死亡通知の書き方|文例つき

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死亡通知の書き方|文例つき

死亡の通知は電話を使うことも一般的ですが、書面で知らせる場合は、形式に則り、死亡の事実や葬儀の案内などを簡潔にまとめるのが基本です。遅れて通知する際は、その理由についても書き添えるのがマナーです。

ここでは、死亡通知の書き方や、マナーについてお伝えします。通知状の文例もご紹介するので、はがきや手紙を書くときの参考にしてくださいね。

死亡通知のマナー

まずは、死亡通知を書くときのポイントをお伝えします。相手に失礼のないよう、マナーや注意点について理解しておきましょう。

死亡通知はなるべく早く出す

故人が亡くなってから葬儀まではあまり日がないため、急がなくてはなりません。葬儀の日時が決まったら、速やかに送る手配をしましょう。遠方に住む方へは、はがきや手紙だと到着日が遅くなってしまうため、電話や電報で通知することも考慮しましょう。

新聞広告で通知する方法もある

多くの人に知らせるなら、新聞広告という方法もあります。文面は死亡通知状と同じでよく、葬儀の日時と場所を明記できます。

広告の依頼先は新聞に掲載されているため、利用するのもよいでしょう。申し込み締め切り時刻は新聞社によって異なりますが、葬儀をおこなう日の朝の朝刊に間に合わせるなら、前日の午後5時が目安です。

句読点は用いない

死亡通知状では句読点をつけず、1字空きにするのが一般的です。その理由は、礼儀を重んじる弔事に際して、敬うべき相手に対して句読点を用いるのは失礼だという考えからです。

死亡通知以外でも、会葬礼状などの儀礼的な手紙では、句読点を用いません。使ってしまわないように注意しましょう。

表書き・文面とも薄墨で書く

弔事の手紙は「涙が硯に落ちて墨が薄くなってしまった」という意味から、薄墨で書きます。筆書きに慣れておらずペンで書く場合は、インクは黒かブルーブラックを用いましょう。

宗教・宗派を案内状に明記する

日本では、現代でも葬送の主流は仏式で、それに次ぐのが神式とキリスト教式の葬儀です。また、キリスト教では、カトリックとプロテスタントでは形式が違っています。お別れ会は献花のみの無宗教で、という場合も少なくありません。

葬儀に案内する主催者は、参列いただく方々に、死亡通知で形式について相手に知らせておく必要があります。「仏式にて」「キリスト教式にて」などと書き添えておくのがマナーだと心得ておきましょう。

死亡通知の書き方

つづいては、死亡通知の基本構成と書き方についてご紹介します。通知状は、以下の図に示した9つの項目を理解しておくと、スムーズに作成することができます。形式に従って書きましょう。

死亡通知の書き方

弔事に関する手紙は縦書きが基本です。親しい間柄の人に宛てる場合でも、カジュアルな印象を与える横書きは不適切です。間違えないよう注意しましょう。

  1. 故人との続柄:故人が父の場合「父」と書き、母の場合は「母」と記述します。
  2. 故人の氏名・年齢:故人の苗字・名前を書き、後ろに「儀」と書き添えます。年齢は漢数字を用いましょう。
  3. 死亡した理由:差し支えない程度に死因を書き添えます。
  4. 死亡日時:死亡時刻が定かではない場合は「未明」と記述します。
  5. 生前のご厚情に対する御礼:故人が生前にお世話になったことへのお礼ですが、誰に対してでも同様に感謝するのが礼儀です。
  6. 葬儀・告別式の日時・場所:通夜式・葬儀・告別式のそれぞれの日時と場所を明記します。
  7. 発信年月日:死亡通知状を発送した年月日を漢数字で書きましょう。
  8. 喪主名:喪主の氏名を書き、次の行末に「親戚一同」などと書き添えます。
  9. 宛名:不特定多数の場合は「各位」とします。

死亡通知の文例

文例1:葬儀前の死亡通知(葬儀の案内を知らせる)

父〇〇〇〇儀 四月十五日午後八時二十五分
八十三歳を一期に永眠いたしました
ここに生前のご厚情を深く感謝し 謹んでご通知申し上げます
追って通夜ならびに葬儀は仏式により左記のとおり相営みます
                 記
 日時  通夜 四月十九日(月)午後六時~
     葬儀 四月二十日(火)午前一〇時~十一時
 式場  〇〇ホール(〇〇県〇〇市〇〇町〇-〇-〇)
  平成〇〇年〇月〇日
                            喪主 〇〇〇〇
                            外  親戚一同

供花・供物を辞退する場合は、年月日の前に「なお まことに勝手ながら ご供花お供物の儀は固くご辞退申し上げます」「なお 勝手ながらご香典ご供花の儀は故人の遺志により拝辞させていただきます」などと書き加えましょう。

文例2:葬儀前の死亡通知(葬儀の案内を知らせる)

亡妻〇〇〇〇儀 かねて病気療養中のところ 薬石効なく三月十二日午前十一時二十五分 七十二歳で急逝いたしました
ここに生前のご厚誼に深謝し 謹んでお知らせ申し上げます
葬儀および告別式は仏式にて左記のとおり営みます
                 記
  葬儀  三月十五日(土)午後一時~二時
  告別式         午後二時~三時
  場所  〇〇寺(JR名古屋駅より徒歩十二分)

  平成〇〇年〇月〇日
                                   喪主 〇〇〇〇
                                   外  親戚一同

死因について公表したくないときは、明記する必要はありません。「薬石効なく」で十分です。知らせておきたいときは「心不全のため」「治療の甲斐なく」などと簡潔に書き添えましょう。

文例3:葬儀後の死亡通知(密葬の場合)

父〇〇〇〇儀 昨年夏以来胃がんのため入院加療中でございましたが 去る二月五日 薬石効なく八十歳をもって長逝いたしました
葬儀は二月九日 生前からの故人の遺志に従い近親者のみで執り行いました
〇〇様には 公私に渡りお世話になっておりましたのに ご連絡が遅れまして申し訳ございません ご無礼をお許しください
生前のご芳情に心より御礼申し上げます ありがとう存じました
まずは遅ればせながら謹んでご通知申し上げます
  平成〇〇年〇月〇日
                                   喪主 〇〇〇〇
                                   外  親戚一同

長生きだった場合は「九十八歳の天寿をまっとういたしました」「大往生を遂げました」などと書き添えるのもよいでしょう。

文例4:葬儀後の死亡通知(密葬の場合)

母〇〇〇〇儀 去る二月四日午後八時 七十八歳で永眠いたしました
葬儀は生前の故人の遺志により 二月七日 葬儀は身内のみにて相すませましたことを遅ればせながらご報告いたします
亡母が生前に賜りましたご厚情に深く感謝申し上げるとともに
右 謹んでご通知申し上げます
  平成〇〇年〇月〇日
                                   喪主 〇〇〇〇
                                   外  親戚一同

死を意味する言葉には「永眠」「長逝」「永逝」「他界」「死去」などがありますが、「逝去」は相手の死を敬って用いる言葉のため、身内の死には使いません。やわらかい表現としては「眠るように息をひきとりました」「家族に見守られて安らかに旅立ちました」などと書き添えることもできます。

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