成人式のお祝い状は、無事に成人を迎えたこれまでの成長を喜び、激励や期待の気持ちを伝えるもの。
一般的に、よく知っている間柄で行われるものなので、率直に喜びの気持ちを伝え、自然な印象で文章をまとめることが大切です。
ここでは成人式のお祝い状の書き方をお伝えします。成人の日を迎える本人や、ご両親に手紙を書くときの文例もご紹介するので、参考にしてくださいね。
成人式のお祝い状を書くときのマナー
まずは成人式のお祝い状を書くときのマナーや注意点について解説します。
成人祝いの手紙を送る時期
成人式のお祝いの手紙は、一般的に成人式の当日までに届けるのが一般的です。遠くに住んでいる場合など、直接渡せない事情があるときは、早めに郵送手続きを行いましょう。1月はじめのお正月以降であれば、相手に届いてもかまいません。成人の日を過ぎてから送るとマナー違反と捉えられることもあるため、注意しましょう。
成人祝いの手紙の書き出し
成人祝いの手紙を甥や姪、孫などの本人に書くときは、格式ばった堅苦しい表現は用いず、前文を省略して、「成人の日、おめでとう」といったお祝いの言葉から書き始めます。本文では、幼いころの思い出を振り返ったエピソードを文面に盛り込むとよいでしょう。
成人式のお祝い状の基本構成
つづいては、成人祝いの書式の構成についてお伝えします。以下の図をご覧ください。
図に示した6つの項目の詳細を以下に記載します。
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成人式のお祝い状の文例
成人祝いの手紙を書くときは、慣例的な表現や決まり文句ばかりにとらわれることなく、幼い頃のエピソードを盛り込んだり、新成人へのアドバイスを自分の言葉で伝えることが大切です。手紙を送る相手別の文例をご紹介するので、書くときの参考にしてくださいね。
甥に送る場合
〇〇君 ご成人おめでとうございます。 よちよち歩きだった〇〇君も、早いものでもう立派な成人に成長したのですね。私たちも嬉しい気持ちでいっぱいです。あなたのご両親も、本当に喜んでいることでしょう。 これであなたも大人の仲間入りです。これからは大人として、社会に貢献できる能力と人格を身につけるよう努力して、自らの力で輝かしい未来を切り開いてくださいね。 ご成人のお祝いのしるしとして、ささやかですが心ばかりの品をお送りします。何かの足しにしてください。 ご両親にもよろしくお伝えください。 |
文例の下線部の箇所は「こちらでは、昨晩、あなたの小さい頃の思い出に話の花を咲かせていました」に書き換えて成長の喜びを伝えてもよいでしょう。
姪に送る場合
〇〇さん、いよいよ成人式ですね。おめでとう。 あなたにとってのこれまでの二十年は、きっと長かったと思いますが、私くらいの年齢の者からすると、本当にあっという間、というふうに感じます。それだけに、あなたの成長ぶりは、とても感動的です。まして、あなたをここまで育んでいらした両親の感慨は、さぞかしと思います。 もうじき就職活動が始まりますね。そのことも含め、自分がどのような人生を歩いていきたいかを考える、よい機会が訪れたと考えてください。〇〇さんの未来に期待しています(1)。 お祝いに、心ばかりの品を別送します。気に入ってもらえると嬉しいです。これからのあなたに幸多かれと祈ります。 |
文例の下線部(1)の書き換え表現は「あなたの年代で経験することに、何一つ無駄なことはありません。新しいことにも果敢に挑戦をして、自分磨きを大切にしてください」「あなたと杯を交わしながら、これまでとは一味違った話ができるものと期待しています」などがあります。相手との間柄や状況をふまえた文面を心がけましょう。
孫に送る場合
〇〇君、成人、おめでとう。 本当にたくましく成長してくれました。嬉しい限りです。爺さんも婆さんも、君からどれだけパワーをもらってきたことか。喜びのなかに、感謝の念も入り混じっています。 パワフルな君が、これからどのように自分自身の道を切り開いていくか、楽しみにしています。学生の身である今は、自分自身をしっかりと鍛え上げ、将来に備えてほしいと願っています。そんな君に対して手助けをするような力はありませんが、せめて、精一杯の応援をさせてもらいます。 君の成人を記念して、ささやかなお祝いを用意しました。婆さんとも相談したのですが、スーツの仕立て券にしました。同封します。 成人になった君の、一層の奮起を期待しています。両親に、よろしく伝えてください。恒例の、年末年始の来訪が、今から楽しみです。まずは、成人のお祝いまで。 |
成人式は、人生の通過点のひとつであり、一生に一度しかない晴れ舞台です。孫に手紙を書くときは、成人としての自覚を促すとともに、新たな門出を祝福する内容になるよう、温かみのある表現で書き添えましょう。
本人のご両親に送る場合
拝啓 初春の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のことと存じます。 このたび、ご令嬢〇〇様が成人の日を迎えられたとのこと、誠におめでとうございます。心からお喜び申し上げます。 〇〇様の立派に成長したお姿に、ご両親様もさぞかしご満悦のことと存じます。 〇〇様の成人を記念して、心ばかりのお祝いを同封いたしましたので、ご笑納ください。 略儀ながら、ご成人のお祝いを申し上げます。 |
改まった相手やご両親に送るときは、前文から書き始めます。頭語(拝啓)にはじまり、時候の挨拶(〇〇の候)、先方の安否を気遣う言葉を明記して、丁寧な文章で書き出しをまとめます。