独立開業・会社設立の挨拶状の書き方|文例つき

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独立開業・会社設立の挨拶状の書き方|文例つき

独立開業・会社設立の挨拶状では、会社名や新事務所の住所を正確に明記し、日頃の感謝の気持ちとこれからも変わらぬ厚誼をお願いする言葉を添えることが大切です。文章は簡潔にわかりやすくまとめます。

ここでは、独立開業・会社設立の挨拶状の書き方や、心がけておきたいマナーをお伝えします。挨拶状の文例もご紹介するので、手紙を書くときの参考にしてくださいね。

独立開業・会社設立の挨拶状のマナー

まずは、独立開業・会社設立の挨拶状を書くときに心がけておきたいマナーや、押さえておくべきポイント、注意事項について理解しておきましょう。

開業の挨拶状を送るタイミング

挨拶状は、独立や会社設立をおこなう1ヶ月前には相手に届くよう発送するのが基本です。独立や開業の準備は、しっかり計画を立てていたとしても予期せぬ出来事が起こりがち。挨拶状は起業を知らせるだけでなく、相手との交流をスムーズにする潤滑油でもあります。なるべく事前に準備し、礼儀を欠かさないようにしましょう。

別記に箇条書きで明記する

独立開業や会社設立の挨拶状は、手紙を受け取った相手に情報をわかりやすく明記することが大切です。開業に関する情報の通知を兼ねる場合は、本文に書きこんでしまうと読みづらくなってしまうため、別記にまとめて箇条書きにしましょう。記載項目は、新会社や事業所名、屋号、所在地(住所)、電話番号、FAX番号、メールアドレス、HPアドレス、役員一覧などがあります。

通知・報告の手紙の目的は、情報伝達や相手との情報の共有です。郵便番号や住所を間違えるなど、うっかりミスがないよう注意しましょう。

独立開業・会社設立の挨拶状の書き方

つづいては、独立開業・会社設立の挨拶状の基本構成についてご紹介します。挨拶状は書式に則って明記するのがマナー。構成要素とポイントは図の下に記載しておきます。

独立開業・会社設立の挨拶状の書き方

  1. 前文:挨拶状の前文は「頭語(拝啓や謹啓)」「時候の挨拶」「相手の安否を気遣う挨拶」の順番に形式に従って書き出します。
  2. 主文:「独立開業・会社設立の通知」「前職を退職した経緯」「日頃の感謝の言葉」「今後も変わらぬ厚誼を願う言葉」「今後の抱負」などを書き添えます。
  3. 末文:末文は「結びの挨拶」で文章を締めくくり、改行して行末に「結語(敬具・敬白など)」を書きます。結語の書き忘れに注意しましょう。
  4. 日付:日付の数字は、縦書きの場合は漢数字、横書きの場合は算用数字を用います。発送年月日を明記しますが、「吉日」としても構いません。
  5. 署名:差出人の名前を明記します。会社設立の通知の場合は、新会社名も明記します。
  6. 別記:別記には「新会社の名称」「住所」「電話番号」「ファックス番号」「メールアドレス」「ホームページのアドレス」など必要な情報を明記します。書き間違いには注意しましょう。

独立開業・会社設立の挨拶状の文例

さいごに、独立開業・会社設立の挨拶状の文例をご紹介します。文例のあとに記載しているポイントについても目を通しておいてくださいね。

事務所設立の文例

                 事務所設立のご挨拶
謹啓 向暑の候、ますますご隆盛の由、大慶に存じます。平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、このたび私どもは、かねてから準備を進めて参りました〇〇の事務所を開設いたしました。〇〇のエキスパート四名でスタートした、少数精鋭の事務所です。
 今後ともお引き立てを賜りますよう、伏してお願い申し上げます。
                                         謹白
平成〇〇年〇月〇日
                                   株式会社〇〇〇〇
                                  〇〇〇〇(代表者名)
                      記
     新事務所の名称 株式会社〇〇〇〇
     所在地     〒〇〇〇-〇〇〇〇〇
             東京都中央区見本橋〇-〇-〇
     電話番号    〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
     FAX番号    〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
                                         以上

独立開業の場合は、文例中の下線文の箇所を「〇月に〇〇社を退社し、新事務所を設立しました」「独立開業することにいたしました」と書き換えてもよいでしょう。独立開業にかける想いや目標のほか、開業までの道のりを「長年構想を温めておりました」「長年の夢が叶い」などと表現して書き添えると相手にも強い意志が伝わります。

独立開業の文例

拝啓 新緑の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
                                     さて、私儀、
〇月末をもちまして〇年にわたり勤務いたしました〇〇不動産株式会社を円満退職いたしました。在職中は格別のご厚誼を賜り、誠にありがとうございました。今後は、開業を目標に、不動産事務所を構える準備を進めて参ります。
 皆様には、これからもどうか変わらぬご教導を賜りますよう、伏してお願い申し上げます。
 開設の際にはあらためてご通知を差し上げますが、まずはこれまでの御礼を申し上げたく、略儀ながらご挨拶とさせていただきます。
                                         敬具

退職後、すぐ独立開業する場合は開業の通知と兼ねるのが一般的ですが、開業までしばらく間があるときは、一旦、退職の挨拶状を書いて区切りをつけたほうが丁寧です。

会社設立の文例

謹啓 秋晴の候、ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
 さて、かねてより準備を進めておりましたが、このたび下記のとおり株式会社〇〇〇〇を設立し、代表取締役に就任いたしました。
 これもひとえに皆様のご支援の賜物と心より感謝いたしております。皆様からのご期待に沿えるよう、より一層努力してまいる所存です。何卒倍旧のご指導・ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
 まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。
                                         敬白
平成〇〇年〇月吉日
                                 株式会社〇〇〇〇
                                 代表取締役 〇〇〇〇
                      記
     新事務所の名称 株式会社〇〇〇〇
     所在地     〒〇〇〇-〇〇〇〇〇
             東京都中央区見本橋〇-〇-〇
     電話番号    〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
     FAX番号    〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
                                         以上

会社設立の通知では、儀礼的な挨拶文を入れ、書式に則って丁寧な文体を心がけます。曖昧な表現は避け、簡潔にわかりやすくまとめましょう。文例中の下線部は「甚だ略儀ではございますが、書中をもちましてご挨拶とさせていただきます」と書き換えても構いません。

会社設立の文例

謹啓 時下ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。平素はひとかたならぬご交誼を賜り有難く厚く御礼申し上げます。
 さて、このたび、私ども有志により新会社を設立いたし、この〇月〇日より株式会社〇〇〇〇としてその事業を運営してまいります。
 今後皆様のご期待に沿いますよう、社員一同業務の充実・発展に努めてまいる所存でございますので、何卒格別のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。
                                         謹言
平成〇〇年〇月吉日
                                 株式会社〇〇〇〇
                                 代表取締役 〇〇〇〇
                      記
     新事務所の名称 株式会社〇〇〇〇
     所在地     〒〇〇〇-〇〇〇〇〇
             東京都中央区見本橋〇-〇-〇
     電話番号    〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
     FAX番号    〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
                                         以上

儀礼文書では、時候の挨拶や日頃の感謝等の前文、今後の親交を願う末文など、挨拶文の基本をきちんと踏まえた文面にします。また、情報を把握しやすくするため、新会社の住所や連絡先は別記にまとめて箇条書きで記載しましょう。

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