縁談・お見合いを断る手紙の書き方|文例つき

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縁談・お見合いを断る手紙の書き方|文例つき

友達の紹介や合コンとは違い、縁談やお見合いは「世話人」と呼ばれる仲介してくれた人がいます。そのため、縁談の断りを入れる手紙では、相手に失礼のないよう配慮することが大切です。

ここでは、縁談・お見合いを断る手紙の書き方やマナーについてお伝えします。文例もご紹介するので、手紙を書くときの参考にしてくださいね。

縁談・お見合いを断る手紙のマナー

まずは、縁談やお見合いを断る手紙を書くときのマナーや注意点についてお伝えします。

世話人には早めに連絡する

縁談を断る決断が固まったら、なるべく早く世話人に知らせます。まずは電話を入れ、本人もしくは親が世話人宅へ出向いて直接お話するのがマナー。いきなり断りの手紙を送りつけるのは失礼なので注意しましょう。

相手側も早く返事が欲しいと思っているかもしれません。断りにくさから、返事を先延ばししないよう気をつけるとともに、曖昧な返答にならないよう丁重かとしっかりと伝えましょう。

縁談を断る理由では、相手への気配りを

世話人から縁談の書類が届いたら、遅くても1週間以内に返事を出すのが礼儀です。自分の希望や条件に合わない場合、縁談を断りたくても、その理由をどう伝えるべきか、迷う人は少なくありません。ストレートに、欠点や容姿を理由として伝えるのは、相手を傷つけてしまうため失礼です。縁談を断るタイミング別の理由をご紹介するので、参考にしてくださいね。

お見合い前に断る場合

縁談の依頼をしていないのに自分の知らないところで勝手に話が進み、親が相手の縁談資料を受け取っていた場合は、「社会人として未熟のため、しばらくは仕事に専念したい」「私には必要のないお話ですので、書類はお返しいたします」などと、自分の都合で断らざるを得ないと表現するのがマナーです。

縁談の書類を見て、相手が自分の希望する条件に合わない場合は、正直にその理由を世話人に伝えましょう。相手に失礼になると思うかもしれませんが、世話人にあなたの求める条件を知ってもらうために必要なことです。

ただし、相手の容姿や欠点を非難するような断り方はマナー違反です。縁談の機会を提供してくれた相手の好意に対するお礼を述べ、期待に応えられないお詫びの一文を書き添えましょう。

お見合い後に断る場合

お見合いの相手と実際に会って話をしたものの、会話が盛り上がらないことや、将来の意向の違いから、縁談を断りたいと感じることがあります。その場合は、相手に直接伝えるのではなく、世話人を通じてお断りします。

断る理由では、相手の駄目な部分を伝えるのは控え、自分とは価値観や意向が合わないことを柔らかい表現で伝えましょう。「折角ご紹介いただきましたが、私とは価値観が相違しているため、今回はお断りさせていただきます」などと丁寧な文章にまとめることが大切です。

縁談・お見合いを断る手紙の書き方

つづいては、縁談やお見合いを断る手紙の基本構成と書き方についてご紹介します。断り状は、以下の図に示した「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つの項目に分かれます。形式に従って書きましょう。

縁談・お見合いを断る手紙の書き方

  • 前文:前文では「頭語(拝啓など)」「時候の挨拶」「相手の安否を気遣う挨拶」の順番に形式に従って書き添えます。
  • 主文:「縁談の話を受けての心情」「断りの通知とその理由」「今後の交誼を願う表現」を明記します。
  • 末文:末文は「結びの挨拶」で文章を締めくくり、改行して行末に「結語(敬具など)」を書きます。結語の書き忘れに注意しましょう。
  • 後付け:「日付」「差出人」「宛名」の順に書きます。日付は、文頭から2字下げて、和暦で発送年月日を明記しましょう。宛名の後に敬称(様)も忘れず書きます。

縁談・お見合いを断る手紙の文例

お見合いをする前に断る場合(親から)

拝啓 朝晩は肌寒さを感じるころとなりました。お元気でお過ごしのこととお喜び申し上げます。
 さて、このたびは長男〇〇に結構なご縁談のお話をいただきありがとうございました。しかしながら、縁談の話を息子にしたところ、まだまったく結婚する気持ちがないとのことでした。とても息子には勿体ないようなよいお話で、親としてはぜひ進めていきたいところではございますが、息子がこのような状態でお話を進めていただいては、お相手のお嬢様に失礼かと存じます。
 どうぞご理解を賜り、先様にはよろしくお取り計らいくださいますようお願い申し上げます。
 まずは取り急ぎ、お詫びかたがたお返事まで。
                                        敬具

親から縁談を断る手紙を出す場合は、ただ断るのではなく、自分を選んでくれた方々の労をねぎらう言葉を添えると、丁寧な印象の手紙になります。文例中の下線部は「まだ息子は社会に出て間もなく、とても家庭を守っていくことはできないかと存じます」などと書き換えても良いでしょう。

お見合いをする前に断る場合(本人から)

拝啓 緑のまぶしい季節、〇〇様にはお変わりなくお過ごしのことと拝察いたします。
 このたびは、縁談のお話をいただき、誠にありがとうございました。このような素晴らしいお話をいただき、大変感謝いたしております。 しかしながら、私はまだ社会人として未熟のため、しばらくは仕事に専念したいと考えております。
 先様は、真面目で素敵な方であるとのこと、大変ありがたいお話ですが、今回のお見合いは遠慮させていただきたく存じます。
 私の非礼をお許しいただき、ご理解いただきますようお願い申し上げます。
 まずはお詫びかたがたご返事申し上げます。
                                        敬具

本人から断りの手紙を書くときは、自分の力不足のせいで受けることができない、といった内容にするのが無難です。その場合、相手の印象について、非難するような表現は控えるのがマナーです。

お見合い後に断る場合

拝啓 葉桜の季節となりましたが、〇〇様にはお元気でご活躍のことと存じます。
 このたびは、結構なご縁談のお話をいただき、誠にありがとうございます。しかしながら、今回のお話は遠慮させていただきたく存じます。
 ご紹介いただいた〇〇様は、大変ご立派で誠実な方だとお見受けいたしましたが、会話のなかで、結婚後の意向や価値観に相違点がございました。
 私のわがままで心苦しいかぎりですが、何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。
 どうぞご理解いただき、先様にはよろしくお取り計らいくださいますようお願い申し上げます。
 まずは書中にてお詫びかたがたご返事申し上げます。
                                        敬具

相手の欠点を理由に断るのはNGです。世話人に「紹介してくれた人は最悪でした」と伝えるようなもの。性格の不一致や、考え方の違いをやわらかい表現で伝えることを心がけましょう。

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