開店祝い・開業祝いのお礼状の書き方|文例つき

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開店祝い・開業祝いのお礼状の書き方|文例つき

開店・開業のお祝いをいただいた方には、贈り物のお礼だけでなく、日頃の感謝の気持ちも忘れずに伝えることが大切です。また、今後の抱負や理想のイメージなども添えて、礼儀正しく明るい文面にまとめましょう。

ここでは、開店祝い・開業祝いのお礼状の書き方やマナーについてお伝えします。取引先関係者や元上司、友人にお礼の手紙を書くときの文例もご紹介するので、参考にしてくださいね。

開店祝い・開業祝いのお礼状のマナー

まずは、開店祝いや開業祝いのお礼状を書くときのマナーや注意事項についてお伝えします。

宣伝めいた表現はNG

開店・開業にあたっては、どの方面にもできるだけ宣伝したいところですが、お礼状を送る主旨は開店通知ではなく、あくまでもお祝いに対するお礼です。

お礼状に宣伝の要素を盛り込むと、本来の書状の目的から外れてしまい、品がなくなってしまうため、控えましょう。手紙を受け取った相手が、宣伝だと感じる表現は入れないように注意してくださいね。

今後の抱負・決意を述べる

お礼状は、「お祝いに対するお礼」と「今後のお引き立てや指導」「見守りのお願い」を中心に文章をまとめます。これらは定型句でまとめても差し支えありません。

しかし、「当面の抱負・決意の言葉」は、自分らしいオリジナルな印象で書き添えることが大切です。これから先、店舗や事務所をどのように繁盛させたいか、どんなお店作りを目指すのか、あなたの志や、率直な気持ちを表すことを心がけましょう。

開店祝い・開業祝いのお礼状の書き方

つづいては、開店祝い(開業祝い)の お礼状の構成をお伝えします。お礼状は、以下の図に示した「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つの項目に分かれます。

開店祝い・開業祝いのお礼状の書き方

  • 前文:お礼状の前文は「頭語(拝啓)」「時候の挨拶」「相手の安否を気遣う挨拶」「自分の安否を伝える挨拶」の順番に形式に従って明記します。頭語のあとは一文字あけて時候の挨拶を書きます。
  • 主文:「開店・開業祝いへのお礼の言葉」「今後に向けての決意・抱負」「今後の支援・指導のお願い」を述べます。
  • 末文:末文は、文章を締めくくる際に用いる「結びの挨拶」「結語(敬具など)」の2点を書きましょう。結語は、結びの挨拶を書き記した後、改行して行末に明記します。書き忘れに注意しましょう。
  • 後付け:「日付」「差出人」「宛名」の順に書きます。日付は、文頭から2字下げて、和暦で発送年月日を明記しましょう。宛名には、敬称(様)も忘れず書きます。他の会社に所属している担当者や代表にお礼状を書くときは、相手の会社名・役職名(肩書き)を正式名称で明記しましょう。詳細は宛名の使い分け方をご覧ください。

開店祝いのお礼状の文例

取引先へ

謹啓 青葉の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。平素はひとかたならぬご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 このたびは◯◯◯◯(店舗名)の開店にあたり、ご丁寧なご祝辞とお祝いを頂戴しまして、誠にありがとうございました。おかげ様で開店のよき日を迎えられました(1)。これもひとえに、皆様の温かいご支援あればこそと深く感謝いたしております。
 お客様に末永く愛される店になりますよう(2)、スタッフ一同精励する決意です。
 どうぞ今後とも変わらぬお力添えを賜りますよう、お願い申し上げます。
 まずは略儀ながら、書中にて御礼を申し上げます。
                                        敬白

文例中の下線部(1)は、店舗の運営状況に応じて「予想を上回る好調なスタートとなりました」「開店以来、客入りも順調に推移しております」などと書き換えましょう。下線部(2)は、今後の抱負を述べる部分です。「地元の皆様に親しまれる店になりますよう」「地域一番店を目指して」など、経営者としての想いを伝えましょう。

友人へ

 このたびは、あたたかいお手紙とお祝いをどうもありがとう。
 いつも◯◯さんがアドバイスや励ましの言葉をかけてくれたおかげで、無事オープンできました。二人で立ち上げた、といっても過言ではありません。感謝しています。
 ささやかですが記念品を贈ります。これからもよきアドバイザーとして末永く見守っていてください。

親しい友人にお礼状を書くときは、前文を省略して、ストレートに感謝の気持ちを表現しましょう。

知人へ

拝啓 錦秋の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
 このたびは、レストランバー開店にあたり、お心のこもったお祝いを頂戴しまして、誠にありがとうございました。また、日頃より温かいご支援をいただき、重ねて感謝申し上げます。
 おかげ様で、無事スタートをきることができました。歩き出したばかりですが、いつかはこのお店があってよかったといってもらえるよう、一歩一歩着実に歩を進めてまいりたいと存じます。
 今後も変わらぬご指導、ご鞭撻のほどお願い申しあげます。
 なお、心ばかりの内祝いを同封いたしました。どうかお納めくださいませ。
 ◯◯様のご多幸を心よりお祈りし、まずはお礼まで。
                                        敬具

文例中の下線部の「きる」は、「切る」という忌み言葉を使用してはいけません。別の言葉に書き換えるときは「◯月◯日、開店のよき日を迎える」とします。

開業祝いのお礼状の文例

元上司へ

謹啓 麗春の候、◯◯部長にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 このたびは、事務所開設につきまして、ご丁寧なお祝い状と過分なるお祝いのしるしをお送りいただき、心より感謝しております。
 在職中に賜りました部長のご指導を糧とし、一人でも多くの方にご奉仕できるよう、鋭意努力してまいる所存です。今後とも変わらぬお力添えのほどお願い申し上げます。
 ささやかながら、内祝いの品をお贈りいたしましたので、ご笑納ください。
 略儀ながら、御礼かたがたご挨拶まで。
                                        敬具

起業する前の職場でお世話になった上司にお礼状を送るときは、礼儀正しい、丁寧な文面を心がけましょう。文例中の下線部は「ご教導を賜りますよう、何卒」と書き換えてもよいでしょう。

取引先へ

拝啓 陽春の候、帰社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご厚誼を賜り心より御礼申し上げます。
 さて、このたびは、私どもの事務所開設に対しまして、ご丁寧なご祝詞ならびにお祝いを賜り、心よりお礼申し上げます。おかげ様で、幸先のよい第一歩を踏み出すことができました。
 当方社員一同、新たな気持ちで精進を重ねて参る所存でございます。
 つきましては、皆様のご遠慮のないご指導ご鞭撻をお願いいたしますとともに、末永くお引き立てを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
 右、略儀ながら書中をもちまして、お礼かたがたお願い申し上げます。
                                        敬具

文例中の下線部は「過日は弊社の開業にあたり、ご丁重なお祝いを頂戴し、深くお礼申し上げます」と書き換えてもよいでしょう。

友人へ

 温かい春の日差しのなか、◯◯様にはお元気でご活躍の由、お喜び申し上げます。
 このたびは、私どもの事務所開設に際してご書状とお祝いの品をいただき、どうもありがとうございました。遠方にもかかわらず、ずっとお見守りくださっていることを実感して、感激で胸が熱くなりました。
 事務所開きをしたとは申しましても、規模はささやかですし、顧客の開拓なども、すべてこれからです。あせらず背伸びをせず、一歩ずつ進んでいこうと思っております。
 今後、折に触れて事務所の様子などのご報告をさせていただきますので、末永くお見守りください。
 とり急ぎ、お礼まで申し上げます。

親しい間柄の友人にお礼状を書く場合であっても、感謝の気持ちを強く伝えたいときは、礼儀正しく、丁寧な文章で表現するのもひとつです。

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