仕入価格や物価、経済情勢の変動により利益が圧迫された場合、対策のひとつとして、販売価格の値上げを実施する方法があります。しかし、値上げは消費者や取引先の購入意欲に大きな影響を及ぼすため、慎重に行わねばなりません。
ここでは、値上げの依頼メールの文例をご紹介します。メールの書き方やマナーについてもお伝えするので参考にしてくださいね。
値上げの依頼メールの書き方・マナー
値上げのお願いメールを送る場合、盛り込まなければいけないポイントが3点あります。
- メールの文面は低姿勢かつ丁寧に明記する
- 値上げ額と値上げの理由を伝える
- 値上げを実施する時期を明記する
相手に配慮せず、一方的な印象を与えるメールは好ましくありません。言い回しや言葉遣い一つで受取手を不快にさせてしまいます。良い関係を維持するためにも文面は慎重に選ばなければなりません。
メールの文面は低姿勢かつ丁寧に明記する
値上げによる取引先への負担は大きくなります。値上げ金額の大きさにもよりますが、取引額の大きいクライアントの場合、単価がたった10円値上がりしただけで、何百・何千万円もの追加負担が生じます。
正当な理由があったとしても、値上げのお願いメールはお詫びの言葉を添えて、丁寧な文章にまとめるべき。企業努力を重ねたものの、値上げするしかなかったという申し訳ない気持ちが伝わるフレーズを用いましょう。
- 誠に恐れ入りますが
- 誠に恐縮ではありますが
- 大変申し訳ございませんが
文章の文頭では上記のフレーズを付け、その後値上げのお願いに入ることをお勧めします。
値上げ額と値上げの理由を伝える
値上げ額を明記する際は、現在の価格と変更後の価格、出来れば差額も表記すべきです。例えば、
- 現在80円の商品〇〇を5円値上げし、85円とさせて頂きたく存じます。
値上額は誰もが気にするポイント。分かりやすく表記するよう心掛けましょう。また、なぜ値上げしなくてはいけないのか、値上げの理由についても相手にしっかり伝えなければいけません。
きっと値上げの背景には原料価格の高騰や人件費、設備投資等様々な理由がある筈です。これらの理由を簡潔かつ分かりやすく相手に伝えましょう。正当な理由を述べなければ、きっと相手は納得してくれません。値上げに至る理由や詳細は分かりやすくまとめ、必ず明記して下さい。
- 昨日の大雨でトウモロコシ農作物が甚大な被害を受けたことにより、原料となるトウモロコシが現在不足して値段が高騰しております。その為〜(値上のお願い)」
上記のように「値上げの理由→値上げのお願い」の流れで明記するのが一般的です。
値上げの開始時期を明記する
いつから値上げに踏み切るか、実施時期も必ず明記しましょう。値上げのタイミングが分かれば、取引先としても資金面での調整や対策を打つといった調整もすることができます。
- 〇月〇日より、商品〇〇の値段を80円から85円に変更致します
上記のように値上げを開始するタイミングと値上がり金額を記載すると自然な流れとなります。また、たばこが値上がりする際、まとめ買いに走る消費者が必ずいますが、これと同様に値上げ前に商品をまとめて購入される取引先が現れるかもしれません。これにより一時的な売上効果を生み出すこともありますので、タイミングの表記は非常に重要なポイントです。
値上げの依頼メールの文例
つづいては、商品の値上げに関する依頼メールの文例を紹介します。メール作成時にお困りの方はぜひご参考下さい。
件名:価格改定のお願い 株式会社〇〇〇〇 平素より大変お世話になっております。 本日は、お取り扱いしております商品〇〇の 商品〇〇の主原料である〇〇の価格の高止まりが続いていることに加え、 当社はこれまで、生産性の向上やコスト削減等の改善を重ねて参りましたが、 1.対象商品:商品〇〇 全機種 いつもご愛顧いただいております〇〇様には大変申し上げにくく、 今後も引き続きコスト削減を実施し、 引き続き何卒宜しくお願い申し上げます。 ==================== |
書くときのポイント:値下げならまだしも、値上げに関する連絡は精神的に送りづらいもの。値上げは自社の都合で無理を押し切る内容となることから、書き方には注意が必要です。流れは以下の通りです。
- 書き出しの挨拶
- 値上げ(価格改定)の通知
- 値上げの理由
- 日程・値上げ額の提示
- 締めの挨拶
価格改定の依頼メールでは、この文章の流れが基本となります。また、価格改定の商品が多い場合は一覧表を作成し、データを添えてメール送ると良いでしょう。送る前には、相手に失礼のない言い回し・言葉遣いを使用していないか、数回チェックし、完璧な内容に仕上げてから送信しましょう。