上司や取引先など、普段お世話になっている方が病気になったときは、お見舞いメールを送って相手を励まし、勇気づけましょう。
病気をしている相手に何より伝えたいのは、心から回復を願う気持ちです。相手の心中を思い、不用意な言葉には注意しなくてはなりません。
ここでは、病気のお見舞いメールの書き方やマナーについてお伝えします。上司・取引先に宛てるときの文例も紹介するので参考にしてくださいね。
目次
病気のお見舞いメールの書き方・マナー
まずは、病気のお見舞いメールの書き方や、心がけておくべきマナーについてお伝えします。
挨拶文や時候の挨拶は省略する
通常、ビジネスメールは挨拶文から書き出すのが基本ですが、お見舞いメールでは「驚きや心配のために挨拶も忘れてしまった」ことを表すために、「お世話になっております」などの挨拶文や時候の挨拶を省略し、相手の体調・安否を気遣う挨拶から入るのが一般的です。メール本文の冒頭は、下記の体調を気遣う言葉を参考にしてください。
- ご入院されたと聞き、突然のことに大変驚いております。その後のご経過はいかがでしょうか。
- このたび入院されたことを伺い、大変驚いております。その後、ご容態はいかがでしょうか。
- 株式会社〇〇の〇〇様より、△△様がご体調をくずされたとの知らせを聞き、大変驚いております。その後、ご病気のお具合はいかがですか。
なお、メールはあくまでも略式であり、書状で送るのが正式なマナーです。書状で送りたい方は「病気のお見舞い状の書き方」をご覧ください。
プレッシャーや負担を与える言葉はくれぐれも避けよう
お見舞いメールは相手を励ますことが目的のため、「早く元気になってください」などの言葉を投げかけてしまいがちですが、実はタブーです。必要以上に心配したり、無理に元気づけようとするのはかえってプレッシャーになってしまいます。
また、相手のことが心配で、病名や詳しい症状を知りたい気持ちになるのはわかりますが、相手を不安な気持ちにしたり、不快感を与えてしまうこともあります。詳細には触れないようにして、相手の状況を気にかけ、心配していることを伝えましょう。必要以上の同情も控えます。相手の気持ちに寄り添って、明るく前向きな文面で病気の回復を祈ることが大切です。
定番フレーズを用いて気持ちを伝える
お見舞いメールは形式的に書くことが一般的です。上記した「相手の体調を気遣う言葉」の後に「休養をすすめる言葉」を書き、「健康回復を祈願する言葉」を記して締めくくります。例文はそれぞれ下記の通りです。
相手に休養をすすめるフレーズ集
- ゆっくりご静養ください。
- お体の回復を第一に、ご無理をされず休息なさってください。
- この機に十分体をお休めください。
- お仕事のことを気になされていると思いますが、十分にご静養なさってください。
- 仕事のことは忘れて、ご養生に専心なさってください。
- ご多忙の御身とは存じますが、どうかお身体をお休めになり、ご全快されますよう心よりお祈り申し上げます。
- くれぐれもご自愛ください。
回復を祈願するフレーズ集
- 一日も早いご回復をお祈り申し上げます。
- 一日も早く元気なお顔を拝見できますよう、心よりお祈り申し上げます。
- 一日も早く全快されますよう、祈念いたします。
次章では、定番フレーズを用いたお見舞いメールの文例をご確認ください。
病気のお見舞いメールの文例集(上司)
つづいては、上司に病気のお見舞いメールを送るときの文例を紹介します。
病気のお見舞いメールの文例(基本)
件名:お見舞い申し上げます 〇〇課長 この度、〇〇課長がご入院されたとお聞きし、 △△部長のお話では、特に心配なご病気ではないと伺い 今は仕事のことを忘れて、十分にご静養なさってください。 一日も早く〇〇課長の元気なお顔を拝見できますよう、 ==================== |
書き方のポイント:堅苦しいメールにならないよう、上司の体調を気遣う内容を中心に文面を作成しましょう。病状が深刻ではない場合、安心した様子を伝えると、相手も嬉しい気持ちになります。
病気のお見舞いメールの文例(お見舞いの品を贈る場合)
件名:お見舞い申し上げます 〇〇本部長 この度、〇〇本部長がご入院されたと聞き、 その後のご経過はいかがでしょうか。 早速お見舞いにと思いましたが、 お納め頂けますと幸いです。 ご多忙の御身とは存じますが、どうかお身体をお休めになり、 メールにて恐れ入りますが、 ==================== |
書き方のポイント:見舞いに行けず、代わりにお見舞いの品を贈るときは、「心ばかりですが」「心ばかりの」といった前置きを入れるのが基本です。目上の方に送る際は「ご受納頂けると幸甚でございます」などと丁寧な言い回しを用いても良いでしょう。
病気のお見舞いメールの文例(お見舞いに伺う場合)
件名:お見舞い申し上げます 〇〇部長 このたび入院されたことを伺い、 心よりお見舞い申し上げます。 仕事のほうは、部長にご心配ご迷惑をおかけしないようにと 後日、あらためてお見舞いに伺いますが、 ==================== |
書き方のポイント:お見舞いに伺うことを書き記すときは、まずは末文でそのことを伝えます。見舞いを迎える側にも準備や都合があるので、急な訪問は避け、メールで事前確認しておくことが大切です。
病気のお見舞いメールの文例集(取引先)
最後に、取引先に病気のお見舞いメールを送るときの文例を紹介します。
病気のお見舞いメールの文例(基本)
件名:お見舞い申し上げます 株式会社〇〇〇〇 株式会社△△の△△です。 〇〇様がご病気により入院されたことを伺い、 その後、ご病状はいかがでしょうか。 日頃から多忙なご様子を拝見しておりましたため、 メールにて恐縮ですが、 ==================== |
書き方のポイント:社外の相手でも冒頭の挨拶文は省略し、体調を気遣う言葉から書き記します。定番フレーズをそのまま使用するのではなく、あなたの気持ちが伝わるよう自分なりの言葉で書くことにより、温かみのあるお見舞いメールに仕上がります。
病気のお見舞いメールの文例(お見舞いの品を贈る場合)
件名:お見舞い申し上げます 株式会社〇〇〇〇 株式会社△△の△△です。 貴社営業課長の〇〇様より、〇〇様がご病気により その後、ご病気の具合はいかがですか。 重責を担うお立場のため、 本来ならば拝顔にてお見舞い申し上げるところですが、 お納め頂ければ幸甚でございます。 〇〇様の一日も早いご回復をお祈り申し上げます。 ==================== |
書き方のポイント:社外の方や目上の方にお見舞いメールを送るときは礼儀正しい表現を心がけましょう。定型的な文面でまとめた味気ないメールにならないよう、先方への気遣いが感じられる文章にしましょう。
病気のお見舞いメールの文例(お見舞いに伺う場合)
件名:お見舞い申し上げます 株式会社〇〇〇〇 株式会社△△の△△です。 本日貴社にお伺いしましたところ、 その後のご経過はいかがでしょうか。 いつも頑強な〇〇様ですから、ご快癒も間もないことと思いますが、 一日も早く全快されますよう、祈念いたします。 後日、あらためてお見舞いに伺いますが、 ==================== |
書き方のポイント:「ご快癒(かいゆ)」とは、病気が完全に治ること。「全快」や「本復」と書き換えても良いでしょう。病気で入院した方が普段元気で明るい方であっても、励ましすぎると心理的なプレッシャーとなる場合もあります。くれぐれも表現には気をつけましょう。