとりを持って退職のお知らせをすべきです。またメールにはいつ退職するのか、具体的な日程を伝えるべきでしょう。
親しい付き合いのある取引先だと、退職日に合わせてお花などの贈呈品を送ってくれる場合があります。お花を頂いたのに、送り先の本人はすでに退職していた、などという事になれば送り先の会社に恥をかかせてしまいます。こういったことが起こらないためにも「◯月◯日をもちまして、退職させて頂きます」と、退職日を伝えましょう。
退職の挨拶とお礼、お詫び
退職します、という一言で終わってしまってはあまりにも寂しいもの。退社する際には今までお世話になった方々へのお礼、そして迷惑をかけたお詫び等々を盛り込み、退職の名残惜しさを伝えてください。
特に長年勤めていると、この部分は膨らみやすくなりますが、それは気にしなくても良いでしょう。苦労話や助けてもらったときのお礼など、その方との共通の思い出話をここで書けば、メールを読む方も思い出して懐かしんでくれる筈です。また、付き合いの浅い関係会社の方に関しては「今までお世話になりました」と感謝の意を込めた言葉を入れ作成すると尚良いでしょう。
末尾では今後の引き継ぎに関する情報を明記する
会社を辞める事になりました…で終わってしまった場合、頻繁に取引している会社の方は正直戸惑ってしまいます。「◯◯さんが退職したら誰と連絡を取ればいいのだろう?」こういった不安を相手に与えない為に、退職後仕事を引き継ぐ担当者の指名・連絡先等を記入するべきです。また、人が変わるタイミングというのは取引内容が変わるタイミングでもあります。
仕事の付き合いを超えてプライベートも共にするような親しい仲の取引先がある場合は要注意です。相手からしてみれば、退職すると今までのような取引が出来ないかもしれない…と、不安になる方がいらっしゃるかもしれません。
そんな特別な関係の方には「後継者に仕事の流れは伝えてありますので、引き続き今までと変わらぬお取引、何卒宜しくお願い致します。」といった言葉を添えれば相手も余計な心配をせずに済みます。
退職のお詫びメールの文例
こちらでは、退職の挨拶に使用するメールの文例を紹介していきます。いざメールを書こうと思っても何から書いたら良いか分からないものです。そんな場面には是非ご参考ください。
件名:退職のお知らせ 株式会社〇〇〇〇 いつもお世話になっております。 私事で大変恐縮ですが、一身上の都合により、 〇〇様には何かとお力添え頂き、心より感謝しております。 〇〇様とは〇年来のお付き合いになりますが、 過酷な仕事でしたが、あの一件を経験したからこそ、 本来なら直接お伺いしてご挨拶すべきところですが、 後任は、先日同行しました同じ営業部の▢▢が務めさせて頂きます。 仕事の流れに関しましては▢▢に伝えてありますので、 末筆ながら貴社のご発展、そして〇〇様のますますのご活躍を 株式会社△△ |
書くときのポイント:最低限、メールに盛り込む項目は以下の5点です。
- 退職する旨
- いつ退職するか
- お礼
- メールでの挨拶となったことに対してのお詫び
- 仕事の後継者、今後取引について
お詫びメールを送るタイミング等にも気をつけるべきですが、退職のリミットと、今後の担当者情報を伝えれば最低限相手の会社に迷惑をかけることはありません。これらのコンテンツが必ず含まれているかチェックしましょう。
また、社外の方に対する退社する際の理由は「一身上」として置くべきです。人間関係や給与に関して等を理由に書き込んでしまうと、勤めていた会社の看板に傷をつけることになります。もしそうだったとしても退職の理由は一身上とし、具体的な理由は書く必要はありません。あくまでも、立つ鳥跡を濁さず。感謝とお礼、お詫びを盛り込んでバランスの良いメールを作成して下さい。