ミスや仕事が上手くいかないことが原因で、部下が自信を失い落ち込んでしまったときは、励ましメールを送って、部下を奮い立たせるのも上司の仕事です。
ところが、励ましメールの書き方を間違えてしまうと、更に部下のモチベーションは下がってしまうので要注意。
ここでは、部下に励ましメールを送るときの書き方やマナーについてお伝えします。部下のモチベーションを高める、励ましメールの文例も紹介するので参考にしてくださいね。
目次
部下に送る励ましメールの書き方・マナー
まずは、部下に励ましメールを送るときの書き方や、心がけておくべきマナーについてお伝えします。
部下の表情が曇っていると感じたら励ましメールで心遣いを
部下が不安に満ちた表情を浮かべている時や、落ち込んでいる姿を見たときは、声を掛けてアドバイスすることが必ずしも正解とは限りません。
特に、気持ちの問題の場合は、そっと心遣いを感じるメールを送って部下を励ますのも、上司が心得ておくべき部下への接し方のひとつです。メールの文面は、上司の目線ではなく部下の立場になって気持ちを汲み取ることが基本です。
ポジティブな表現を用いて部下の気持ちを前向きにする
精神的に弱っている部下に、さらに追い打ちをかけるように叱責の言葉を浴びせるのは当然、逆効果です。ところが、上司もそれに気づかぬままメールを送ってしまう場合も少なくありません。メールではネガティブワードをポジティブな言葉に転換して伝えることを心がけましょう。
- ネガティブ:「心配するな」
- ポジティブ:「安心して」「自信を持て」
部下の今の気持ちを言葉にするのではなく、不安を和らげる表現を用いましょう。
- ネガティブ:「やる前から諦めずに、とりあえずやってみろ」
- ポジティブ:「諦めずにやり遂げたら大きく成長するぞ」
成功したときの望ましい未来をイメージさせることにより、前向きな気持ちを持てるようになります。
部下を励ます言葉の選び方には気をつけよう
励ましているつもりでも、伝え方や言い回しを間違えると、部下の気分を更に落ち込ませてしまいます。ここでは、部下をねぎらったり激励したりするとき、善意で伝えたつもりが、部下へのプレッシャーになりやすい「頑張れ」のNG表現を見てみましょう。
- ×:「次は頑張れよ」「もっと頑張ろう」
- 〇:「次は俺も手伝うから一緒に頑張ろうな」「よく頑張ったな」「助かっているよ」「頑張りすぎないでね」
「頑張れ」を使うときは慎重に言葉を選ばないと、部下との関係に亀裂が生じてしまいます。「次は頑張れ」と伝えると、部下はこれまでの努力を認めてくれない上司にガッカリするでしょう。「頑張った結果」を褒めて伝えたり、自分も一緒に協力する姿勢を示したりすることが重要です。
部下に送る励ましメールの文例集
つづいては、部下に励ましメールを送るときの文例を紹介します。
部下に送る励ましメールの文例(契約を失注したとき)
件名:商談結果の件 〇〇(部下の名前) お疲れ様。 株式会社△△様への提案結果の件、 結果は残念だったけど、きっと今回の経験は お客様の悩みを解決するために 落ち込んでいるかもしれないけど、 今回はよくひとりでここまで頑張ったな。 次は俺もサポートするから、必ず契約を取ろうな! ==================== |
部下にとって、上司が自分の頑張りをそっと見守ってくれ、ちゃんと評価してくれることほど嬉しいものはありません。部下が営業先を失注して落ち込んでいるときは、行動面で良かった部分を書き記し、今後への期待を込めた温かみのある文面に仕上げましょう。
部下に送る励ましメールの文例(ミスを繰り返して落ち込んでいるとき)
件名:業務進捗の件 〇〇さん(部下の名前) お疲れ様。 さっき業務ミスを注意した件、 普段の〇〇さんらしくないミスだったから注意したものの、 私がちゃんとカバーするから、気持ちを切り替えて もし何か悩み事や不安なことがあるのなら ==================== |
特に理由はないものの、本来の能力を発揮できず不注意からミスを連発している部下には、叱ったり注意したりするのは逆効果。あえて叱らなくても、本人が誰よりも自覚しています。落ち込んだ部下を励ますときは、文例に記したように「カバーする」や「サポートする」などと書き、末尾では、仕事やプライベートに関する悩み事が気になっているのか、遠回しに、相談に乗る一文を添えると良いでしょう。
部下に送る励ましメールの文例(不安を和らげたいとき)
件名:書類作成の件 〇〇(部下の名前) お疲れ様。 午前中にお願いした〇〇の書類作成の件だけど、 初めて頼んだ業務だから、上手く出来るか 最初から完璧にできる人なんていないし、 やればできるんだから、自分に自信を持ってな! ==================== |
仕事を抱え込んで行き詰っている様子の部下や後輩にかける言葉は慎重に選ぶ必要があります。「責任は俺(上司)が取るから思う存分やってみろ」「最初から上手くできる人はいない」などと、部下の緊張やプレッシャーを取り除く言葉を投げかけ、メールの締めくくりでは部下への期待を伝えると効果的。ただし、過剰な表現は余計、部下にプレッシャーを与えることになるので言い回しには気をつけましょう。