結婚は、人生において大切な慶事のひとつ。結婚式や披露宴に招待されたら、ふたりでともに人生を歩んでいく喜びを祝福したいものです。
ただ、結婚式の招待状には、返信はがきで出席の返事を出したものの、急な仕事の予定や、弔事・忌中などの不祝儀、体調不良や病気などで欠席しなくてはならない事態になることもあります。そんなときは、新郎新婦に迷惑をかけてしまうことへのお詫びを伝えることが基本です。
ここでは、結婚式・披露宴を欠席するときのお詫び状の書き方や、最低限守りたいマナーについてお伝えします。文例もご紹介するので、お詫びの手紙を書くときの参考にしてくださいね。
目次
結婚式・披露宴を欠席するときのお詫び状のマナー
まずは、結婚式欠席のお詫び状を書くときに押さえておきたいマナーや注意事項をお伝えします。
できるだけ早く欠席の連絡をする
どうしても外せない予定が入ってしまい、結婚式に欠席しなくてはならないことがわかったときは、すぐに相手に連絡をするのがマナーです。伝えにくいことではありますが、結婚式の準備を進める新郎新婦や、披露宴をおこなう会場にも迷惑がかかることなので、早い段階で連絡しましょう。
直接会って、お詫びとともに欠席の旨を伝えるのが理想ですが、遠方に住んでいたり、なかなか会う機会を作れない場合は電話で伝えましょう。言いにくくても、メールで欠席を伝えるのは失礼になってしまうので注意しましょう。
式の前日までに欠席が分かっている場合
結婚式の招待状で出席の返事を出したものの、やむを得ない事情により欠席しなければならないときは、欠席が判明した段階ですぐに先方へ連絡しましょう。
欠席するとなれば、式場で出される料理の数や引き出物のキャンセルをしてもらったり、席次表の変更が発生したりと、新郎新婦に迷惑をかけてしまいます。言いにくさから式の直前まで伝えないままにしておくと、キャンセル料が発生して費用面でも負担をかけてしまうので気をつけないといけません。
お詫び状は、電話で伝えた後すぐに送ります。厳粛なお祝いごとなので、略式で済ますのは失礼です。必ず電話で伝えた後に書状も送りましょう。お詫びの気持ちをしっかり伝えるためにも、大切なことです。
結婚式当日に欠席することになった場合
結婚式当日に事故やトラブルに巻き込まれたり、体調を崩して出席できなくなる場合もあるでしょう。その場合は、結婚式をおこなう会場に直接電話連絡を入れるのがマナーです。新郎新婦は式の準備で忙しくしているため、連絡は控えるべきです。
また、式に出席するほかの友人に伝言を依頼するのもマナー違反。挙式当日に欠席が判明したときは、自分で直接会場へ電話することを心得ておきましょう。この場合もお詫び状はできる限り早めに送ります。
欠席理由の伝え方
結婚式の出席を断るのはお祝いごとに水を差すことになってしまうため、一般的にはストレートに欠席理由を伝えてはいけないとされています。そのため、体調不良・病気や経済的な事情で欠席する場合や、身内の不幸などの忌み事があったときは、「やむを得ない事情により」「残念ながら所用がありまして」「一身上の都合により」などと言葉を濁して書くのが礼儀です。
ただし、出産・妊娠などのおめでたい場合や、仕事の都合で欠席する場合は、そのまま新郎新婦に伝えても構わない正当な理由とされています。いずれにしても、相手に迷惑をかけてしまうことなので、誠意を込めてお詫びの言葉を伝えましょう。
結婚式・披露宴を欠席するときのお詫び状の書き方
つづいては、結婚式・披露宴を欠席するときのお詫び状の基本構成と書き方についてご紹介します。詫び状は、以下の図に示した「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つの項目に分かれます。形式に従って書きましょう。
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結婚式・披露宴を欠席するときのお詫び状の文例
結婚式前に送る場合
拝啓 新緑の候、ご尊家ご一同様にはますますご壮健のこととお喜び申し上げます。 過日は、ご息女〇〇様の華燭の典にご招待賜り、誠にありがとうございました。心よりお祝い申し上げます。 さて、おふたりのめでたいご婚礼に際しまして、ぜひとも御祝いに伺いたいと存じておりましたが、やむを得ない事情により、出席できなくなってしまいました。〇〇様の晴れ姿を楽しみにしておりましたが、お伺いできなくなり誠に申し訳ございません。 失礼は重々承知いたしておりますが、どうか事情をご賢察の上、ご容赦くださいますようお願い申し上げます。 末筆ながら、挙式のご盛会とおふたりのご多幸を心よりお祈り申し上げます。 敬具 |
文例中の「華燭の典(かしょくのてん)」とは、華やかな結婚式を祝っていう美称です。結婚式前に欠席のお詫び状を送る場合は、まずは、人生の節目となる新たな門出の場に招待していただいたことへの感謝の気持ちを述べ、その後は、欠席の通知と理由を伝えます。参加できず、残念に思う気持ちが相手にしっかり伝わるよう、丁寧に書き添えましょう。
結婚式後に送る場合
前略 ご招待いただいた結婚披露宴に欠席してしまい、誠に申し訳ございませんでした。 わたしから出席のお返事をしておきながら、当日はやむを得ない事情により出席がかなわなくなりましたこと、深くお詫び申し上げます。 おふたりの幸せなお姿を拝見できますことを楽しみにしておりましたのに、参列できず断腸の思いでございます。 このたびのことでは、〇〇様に大変ご迷惑をおかけしてしまいましたが、ご寛容賜りますようお願い申し上げます。非礼は承知いたしておりますが、どうか事情をご理解いただき、お許しくださいませ。 後日改めてお祝いに伺い、幸福に満ちたおふたりのお顔を拝見できれば幸甚でございます。 略儀ながら、おふたりの末永い幸せをお祈り申し上げ、まずは書中にてお詫び申し上げます。 草々 |
結婚式当日の欠席は、相手に心配をかけるだけでなく、迷惑もかけてしまいます。お祝いごとの際に伝えるべきではない理由で欠席するときは、上記の文例に明記した「やむを得ない事情により」といったような、具体的な内容は控えて、言葉を濁した表現で伝えましょう。後日、ひと段落着いた頃に改めて事情を説明するのがマナーです。