講演会(講師)の依頼状の書き方|文例つき

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講演会(講師)の依頼状の書き方|文例つき

講演会の講師を依頼する手紙では、相手に失礼のないよう丁寧な文面を心がける必要があります。とくに、面識のない相手に依頼状を送る場合は、手紙の書き方ひとつで依頼を引き受けてもらえるかどうかが大きく左右されます。

ここでは、講演会の講師への依頼状の書き方をお伝えします。依頼の手紙を書くときのマナーや、相手との関係性別の文例もご紹介するので、実際に依頼状を書くときの参考にしてくださいね。

講演会の依頼状を講師に書くときのマナー

まずは、講師に講演会の依頼状を書くときのマナーや注意事項についてお伝えします。

講演会を主催する団体の説明文を明記する

面識のない相手に講演を依頼する書状を送る場合は、こちらがどのような団体であるかを、きちんと説明することが大切です。先方にそれが伝わらなかったり、素性が明らかでなかったりすると、不信感を持ってしまって、依頼の受けようがありません。

快く引き受けてもらえるよう、依頼状の前半では自己紹介を簡潔かつ具体的に書き添えることを念頭に置きましょう。

依頼事項はまとめて別記に記載する

依頼状に講演会のテーマを書き記すことはマナーですが、複数の登壇者がある場合や、パネルディスカッションのための基調講演を依頼する場合などは、さらに絞り込んだ講演テーマを示すことが必要です。

詳細を依頼状の文面に記してもよいのですが、それでは少々見にくくなってしまいます。先方が依頼を引き受けるかどうかを検討するための依頼事項は、別記に箇条書きで明記しておくことを心がけましょう。講演会の開催日程や会場、テーマ、謝礼などとともにまとめたほうが、依頼状の文面もすっきりします。

講演会の依頼状を講師に書くときの基本知識

つづいては、講師に講演会の依頼状を書くときの基本構成と書き方についてご紹介します。依頼状は、「縦書き」「横書き」のどちらにするかによって、構成が変わります。

横書きの場合

Wordを用いてビジネス文書を作成する場合は、横書きが一般的です。ただし、面識のない相手に送るときは、なるべく手書きで縦書きにするのが礼儀です。

講演会の依頼状を講師に書くときの基本知識(縦書き)

  1. 日付:発信年月日を和暦で記入します。横書きの場合、数字は算用数字とします。文書の作成日を記載するのはNGなので注意しましょう。
  2. 宛名:依頼状を送る相手の名前を書きます。会社に所属する担当者や個人に宛てるときは、「会社名・部署名・役職名(肩書き)・氏名・敬称(様)」の順に明記します。省略して書くのは失礼となるため、正式名称を明記しましょう。
  3. 差出人:講演会を主催する会社名・組織名と代表者の名前を明記します。
  4. 件名:書面の左右中央に、やや大きめの字でタイトルを記載します。
  5. 前文:依頼状の前文は「頭語(拝啓)」「時候の挨拶」「相手方の繁栄を喜ぶ挨拶」の4つで構成されています。ここで用いる挨拶言葉は、丁寧な言い回しや表現が好ましいでしょう。
  6. 主文:主文では用件を明記します。「自己紹介または過去の講演会への感謝の言葉」「講演会のテーマやお願いの言葉」「先方の都合を伺う言葉」を記します。
  7. 末文:末文では「結びの挨拶」を伝え、改行して右端に「結語(敬具)」を書きます。書き忘れに注意しましょう。
  8. 別記:講演会の依頼事項(開催日程、会場、依頼したいテーマ、謝礼、参加者の概要)を箇条書きで明記します。

縦書きの場合

講師などのあらたまった相手へ、便箋に依頼内容を書いて送る場合は、縦書きにします。

講演会の依頼状を講師に書くときの基本知識(横書き)

  1. 前文:依頼状の前文は「頭語(拝啓)」「時候の挨拶」「相手方の繁栄を喜ぶ挨拶」の4つで構成されています。ここで用いる挨拶言葉は、丁寧な言い回しや表現が好ましいでしょう。
  2. 主文:主文では用件を明記します。「自己紹介または過去の講演会への感謝の言葉」「講演会のテーマやお願いの言葉」「先方の都合を伺う言葉」を記します。
  3. 末文:末文では「結びの挨拶」を伝え、改行して右端に「結語(敬具)」を書きます。書き忘れに注意しましょう。
  4. 別記:講演会の依頼事項(開催日程、会場、依頼したいテーマ、謝礼、参加者の概要)を箇条書きで明記します。
  5. 日付:発信年月日を和暦で記入します。縦書きの場合、数字は漢数字とします。文書の作成日を記載するのはNGなので注意しましょう。
  6. 差出人:講演会を主催する会社名・組織名と代表者の名前を明記します。
  7. 宛名:依頼状を送る相手の名前を書きます。会社に所属する担当者や個人に宛てるときは、「会社名・部署名・役職名(肩書き)・氏名・敬称(様)」の順に明記します。省略して書くのは失礼となるため、正式名称を明記しましょう。

講演会の依頼状の文例

さいごに、講師に講演会を依頼するときの文例をご紹介します。文例はすべて横書きでのご紹介となりますが、書く順番や位置を入れ替えれば、縦書きの文面としても使用できます。

面識のない相手に初めて依頼する場合

拝啓 向暑の候、〇〇様におかれましてはいよいよご清祥のことと大慶に存じます。
 不躾にも、突然お便り申し上げる失礼をお許しください。弊社は、〇〇の普及を推進するための研究開発および販売を行っている株式会社〇〇〇〇と申します(1)。
 弊社では毎年、さまざまな角度から〇〇問題に関する講演を行っておりますが、本年は〇〇に焦点をあてた講演を企画しております。
 つきましては、日本の〇〇研究の第一人者であり、〇〇問題についてのご著書もある〇〇様に「〇〇の可能性と現在」というテーマでご講演いただきたく、別記要領にてご依頼申し上げる次第です(2)。
 ご多用中恐縮ですが、何卒ご検討賜りますようよろしくお願い申し上げます。
                                          敬具
                      記
日時   平成〇〇年〇月〇日(〇)
会場   見本ホール2階
テーマ  「〇〇の可能性と現在」
謝礼   〇〇,〇〇〇円
対象   〇〇に関する事業関係者 〇〇名
                                          以上

文例中の下線部を別の言い回しにしたい方は(1)を「初めてお便りを差し上げます。私は「〇〇の会」代表をしております〇〇と申します」、「突然お便りを差し上げるご無礼をお許しください」「突然の書状にて失礼いたします」と書き換えてもよいでしょう。

(2)については「この講演会は、年に一回の定期開催とする所存でございますが、その記念すべき第一回講演会に〇〇先生のご登壇をお願いできれば、誠に幸せに存じます」などと、開催状況や先方の立場を踏まえた内容に書き換えると、相手に熱意が伝わりやすくなります。

面識のある相手に依頼する場合

拝啓 春暖の候、〇〇先生にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
 昨年は、私どもの突然のお願いをご快諾いただき、誠にありがとうございました。お陰様で、かの講演会は大好評のうちに済ますことができました。
 さて、このたび、〇〇〇を対象とした講演会を下記の要領で開催する運びとなりました。ついては、幅広い年齢層の会員様から講師への要望を募ったところ、圧倒的多数で〇〇先生のお名前があがりました。誠に身勝手な進行のしかたで恐縮ではございますが、〇〇の分野でご活躍中の〇〇先生より、本テーマについてのご高説を拝聴いたしたく、一筆申し上げた次第です。私どもの熱意の一端でもおくみ取りいただき、ご検討くださいますよう、伏してお願い申し上げます。
 講演会のテーマや日程などを別記にまとめましたが、多少の変更は可能でございます。ぜひご一読賜り、先生のご都合をお聞かせいただきたく存じます。
 ご多忙のところ恐れ入りますが、宜しくお願い申し上げます。
                                          敬具
                      記
日時   平成〇〇年〇月〇日(〇)
会場   見本ホール2階
テーマ  「〇〇の今後の見通し」
謝礼   〇〇,〇〇〇円
対象   〇〇に関する事業関係者 〇〇名
                                          以上

面識のある相手や、過去に登壇のお願いをした方でも、改まった文章を書くのが基本です。礼儀正しく文章をまとめて、快く引き受けてもらえるようにしましょう。また、文例でも示しているように、別記には必要事項を箇条書きで明記しておきます。文例中の下線部のような、先方の都合を配慮する一文を書き添えておくと親切です。

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