得意先に頼まれていた資料の完成が期日までに間に合わない。工場でのトラブルが原因で生産がストップし、取引先と約束していた納期に遅れがでそうだ。
そんな時、相手の方にどのような伝え方をすれば良いでしょうか。マナーとして最初に行うべき方法は直接伺ってお詫びすること。それが不可能な場合は電話。相手が忙しくて電話が繋がらないようならメールでの連絡…という優先順位が妥当なところでしょう。
直接顔を合わせてのお詫び、電話でのお詫びは態度や声の表情で誠意を伝えることができます。しかし、メールでの連絡は一方的な通知となるため、言い回しや言葉遣いなど、様々なポイントに注意して作成しなければなりません。
納期を遅延してしまう理由は何であれ、こちら側の都合でお客様と約束した納期を延期するわけですから、丁寧にお詫びをし、その上で納期延期を申し入れるべき。
ここでは、納期延期の依頼メールの文例をご紹介します。お願いする際の書き方やポイントについてもお伝えするので参考にしてくださいね。
納期延期の依頼メールの書き方・マナー
納期は予め取引先との打合せによりお互いが合意して設けた期限です。その期限に納品が間に合わないということは最初の約束を守れなかったことになります。メールにはお詫びの言葉を必ず盛り込まなくてはいけません。その他、文面に明記すべきポイントは以下の3点です。
- お詫びの言葉
- 延期の詳細(変更日程・見通し等)
- 延期の理由
これらのポイントを上手に盛り込み、依頼メールを作成してください。
依頼メールの本文冒頭で納期延期のお願いをする
「お世話になっております」などの書き出しの挨拶を明記したあとは、メールを送った用件を伝えます。「本日は〇〇の納期についてご相談があり、ご連絡致しました」などと記した後、そもそも約束していた納期を〇日まで待ってほしいという一文を書き記します。
平素より大変お世話になっております。 本日は〇〇の納期についてご相談があり、 大変恐縮ではございますが、 |
メールでは最初に結論を述べ、その後、その理由や詳細を明記するのが基本。お願いしづらい内容でも曖昧な表現はせず、はっきり伝えることが大切です。また、納期の目処が立たない場合にはその旨もしっかり伝えなければいけません。
納期延期の理由は簡潔に
納期延期のお願い文を明記したら、次はその理由について書くのが礼儀。以下に参考例を記載します。
- 悪天候により空輸に遅れが生じ、納品が1日遅れる予定です。
- 工場内のトラブルにより生産ラインがストップしている状況です。只今原因を追求し復旧に尽力しておりますが、まだ稼働再開の目処が立っておりません。状況が分かり次第改めてご連絡致します。
納期延期の理由は簡潔に書くのが基本。長ったらしい文章は言い訳に聞こえてしまいます。事実を明確に記すことが誠意を伝える上で最も大切なことだと心得ておきましょう。
納期延期のお詫びを述べる
納期を遅延することにより、取引先に迷惑をかけてしまいます。また関わっている仕事が大きなプロジェクトの場合、プロジェクト全体の進行に影響を与える場合があります。納期延期の理由を伝えた後は、当初の約束を守れなかったことに対し、お詫びの気持ちが伝わるような一文を書き添えましょう。
- 多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます。このような事が二度と起こらないよう、全社員一同気を引き締めて業務に取り組む次第です
このようにお詫びの言葉と同時に、再発防止を誓う言葉を述べることで、先方に誠意を見せることができます。
納期延期の依頼メールの文例
つづいては、納期延期の依頼メールの文例を紹介します。メール作成時、お困りの方は是非ご参考ください。
件名:納期延期のお願い 株式会社〇〇〇〇 平素よりお世話になっております。 先日は弊社商品「△△」のご注文を賜り、 本日は「△△」の納期に関してのご相談がございまして、 誠に心苦しいかぎりですが、 実は、台風の影響で交通機関に遅れが生じ、 部品が到着次第、急いで生産致しますが ご迷惑おかけし、誠に申し訳ございませんが、 取り急ぎ、納期延期のお詫びとお願いを申し上げます。 ==================== |
書くときのポイント:件名は「納期延期のお願い」と簡潔に用件を明記し、詳細を本文に記載していきましょう。本文では挨拶の後、早めに納期延期についての連絡、それから詳細や延期の理由について述べていきましょう。構成は、
- 書き出しの挨拶
- 納期延期のお願い
- 延期の理由
- 謝罪の言葉
上記の順番で書き進めれば、読みやすい文章の流れとなります。また、納期延期の理由については、天災等仕方のない理由に関しては詳細を明記するべきですが、連絡ミスや発注ミスといった不手際が原因の場合は「弊社側の手違いにより〜」とだけ記し、詳細は控えるべきです。
納期の遅れは相手の方に迷惑をかけることになります。お詫びの言葉を盛り込むことを忘れず、低姿勢かつ丁寧な口調でメールを作成するよう心掛けましょう。