相手の安否を尋ねる挨拶|すぐに使える例文つき

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相手の安否を尋ねる挨拶|すぐに使える例文つき

手紙や文書を書くときは、用件を相手に伝える前に、前置きとして書式に則って挨拶を述べます。「こんにちは」という冒頭語にはじまり、時候の挨拶、相手の安否を尋ねる挨拶と続き、自分の安否を伝える挨拶で締めます。

相手の安否を尋ねる挨拶は、形式的な言葉のなかにも、相手を気遣う思いやりのある言葉を入れたいものです。

今回は、手紙の種類や相手との関係性に応じた挨拶の例文をご紹介していきます。

0.相手の安否を尋ねる挨拶とは

前文では、頭語・時候の挨拶に続けて、相手の安否を尋ねる挨拶(繁栄を喜ぶ言葉)を書きます。以下の「(3)繁栄を喜ぶ言葉」の箇所です。

ビジネス文書の書き出し

安否を尋ねる挨拶を書くときは、以下の3つのパターンがあります。

  1. 改まった手紙「会社・組織の繁栄を喜ぶ挨拶」
  2. 改まった手紙「個人(相手)の安否を尋ねる挨拶」
  3. 親しい人への手紙「個人(相手)の安否を尋ねる挨拶」

改まった手紙は、ビジネス文書を書くときや、目上の人に対して手紙を送るときに使います。親しい人への手紙は、親や古くからの友人に送るときです。それぞれの言葉は以下のとおりです。

1.改まった手紙:会社・組織に向けた挨拶

改まった手紙を会社に所属する担当者に送るときは、下記の(1)から(6)の言葉を組み合わせて使います。

(1)
  • 貴社
  • 御社
  • 貴会
  • 貴店
  • 貴行
  • 貴校
  • 皆様
(2)
  • には
  • におかれましては
  • (省略可)
(3)
  • ますます
  • いよいよ
  • 一層
  • 一段と
(4)
  • ご隆盛(りゅうせい)
  • ご清栄(せいえい)
  • ご繁栄(はんえい)
  • ご繁盛(はんじょう)
  • ご盛栄(せいえい)
  • ご発展(はってん)
  • ご隆昌(りゅうしょう)
  • ご清勝(せいしょう)
  • ご活躍(かつやく)
  • ご壮健(そうけん)
(5)
  • のことと
  • の段
  • の由
  • の趣
(6)
  • お喜び申し上げます
  • お慶び申し上げます
  • 大慶に存じます
  • 慶賀の至りに存じます
  • 拝察いたします

ビジネス文書の多くの場合、先方の会社に向けた言葉になります。宛名に個人の氏名を書いた場合でも、先方の会社に対して繁栄を喜ぶ挨拶を記入します。間違えないよう、注意しましょう。

会社の繁栄を喜ぶ挨拶の例文

上記で記載した、(1)~(6)を組み合わせた会社に向けた繁栄を喜ぶ挨拶の例文をいくつかご紹介します。

相手が会社のときの例文

  • 貴社におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
  • 貴社ますますご盛栄の段、お慶び申し上げます。
  • 貴社にはいよいよご隆盛の段、慶賀の至りに存じます。
  • 貴社にはますますご発展の由、拝察いたします。

清栄は「相手の無事と繁栄を喜ぶ」という意味です。盛栄は「商売などが盛んなこと(段:ということ)」、隆盛は「勢いが盛んなこと」、慶賀の至りは「この上ない喜び」という意味です。貴社も御社も相手の会社のことを指しますが、一般的に文書では貴社を使用します。

相手が銀行のときの例文

  • 貴行にはいよいよご繁栄の段お慶び申し上げます。
  • 貴行におかれましてはますますご隆昌のことと拝察いたします。

手紙を送る相手が銀行の場合は、貴行を用います。隆昌は「勢いが盛んなこと」という意味です。

相手がお店のときの例文

  • 貴店におかれましてはますますご繁盛のことと大慶に存じます。
  • 貴店にはますますご繁盛の由、お喜び申し上げます。

上記のように、送る相手によって、先方の名称も変えましょう。文中で相手の名称をそのまま「株式会社〇〇様」と書くのは好ましくありません。改まった手紙は、感覚で判断して書き方を工夫したり、ユニークな書き方をしたりすることよりも、書式のルールに則って書くことが大事です。手紙のマナーを守りましょう。

2.改まった手紙:個人に向けた挨拶

個人に宛てて改まった手紙を書くときは、以下の(1)から(6)を組み合わせて記入します。

(1)
  • 貴殿
  • ◯◯様
  • 先生
  • あなた様
  • 皆様
  • 皆々様
  • ご家族の皆様
  • ご一同様
(2)
  • には
  • におかれましては
  • (省略可)
(3)
  • ますます
  • いよいよ
  • 一段と
  • 一層
(4)
  • ご健勝(けんしょう)
  • ご清祥(せいしょう)
  • ご活躍(かつやく)
  • お健やかに
  • お元気に(お元気で)
  • ご無事に(ご無事で)
  • お変わりなく
(5)
  • のことと
  • とのこと
  • の由
  • の趣
  • お過ごし(お暮らし)のことと
  • お過ごし(お暮らし)とのこと
(6)
  • お喜び申し上げます
  • 何よりと存じます

個人の健康や活躍を喜ぶ言葉の文例

個人の健康や活躍を喜ぶ言葉の文例(組み合わせ)を以下にご紹介します。

  • 貴殿におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
  • 貴殿にはますますご清祥の由何よりと存じます。
  • ご家族の皆様には一段とお健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。

健勝とは「健康で元気なこと」。清祥は、相手が健康で幸せに暮らしていることを喜ぶあいさつです。清祥の意味からも分かる通り、相手が個人の場合は「ご清祥」を使います。「ご清栄」と「ご清祥」の使い分けを混同してしまわないよう、注意しましょう。法人はご清栄、個人はご清祥です。

3.親しい人への手紙:個人に向けた挨拶

親しい人に手紙を書くときの挨拶は、以下の(1)~(5)の言葉を組み合わせましょう。

(1)
  • 〇〇様
  • 皆様
  • ご一同様
  • ご家族の皆様
  • 先生
(2)
  • には
(3)
  • その後
  • (省略可)
(4)
  • お元気に
  • ご無事に
  • お健やかに
  • お変わりなく
  • いかがお過ごしでしょうか
  • お変わりございませんか
  • お元気でいらっしゃいますか
  • お元気でお過ごしですか
(5)
  • お過ごしのことと存じます
  • お暮らしのことと存じます

上記の言葉を組み合わせる以外でも、形式的な挨拶もあるのでご紹介します。

 一般的な挨拶

  • 時下ますますご清栄のことと存じます。
  • 日々お元気でお勤めのこととお喜び申し上げます。
  • つつがなくお暮らしのこととお喜び申し上げます。
  • 皆様にはいかがお過ごしでいらっしゃいますか。
  • ご機嫌いかがでいらっしゃいますでしょうか。

 親しみやすい挨拶

  • お元気でお過ごしですか。
  • あなたのことですから、お元気で活躍されていることでしょう。
  • その後どうなさっていますか。心配しています。
  • あなたの暮らし向きが気にかかっています。
  • 無理をして、頑張りすぎてはいませんか。心配です。
  • おからだを大切になさっていますか。

親しい相手の安否を尋ねる挨拶の例文

(1)~(5)の言葉を組み合わせた例文を以下にご紹介します。

  • 皆様にはその後お変わりなくお過ごしのことと存じます。
  • 〇〇様はいかがお過ごしでしょうか。
  • ご家族の皆様はお元気にお暮らしのことと存じます。

親しい人に安否を尋ねる挨拶を書くときは、相手との関係や人柄を思い浮かべながら言葉を考えましょう。定型的な挨拶にこだわらず、あなた自身の言葉で相手への思いやりを表しましょう。その気持ちは必ず伝わります。

4.返信するときの安否を尋ねる挨拶の書き方

相手からの手紙が届いた場合は、その内容に相手側の安否はすでに知らせてきているはずです。こちらからの返信では、その知らせの内容を受けて、相手の安否を気遣う挨拶を入れたほうが、形式的な印象を与えないので良いでしょう。書き方の例は以下のとおりです。

  • ご一統様にはますますご壮健とのことで、お喜び申し上げます。
  • 皆様お元気のご様子で何よりです。
  • ご家族の皆様にはますますお元気のことと承り、何よりと存じます。
  • あなた様にはご健勝のご様子、心よりお喜び申し上げます。
  • お元気にしていらっしゃるようで、安心しました。

上記した挨拶を、手紙の種類や相手との関係によって使い分けましょう。改まった手紙を送るときは礼節をわきまえた文章を心がけ、親しい人に送るときはあなたの気持ちが表れる言葉を選びましょう。

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