敬老の日は、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨とし、毎年9月の第3月曜日に国民の祝日として施行されています。
日本を今日に至るまで支えてくれた、人生の先輩である高齢者に敬意を表して、今後の健康とさらなる長寿を祈る大切な日です。
ここでは、敬老の日のお祝い状の書き方やマナーについてお伝えします。文例もご紹介するので、手紙を書くときの参考にしてくださいね。
目次
敬老の日のお祝い状のマナー
まずは、敬老の日のお祝い状を書くときのマナーや注意事項をご説明します。
敬老の日のお祝いは何歳から
敬老の日にお祝いする「老人」とは、何歳からを指すのでしょうか。
老人福祉法によって定められた老人の日(9月15日)に該当する老人は、65歳以上となっているため、高齢者についても同じ定義だとするのが有力な候補といわれています。ですが、「老人」に対する考え方は個人によって異なるので、「何歳以上」と明確に線引きするのが困難といえます。
65歳を過ぎていても、お年寄り扱いをされたくない方もいらっしゃることから、年齢で定義することよりも、長寿をお祝いする気持ちや、尊重する気持ちを表すことが大切といえそうです。
子どもの手紙を添えるとなお良し
お子さんがいる場合は、敬老の日のお祝い状にお孫さんからの手紙を添えると喜ばれます。幼稚園児や小学校低学年のお年なら一言メッセージでもかまいません。お孫さんの成長を楽しみにしている方はとても多いので、お祝いの言葉とともに、楽しく学校に通っている様子や習い事の状況を書いた手紙をプレゼントしましょう。
敬老の日のお祝い状のタブー
「高齢」「足腰も弱くなって」など、老いや衰えを連想させてしまう配慮のない表現は避けましょう。「敬老の日を記念して」と書くのも、年寄り扱いをされたと感じる人もいるので好ましくありません。「行動的で」「おしゃれで」のように若々しさをたたえる言葉があると喜ばれます。年齢を感じさせないよう言葉を選んで書くことを心がけましょう。
また敬老の日や還暦などの長寿のお祝い状では、相手を不快にさせる忌み言葉は使用してはなりません。例えば「苦しむ、病む、終わる、衰える、果てる、老いる」といった、死や病気・老いを連想させる言葉です。※詳しくは忌み言葉の一覧をご覧ください。せっかくの手紙が台無しにならないよう、言い回しや言葉の選び方には十分に注意しましょう。
お祝い状を送るタイミング
長寿のお祝いに家族みんなでお食事会をする場合は、その場で直接渡すと喜ばれます。敬老の日に別の予定が入っていたり、遠方に住んでいるため伺えないなどの事情がある場合は、敬老の日の当日に、先方の手元に手紙が到着するよう手配します。くれぐれも敬老の日より後に届いてしまわないよう注意しましょう。お祝い状は手紙を送る時期を逃さないことがマナーでもあります。
敬老の日のお祝い状の基本構成
つづいては、敬老の日のお祝い状の手紙の構成をお伝えします。お祝い状は、以下の図に示した「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つの項目に分かれます。
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敬老の日のお祝い状の文例
孫から祖父母へ(1)
おじいちゃん、おばあちゃん、敬老の日おめでとう。 いつも遊んでくれてありがとう。またいっしょにお出かけしようね。 今日は、大好きなおじいちゃんとおばあちゃんに、似顔絵のプレゼントをおくりました。楽しみにしていてね。 これからもずっとずっと元気でいてね。 |
お孫さんからの手紙は、先方に喜ばれます。また、似顔絵や手作りの品など、お孫さんの作品をプレゼントすると一生の宝物にしてくれるでしょう。
孫から祖父母へ(2)
おじいちゃん、おばあちゃん、いつもやさしくしてくれてありがとう。 おじいちゃんは色んなところにつれていってくれるし、おばあちゃんはおいしいおやつを作ってくれて、大好きです。 おじいちゃん、またいっしょに釣りにいこうね。おばあちゃん、またおいしいケーキをつくってね。 これからもずっとけんこうでいてください。 |
上記の例文は、小学生の低学年のお子さんをモデルにしています。文章に関しては、お子さんの感性に委ねましょう。ご両親が手伝ってしまうと、せっかくのお孫さんからの手紙が、両親の色に染まってしまいます。そして、おじいちゃん・おばあちゃんはそれに気づいてしまいます。
お子さんに、日頃の感謝の気持ちを相手に伝える経験を積ませるためにも、本人の気持ちをストレートに表現させて書いてもらうことが大切です。
孫から祖父母へ(3)
おじいちゃん、おばあちゃん、敬老の日ありがとう。 おじいちゃんもおばあちゃんも元気に過ごしていますか。 わたしはカゼもひかずに、毎日学校に通っています。毎日、お友達と遊んだり、いっしょに勉強したりして、楽しくしています。 また今年もお正月に会えるのを楽しみにしています。 いつまでも元気で健康なおじいちゃんとおばあちゃんでいてください。家族みんなで祈っています。 |
上記の例文は、小学生の中~高学年のお子さんをモデルにしています。お祝いの言葉のほか、元気に学校へ通う様子を伝えたり、クラブ活動や習い事の成果を書き添えるとよいでしょう。
遠隔地にいて、普段なかなか会えない場合は、帰省するお盆や正月などを楽しみにしている様子も伝えましょう。
義父・義母へ(1)
拝啓 空もようやく秋色を帯びてまいりましたが、皆さんお変わりなくお過ごしのことと存じます。こちらも皆、おかげ様で穏やかに暮らしております。 いつも〇〇(子ども)にお心遣いをいただいて本当にありがとうございます。子どもたちも会いたがっており、お正月の帰省を待ちきれない様子で、今から楽しみにしています。 ささやかではありますが、日ごろの感謝の気持ちを込めて、お祝いの品を同封しました。喜んでいただければ幸いです。 おふたりのますますのご健康とご多幸を家族一同、お祈りしています。 敬具 |
義親に敬老の日のお祝い状を書くときは、頭語(拝啓)から書き始めるのが一般的です。主文ではあまり堅苦しい表現は用いず、子どもの学校生活の様子や義親に会いたがっている様子を伝えると喜ばれます。
義父・義母へ(2)
お父様、お母様、その後、お変わりありませんか。私たちはみな元気で、〇〇(息子)も部活動の全国大会出場を目指してがんばっています。日頃はなにかとお心遣いいただき、本当に感謝しています。 お二人のますますのご健康と長寿を願って、心ばかりの品をお贈りいたしました。 素敵にお年を歩まれているお二人の姿は、私たち夫婦の目標です。お体にはくれぐれもお気をつけて。末永い幸せをお祈りしています。 かしこ |
女性が手紙を出すときは頭語を省略して、結語に「かしこ」と明記する書き方もあります。子どもがクラブ活動でレギュラーを獲得した話や、ピアノの発表会に出ることなど、お孫さんの話題を書き添えるとよいでしょう。相手の健康を気遣う言葉やお祝いの言葉も忘れず書き記しましょう。