出産祝いをいただいたら、お返しとして贈る「内祝い」の品に、お礼状を添えて送るのがマナーです。
しかし、初めて出産する方にとっては、お礼状に何を書いたらよいかわからず悩むことも少なくありません。
ここでは、出産祝いのお礼状の書き方やマナーをお伝えします。友人や親戚、職場の上司や社長に手紙を書くときの例文もご紹介するので、文面を考えるときの参考にしてくださいね。
目次
出産祝いのお礼状のマナー
お礼状は、正式なマナーに沿って書くことが大切です。まずは、出産祝いのお礼状のマナーを理解しておきましょう。
出産祝いのお礼状を出す時期
出産祝いのお礼状は、出産祝いをいただいてから3日以内に出すとよいでしょう。とはいえ、出産後は赤ちゃんのお世話で忙しく、また体力が落ちていることも少なくないため、書き慣れない文章を書くのは負担になってしまうかもしれません。その場合は、まずは電話で直接、お祝いをいただいた方へお礼の気持ちを伝えましょう。メールで伝える方法もありますが、相手によっては失礼にあたる場合もあるので注意したいところ。また、お礼状をお送りするのとは別に、後日、出産祝いをいただいた方全員に「出産内祝い」を贈りましょう。
差出人の書き方に気をつけよう
出産祝いへのお礼状の場合、両親や親戚、仲人、家族ぐるみの付き合いのある人など、先方がこちら夫婦共通の知り合いであれば、差出人名は夫婦ふたりの名前を明記するのが一般的です。夫婦どちらか一方の知り合いの場合は、夫婦連名でもおかしくありませんが、該当するどちらか一人の名前にしたほうが自然でしょう。お礼状は、形式に従うとともに、些細なことでも丁寧に書くことが大切です。
子どもの自慢話はNG
生まれたばかりのわが子がいくら可愛くても、あまりにも可愛らしさを強調すると、不快感を覚える人もいるので注意しなくてはなりません。お礼状は、相手が気にかけてくれていたことに対してまず謝意を示しましょう。謙虚な姿勢でお礼を述べ、主文では、親になった感慨を述べたり、母子ともに順調に経過している様子や、赤ちゃんに命名後なら、漢字名に読み方を添えて伝えたりするなど、近況や心境を報告すると好感のもてる文面になります。相手との関係によっては形式的になりがちですが、日頃の感謝を伝えるよい機会ととらえ、真心や誠意を伝えましょう。
出産祝いのお礼状の基本構成と書き方
つづいては、出産祝いのお礼状の基本的な構成と、書くときのポイントについてお伝えします。以下の図に示した通り、出産祝いのお礼状は「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つの項目で構成されています。
お礼状は、縦書きが基本です。横書きはカジュアルな印象を与えるため、相手によって使い分けるとよいでしょう。それぞれの項目を書き上げるときのポイントをご説明します。
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出産祝いのお礼状の例文
友人へ
拝啓 紫陽花が鮮やかに咲き誇る季節となりました。 このたびは、私どもの長女の誕生に際しまして、お心のこもったお祝いをいただき、まことにありがとうございました。 おかげさまで母子ともに健康で、ミルクをよく飲みすくすくと育っております(1)。 誰にでも好かれる、笑顔の素敵な女の子になってほしいとの願いを込め、笑真(えま)と命名いたしました。 初めての子育てにとまどうことばかりでございますが、ふたりで親になれた喜び(2)をかみしめております。どうぞ今後ともご指導くださいますよう、心よりお願い申し上げます。 敬具 |
赤ちゃんの健康状態を具体的に伝えたいときは、文例中の下線部(1)を「一か月検診の際には、身長も体重も平均以上とのことで、順調に発育しております」と書きます。下線部(2)は「親子三人の幸せ」と書き換えてもよいでしょう。
知人へ
◯◯様 このたびは、長男・僚(りょう)の誕生に際しましてお祝いをお送りくださり、どうもありがとうございました。お心にとめていただき、うれしく存じております。お気持ちを無駄にしないように、大切に使わせていただきます。 出産直前には少々ご心配をおかけしましたが、無事に出産することができました。ご休心ください。 親になった喜びのなかにも、一つの命を授かったことへの責任を感じております。 後日、ささやかながら内祝いの品をお届けいたしますので、ご笑納ください。 ご主人様にもよろしくお伝えください。 |
お子さんの命名理由について述べる場合は、文例中の下線部を「健やかで素直な人間に育ってほしいと願い、〇〇と命名いたしました」と書き添えたり、母子の健康な様子を伝えたいときは「おかげ様で母子ともに元気で、周囲の者があきれるほどはつらつとしております」と書くのもよいでしょう。
仲人夫妻へ
拝啓 向暑の候、◯◯様ご夫妻におかれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。 さて、このたび長男将太(しょうた)の誕生にあたりましては、ごていねいなお祝いをいただきまして、誠にありがとうございます。 よく泣き、よく笑う、元気な男の子で、ぜひ近々、お顔をご覧頂きたく存じます。 ささやかな内祝いをお贈りさせていただきましたので、ご笑納くださいませ。ご家族皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。 敬具 |
下線部の、その他の書き換え表現は「しばらくしましたら、子どもと三人でごあいさつにお伺いしたいと存じます」と柔らかい印象になるような書き方もあります。
親戚・いとこへ
拝復 梅雨明けが待ち遠しいころとなりました。お二方にはお元気のご様子、何よりと存じます。 本日、長女の出産祝いのお品を拝受しました。本当にありがとうございました。いただいたベビー服はとても機能的で、一緒に選んでくださったというお二人のこまやかなお心づかいが感じられ、心から喜んでおります。同封写真をご覧ください。とてもよく似合っています。 ところで、長女は「夏帆(かほ)」と命名しました。優しい風をはらんで、幸せに航海していってほしいと願っております。夏帆は、昨日現在で三四〇〇グラムと、母子ともに順調に推移しておりますので、ご休心ください。 なお、私たちの喜びの気持ちをお伝えしたく存じ、内祝いとして心ばかりの品を別送させていただきます。お納めいただければ幸いに存じます。 まずはお礼まで申し上げます。 敬具 |
主文の文頭に、お礼の言葉と赤ちゃんの命名を伝えたいときは、文例中の下線部を「本日は長男・〇〇(漢字の読み方を添える)の出産に際してお心づくしのお祝いをいただき、心から感謝申し上げます」と書き換えてもよいでしょう。
上司・社長へ
拝啓 このたび私どもの長女・紗希(さき)の誕生に際しましては、早々にごていねいなご祝詞と過分なるお心遣いを賜り、誠にありがとうございました。 おかげ様で安産にて、母子ともに経過は順調です。まだまだ不慣れな親ではございますが、これからは二人協力して育児に励んでまいりたいと存じます。今後ともよろしくご指導くださいますよう、お願い申し上げます。 なお、心ばかりの内祝いのしるしをお送りいたしましたので、ご笑納いただければ幸いです。 末筆ながら、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。 敬具 |
文例中の下線部は「幸い産後の肥立ちもつつがなく、母子ともに元気に過ごしております」「幸い母乳の出もよく、おかげ様で順調に発育しています」などと書き換えてもよいでしょう。
同僚へ(1)
◯◯様、本日、ベビー食器のセットが届きました。とてもかわいい食器に、娘も興味津々の様子です。どうもありがとうございます。 菜の花の時期に生まれたので、菜月(なつき)と名づけましたが、体重もぐんぐん増え、まるまると太り、たまに男の子と間違われます。 仕事は相変わらず忙しいですか。休暇中はなにかとご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。 |
「これからお食い初めのお祝いもあり、とても助かります」「息子も喜んでたくさん食べてくれるでしょう」など、出産祝いの贈り物について、より具体的な感想を述べると、相手も贈ってよかったと感じます。
同僚へ(2)
先日は長男誕生のお祝いに、とてもかわいらしいベビー服を送ってくださり、ありがとうございました。お母様とお二人で、女の子らしい色合いの服を選んでくださったそうですね。早速使わせていただき、お出かけ用に大活躍しております。 初めての赤ちゃんは泣き声の大きなよく動く子で、主人も私もとまどうことばかりですが、振り回されながらも親になれた喜びをだんだんと実感する毎日です。 なお、心ばかりの内祝いをお送りいたしましたのでお納めください。産休がすむまでご面倒をおかけしますが、課の皆様にもくれぐれもよろしくお伝えください。 まずはお礼まで。 |
文例中の下線部は「親として一歩一歩成長していけたらと思っています」「親としての夫婦の絆も強まっているような気がいたします」と書き換えて使用してもよいでしょう。親になる責任感や、家族への思いなど、率直で誠実な気持ちを伝えることが大切です。
出産祝いのお礼状の例文(二人目以降)
めでたく二人目のお子さんが誕生したときに、出産祝いをいただいたら、お礼状を送るのはマナーです。二人目であっても三人目であっても、毎回配慮してくれる方に、お礼の気持ちを込めた例文をご紹介します。
友人へ
拝啓 菊薫るさわやかな季節となりました。 このたびは、私どもの次男の誕生に際しまして、お心のこもったお祝いをいただき、まことにありがとうございました。 おかげさまで母子ともに健康で、おかげ様で順調に発育しています。 健康で元気に育ってほしいとの願いを込め、健太(けんた)と命名いたしました。 ふたり目の子育てでも、相変わらずとまどうことばかりでございますが、家族が四人に増えた喜びをかみしめております。どうぞ今後ともご指導くださいますよう、心よりお願い申し上げます。 敬具 |
親戚・いとこへ
拝啓 新緑が鮮やかに照り映える季節となりました。お二方にはお元気のご様子、何よりと存じます。 本日、次女の出産祝いのお品を拝受しました。このたびもお心遣いいただき、本当にありがとうございました。いただいたベビー服はとても機能的で、一緒に選んでくださったというお二人のこまやかなお心づかいが感じられ、心から喜んでおります。同封写真をご覧ください。とてもよく似合っています。 ところで、次女は「彩(あや)」と命名しました。人生を美しく彩るような子に育ってほしいと願っております。 なお、私たちの喜びの気持ちをお伝えしたく存じ、内祝いとして心ばかりの品を別送させていただきます。お納めいただければ幸いに存じます。 まずはお礼まで申し上げます。 敬具 |
上司・社長へ
拝啓 このたび私どもの次男・直樹(なおき)の誕生に際しましては、早々にごていねいなご祝詞と過分なるお心遣いを賜り、誠にありがとうございました。 おかげ様で安産にて、母子ともに経過は順調です。ふたり目とはいえ、相変わらず不慣れな親ではございますが、これからも二人協力して育児に励んでまいりたいと存じます。今後ともよろしくご指導くださいますよう、お願い申し上げます。 なお、心ばかりの内祝いのしるしをお送りいたしましたので、ご笑納いただければ幸いです。 末筆ながら、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。 敬具 |