縁談は、依頼する側が考えている以上に、依頼された側の負担は大きなものです。
親しい間柄であっても、相手の気持ちを考慮し、丁寧な表現でお願いしましょう。
ここでは、縁談の依頼状の書き方やマナーについてお伝えします。縁談の依頼をするときの文例もご紹介します。
縁談の依頼状のマナー
まずは、縁談の依頼状を書くときのマナーや注意事項についてお伝えします。世話人に失礼のないよう、必ず読んでおいてくださいね。
卑下する表現はNG
縁談をお願いする際、これまでなぜ独身でいたかについて自分で説明するとき、「女性にあまりもてないようで」と伝えたり、娘のことを「これといった取り柄のない娘」と卑下したりする表現は好ましくありません。
「仕事一筋で」「転勤が多く落ち着かなかった」といった、仕事にからめた独身理由にしたほうが相手の印象がよくなります。
収入が低い、容姿が悪いといった情報を伝える場合は、隠すのではなく「高給取りとはいえませんが」「自慢できるような容姿ではありませんが」とやわらかい表現を用いることを心がけましょう。
丁寧な表現を用いる
縁談の依頼は、相手の負担が大きいことを理解しておく必要があります。
また、縁談を希望する本人の人柄や経歴についても簡潔に述べ、誠実さを伝えることが大切です。縁談相手に求める条件ばかりが目立った文章では、依頼する方に失礼な印象を与えてしまいます。快く引き受けてもらえるよう、相手に配慮することを心がけましょう。
縁談の依頼状の書き方
つづいては、縁談の依頼状を書くときの基本構成と書き方についてご紹介します。依頼状は、以下の図に示した「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つの項目に分かれます。形式に従って書きましょう。
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縁談の依頼状の文例
息子の縁談の依頼(学生時代の先輩へ)
拝啓 桜の花びらが風に舞う頃となりました。◯◯様におかれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。 本日は、長男◯◯のことで折り入ってのお願いがございます。◯◯は、サンプル大学を卒業後、株式会社山田に入社し、来年で三十歳になります。これまで仕事一筋でまいりましたが、ようやく仕事も落ち着き、結婚を考えるゆとりが出てきたようです。しかし、なにぶん男性ばかりの職場で、よいお相手に巡り合う機会がございません。 そこで、交友関係の広い◯◯様に、どなたかよいお相手をご紹介いただけないかと思い、お願いする次第でございます。 後日あらためて、履歴書と写真を持参してお願いにあがりたいと存じますが、まずは書中にてお願い申し上げます。 敬具 |
子どもの縁談をお願いする際は、出身大学や勤め先などの簡単なプロフィールを書き添えておくのが基本です。独身理由については、ネガティブな表現を用いるのは避けましょう。
娘の縁談の依頼(友人へ)
ご無沙汰しております。お元気ですか。 実は、娘のことで相談があります。長女◯◯は病院の看護師として働き始めて八年目になります。仕事は順調なのですが、男性と知り合う機会がなく、このままでは結婚できないのではと心配しています。営業の第一線で仕事をしている◯◯さんに、どなたかよい方をご紹介してもらえないかとお手紙を書いた次第です。 後日あらためてお電話するので、ご検討いただけませんでしょうか。 お願いします。 |
親しい友人に依頼するときでも、礼儀正しく書くのがマナー。ですが、堅苦しい表現は用いず、自然な印象の文面にすることを心がけましょう。
本人からの縁談の依頼(先輩へ)
拝啓 立夏の候、◯◯様にはお元気でお過ごしのことと存じます。 本日は厚かましいお願いがあり、お手紙を差し上げる次第です。 私は仕事柄、なかなか女性と知り合う機会に恵まれず、気がつけば今年で三十歳を迎えてしまいました。これまでは仕事一筋であまり結婚に関心がありませんでしたが、仕事も落ち着き、家庭を持つゆとりも出てまいりましたので、ようやく身を固める気持ちになりました。 そこで、人望が厚く、若い人たちに慕われている◯◯様に、どなたか素敵な方をご紹介いただけないかと思い、お願いする次第です。 ご多忙のところ恐縮ではございますが、ご高配を賜りますよう、お願い申し上げます。 後日、お願いに伺いたいと存じますが、まずは書面にてお願い申し上げます。 敬具 |
縁談の依頼を快く引き受けてもらうには、独身理由をしっかり書き添えることが大切です。また、「交友範囲が広い」など、なぜ相手に縁談をお願いするのかを伝える言葉を書き添えると、お願いしたい気持ちがより伝わります。