出産祝いの手紙を書くときは、新しい生命の誕生をともに祝い、母子の健康を気遣う言葉や家族の喜びについてふれた一言を述べると喜ばれます。
ここでは、出産祝いの手紙の基本となる書き方や、心がけておきたいマナーについてご紹介します。最後に、出産祝いの手紙を書く相手別の文例もお伝えするので、手紙を書くときの参考にしてくださいね。
目次
出産祝いの手紙を書くときのマナー
まずは出産祝いの手紙を書くときのマナーや注意点についてお伝えします。お祝いの気持ちを相手に伝えるためにも、メッセージを書くうえでのポイントを理解しておきましょう。
1.出産祝いの手紙を送る時期
出産祝いの手紙を送る時期は、生後7日後~1ヶ月後が一般的とされています。生後7日後は命名書を飾ってお祝いする「お七夜」があり、生後1ヶ月後には神様に赤ちゃんの誕生を報告し、健康を祈願する「お宮参り」があります。基本的にはその間の期間を目安として手紙を送りますが、母子は退院しているか、健康状態は良好かなどのタイミングを計るようにしましょう。
2.性別の良し悪しへの言及はNG
「男の子でよかった」「女の子でよかった」「跡継ぎができてよかった」など、性別の良し悪しや、性別を差別するような表現は、たとえ先方が望む性別の赤ちゃんが生まれたとしても述べるべきではありません。出産を祝う書状では、祝意と、無事に出産できたことに対する労いの言葉を素直に伝え、母子の健康を気遣う思いやりのある手紙になるよう配慮します。
3.祝意とねぎらいの言葉を述べる
出産祝いの手紙は、尊い生命が誕生した喜びや安堵の気持ちを述べることが大切です。育児の大変さや、具体的な育児の方法についてなど、不安がらせるようなことや説教がましい内容を書くのは避けましょう。
出産祝いの手紙の基本構成と書き方
つづいては出産祝いの手紙を書くときの構成と書き方をご紹介します。書くときのポイントは以下の図に示した6点です。
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出産祝いの手紙の文例
出産祝いの手紙の文例をご紹介します。手紙を書く相手との間柄をふまえて、祝意と喜びの気持ちが伝わるよう、文章を書くときの参考にしてくださいね。
1.改まった相手(上司・先輩)
謹啓 早春の候、ご家族様にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 このたびは奥様がご長男を出産されたとのこと、謹んでお祝い申し上げます。お元気なご愛弟の誕生に、お姉様もさぞお喜びでしょう(1)。お二方ともにご健康で産後の経過も順調とのこと、何よりと安堵いたしております。 なお、別便にてささやかながらお祝いの品をお送りいたしました。お納めいただければ幸いです。気候不順の折、奥様にはくれぐれもご自愛くださいますようにとお伝えくださいませ。 謹言 |
あらたまった相手へのお祝いでも、時候の挨拶を省略して、お祝いの言葉から始めても構いません。ですがその場合でも頭語と結語は必要です。
上司の娘が出産の場合は、文例中の(1)を「このたびは、めでたくお嬢様が男児をご出産されたとのこと、謹んでお祝い申し上げます。待望の初孫のご誕生、ご感激もひとしおかと存じます」と書き換えてもよいでしょう。
2.改まった相手(上司・先輩)
拝啓 寒さが続いておりますが、相変わらずご健勝のことと存じます。 このたびはお二人目の赤ちゃんのご誕生、心よりお喜び申し上げます。男の子がお生まれになったとのこと、念願の一姫二太郎に〇〇課長の満悦至極のご様子が目に浮かんでまいります(1)。 気持ちばかりですが、課一同より、お祝いをお贈りいたします。お納めいただけましたら幸いです。奥様の早いお肥立ち(2)をお祈り申し上げるとともに、〇〇家の明るい未来とますますのご繁栄をお祈り申し上げます。 敬具 |
文例中の(1)は「ますます賑やかに楽しい毎日になると思います」、(2)は「ご回復」などの書き換え表現で伝えてもよいでしょう。
3.親しい相手(友人・知人)
このたびはご出産まことにおめでとうございます。 安産で、母子ともにお元気のご様子、安心いたしました。 愛らしい女の子ということで、ご主人やご両親もさぞかしお喜びでしょう。新しい家族を迎えて幸せいっぱいのことと思います。 ささやかながら、お祝いのしるしをお贈りいたしましたので、お納めいただければ幸いです。 落ち着きましたら、赤ちゃんのお顔を見に伺わせてください(1)。楽しみにしています。 産後のお体(2)、くれぐれも大切になさってください。まずは書中にてお祝いまで。 |
文例の(1)は「すぐにでも飛んで行ってかわいい赤ちゃんのお顔を拝見したいところですが、落ち着いたころにお伺いさせていただきます」、(2)は「大役を果たされたばかりですから」などと、母子の体調を気遣う配慮を伝えるのもよいでしょう。
4.親しい相手(友人・知人)
ご出産おめでとうございます。 初産で心配していましたが、赤ちゃんもあなたも元気で何よりです(1)。生まれるまでは何かと不安が多いと話していたので、健やかな赤ちゃんの顔を見た瞬間はたとえようもない喜びと安心に包まれたことと思います。本当にお疲れ様。 産後の肥立ちが大切です。決して無理をせず、ご主人に甘えてゆっくり身体をいたわってくださいね。 |
上記は初産の文例をご紹介していますが、早産の場合は(1)を「予定日より1ヶ月も早かったと聞いて驚きましたが、母子ともに健康とのこと何よりです」「うちも1人目が早産でしたが、すくすくと健康に育っています」と書き換えて使用しましょう。
5.親しい相手(友人・知人)
赤ちゃん誕生おめでとう!無事、女の子が生まれたとの知らせを受け、部内は歓喜に満ち溢れています。しばらくは育児で大変かと思いますが、落ち着いたら会社に赤ちゃんの顔を見せに来てくださいね。ご対面が待ち遠しいです。復帰もみんなで待っています。 まずはゆっくり休んで体をいたわって(1)ください。ささやかですが、部一同よりお祝いをお贈りします。ご主人にもよろしくお伝えください。 |
文例の(1)は「昔から産後の肥立ちは大切というので、十分体を休めて」と伝えてもよいでしょう。職場の仲間からの祝福の言葉では、安心感を与えることが大切です。
6.親しい相手(友人・知人)
〇〇様 女の子ご誕生、おめでとう。母子ともに健康とのこと、何よりです。ご主人やご家族の皆様も、さぞお喜びのことでしょう。 一時は「なかなかできなくて」と悩んでいらっしゃったけれど、本当によかったです(1)。私も、心から嬉しいです。ぜひ、皆様の喜びの輪に加えてくださいね。 きっと準備万端でこの日を迎えたのでしょうけれど、昔から言われている通り、産後の肥立ちは大切です。何ごとにも頑張ってしまう〇〇さんだけれど、ご主人やご家族に甘えられるところは甘えて、着実に育児をスタートさせてください。 母子ともに落ち着かれたころを見計らって、赤ちゃんのお顔を拝見しに伺います(2)。 お祝いの気持ちを込めて、心ばかりの品を送らせていただきますので、ご笑納ください。ご主人にもよろしくお伝えください。本当におめでとう。 かしこ |
文例の(1)は「予定日が近づくにつれて不安が募っていったようでしたが、順調なご出産だったとお聞きし、胸を撫でおろしました」、(2)は「頑張りすぎると、どこかに無理が生じがちです。心身と相談しながら、ゆったりと育児に取り組んでくださいね」と書き換えてもよいでしょう。