お客様から預かった大切な書類を紛失してしまったときは、紛失の状況が判明し次第、相手にすぐに連絡し、紛失に至った経緯を伝えるのが基本です。事後処理を済ませたタイミングですぐにお詫び状を送り、改めて謝罪するとともに、今後もお付き合いを継続してくれるようお願いします。
ここでは、書類紛失のお詫び状の書き方や心がけておきたいマナーについてお伝えします。お詫び状の文例もご紹介するので、文書を作成するときの参考にしてくださいね。
目次
書類紛失のお詫び状のマナー
まずは、書類紛失のお詫び状を書くときに心がけておきたいマナーや、押さえておくべきポイント、注意事項について理解しておきましょう。
反省と再発防止への誓いを述べる
書類を紛失したときは、早急に対応するのが基本です。必要書類の紛失は、お客様や取引先の信頼を失う行為。原因を究明し、素直に反省して再発防止を誓うことを誠意を持って伝えることが大事です。
回避できないトラブルに巻き込まれたり、事故に遭遇したなど、想定外の出来事が原因で紛失した場合でも、言い訳にならないように注意しましょう。紛失した経緯を簡潔明瞭に書き添えて、謝罪と反省の意を示すことが社会人として常識です。
場合によっては監督責任者のお詫び状を
紛失した書類が、個人情報に関連する資料や、機密文書、相手が損害を被る可能性があるような重大な資料の場合は、紛失した本人だけで解決できる問題ではなくなります。所属する部署や課の責任者である上司を伴ってお詫びするのはもちろん、上司のお詫び状が必要になります。
部下の不注意が原因でも、書類の紛失は会社の責任と捉えて誠意ある対応を心がけるべきです。会社の迅速な対応が、お客様との信頼関係を修復するカギとなるため、最優先事項として取り組みましょう。
書類紛失のお詫び状の書き方
つづいては、書類紛失のお詫び状の基本構成についてご紹介します。詫び状は、書式に則って明記するのがマナー。構成要素とポイントは図の下に記載しておきます。
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書類紛失のお詫び状の文例
さいごに、書類紛失のお詫び状の文例をご紹介します。文例のあとに記載しているポイントについても目を通しておいてくださいね。
文例1:本人からお詫びする場合
平成〇〇年〇月〇日 株式会社〇〇〇 総務部 〇〇〇〇様 株式会社〇〇〇〇 営業一課 〇〇〇〇 資料紛失のお詫び 拝啓 貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てにあずかり、ありがたく厚く御礼申し上げます。 このたびは私の不注意により貴社に多大なご迷惑をおかけしてしまいまして、誠に申し訳なく存じ、心よりお詫び申し上げます。 平成〇年〇月〇日午前〇時ごろ、貴社で〇〇様とのお打ち合わせの後、用事にて〇〇駅にて下車した際、お預かりいたしました「〇〇に関する資料」を落としたことに気づかず、紛失してしまいました。すぐに駅事務室に遺失物の捜索を願い出ましたが、未だ発見に至りません。 つきましては、大変恐縮ではございますが、当該資料の再発行をお願いできませんでしょうか。ご用意いただけましたら、直ちに私がお伺いいたしますので、よろしくお願い申し上げます。 お詫びを申し上げますとともに、今後二度とこのような不祥事は起こさないことを固くお誓い申し上げます。何卒今後もお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。 まずは書面にてお詫び申し上げます。 敬具 |
お詫び状には、書類を紛失したときの経緯を簡潔かつ具体的に明記します。曖昧な表現をしてしまうと、先方の不信感は増す一方。誠意を示すためにも、その場で起こった状況は包み隠さず伝えましょう。また、お詫び状の文面には、再発防止を強く誓うことで、相手の許しを請う気持ちを込めることが大切です。そのうえで、書類の再発行を伏してお願いしましょう。
文例2:会社の責任者からお詫びする場合
平成〇〇年〇月〇日 株式会社〇〇〇 総務部 〇〇〇〇様 株式会社〇〇〇〇 代表取締役 〇〇〇〇 資料紛失のお詫び 拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。 このたび、弊社社員の不注意により〇〇様の個人情報が記載された書類を紛失していたことが判明いたしました。 日頃から、個人情報の取り扱いには徹底した指導・管理をおこなってまいりましたが、このような事態を招き、お客様には多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。 弊社では、これまでも書類の取り扱いには細心の注意を払うよう指導しておりましたが、このような不始末が発生したことを真摯に受け止め、お客様の情報管理につきまして一層厳格な取扱いを徹底し、再発防止に万全を期してまいります。 まずは略儀ながら書面にてお詫び申し上げます。 敬具 |
個人情報などの重大な書類を紛失した場合は、代表者からお詫び状を送るのが礼儀です。文面には、再発防止のために会社として今回の出来事をどのように捉え、今後同じミスを繰り返さないために管理体制をどう変更するのかを明記します。紛失した資料の関係者が複数名の場合は、宛名を「お客様各位」とし、末文の下に別記を設け、紛失した書類の種類や情報内容、紛失件数なども記載しておきましょう。