「次第です」の意味・使い方・メール例文集|「所存です」との違い・使い分け方

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「次第です」の意味・使い方・メール例文集|「所存です」との違い・使い分け方

相手に丁寧な伝え方をするとき、「ご連絡差し上げた次第です」「~と思った次第です」などと「次第です」をつけて表現することがあります。ビジネスシーンではよく耳にしますが、意味や正しい使い方を理解して使用できていない人も少なくありません。

「次第です」はかしこまった場面や目上の人との会話に便利な言葉ですが、間違って使うと相手に違和感を与えます。

ここでは「次第です」の意味や使い方、言い換え表現について詳しく解説します。ビジネスメールの例文も紹介するので参考にしてくださいね。この機会に「次第です」の意味をきちんと押さえた上で、使い方をマスターしていきましょう。

「次第です」の意味と使い方

「次第です」は「しだいです」と読みます。「次第」の意味は2つあり、下記のとおりです。

  • (1)物事が行われるといの一定の順序
  • (2)今まで経過してきた状態。物事が現状に至った理由。事情。成り行き

「〇〇という次第です」の表現は、上記した(2)の意味で使われ、これまでの成り行きや経過を説明したあと、前の話を受けて使われます。

また、この「次第」の「第」には「順序」の意味があることから、式の進行の順番を決めた「式次第」という言葉として定着しました。

歓迎会や送別会といった催しや、贈呈式などの正式な式典で目にした機会もあるのではないでしょうか。

また、(1)の「物事が順に起こる」という意味が派生し、「次第に」「手当たり次第」「でき次第~する」といった使われ方をするようにもなりました。

【例文】

  • 弊社の試みの趣旨をご説明申し上げると共に、ご理解とご賛同を賜りたく、ご連絡を差し上げた次第です。
  • 今回改めて、原因を完全に取り除くことの困難さを知り、残念に思う次第です。
  • これまでのご厚意に、深く感謝する次第です。
  • 今後に向け、決意を新たにする次第です。

なお、「次第です」は目上の人に使える言葉です。反対に、部下や後輩など、目下の人にはあまり使いません。取引先との会話や目上の人に事情を説明するときに便利な言葉なので、使い方を覚えておきましょう。

「次第です」の類語・言い換え表現

「次第です」は「状況にあります」の言葉に言い換えることができます。

  • 現在調整を行っている次第です。→現在調整を行っている状況にあります。

また、成り行きや経過を説明し、それを受けて使われる「次第です」の表現の場合、クッション言葉ですので、省略することができます。

  • ご連絡を差し上げた次第です。→ご連絡を差し上げました。

「次第です」と「所存です」の違い・使い分け方

なお、事情や経緯を踏まえ、自身の気持ちを添えて表現する「次第です」に近しい表現として、「所存です」がありますが、「次第です」とは少し意味合いが異なります。

「所存です」は「~するつもりです」「~しようと思います」「~したいと思っています」という意味があります。

つまり、「次第です」が事情を説明・報告するのに対し、「所存です」は意気込みや意思表明といった未来のことを伝える言葉です。この二つの表現の使い分けに留意してくださいね。

  • 今後とも一層精進する所存です。
  • 誠心誠意努めて参る所存です。
  • 安全を第一に考え、本日の仕事に取り組む所存です。

「次第です」を使ったビジネスメール・文書の例文

さいごに、「次第です」を使った例文を紹介します。「所存です」との使い分けについても確認しておきましょう。

「次第です」を使ったビジネスメールの例文(1)

件名:インターンシップ参加のお礼

株式会社〇〇〇〇
人事総務部 採用課 〇〇 〇〇 様

お世話になっております。
〇月〇日開始のインターンシップに参加させて頂きました、
〇〇大学〇〇学部の△△(名前)と申します。

この度はお忙しい中、貴重なご機会を与えてくださり、
誠にありがとうございます。

改めてお礼を申し上げたくご連絡を差し上げた次第です。

インターンでは実際の業務の難しさに苦戦する毎日でしたが、
最後に成果が上がったときは、今までに感じたことのない
達成感を味わうことができ、貴重な経験となりました。

〇〇様におかれましては仕事の進め方だけではなく、
社会人の先輩としても親身になってアドバイスをしてくださり
大変感謝しております。

貴社でのインターンシップで培った経験や学びを糧に、
精一杯、就職活動に励んで参る所存です。

この度はご指導ご鞭撻いただき、ありがとうございました。
取り急ぎ、インターンシップのお礼を申し上げます。

====================
〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科3年
△△ △△(〇〇〇〇 〇〇〇〇※平仮名で読み仮名を書く)
E-mail :〇〇〇〇〇〇@〇〇.ne.jp
電話番号:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
携帯番号:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
====================

参考記事:インターンシップ参加後のお礼メールの例文集

「次第です」を使ったビジネスメールの例文(2)

件名:Re:商談のお礼

株式会社〇〇〇〇
総務部 〇〇 〇〇 様

お世話になっております。

昨日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき
ありがとうございました。

本来でしたら、お邪魔した私がお礼のご連絡を差し上げるべきところを、
〇〇様より頂戴し、誠に恐縮でございます。

打ち合わせの際、〇〇様の率直なご意見をお聞きすることができ、
大変勉強になりました。

また、ご質問頂いた〇〇の件ですが、確認でき次第、
改めてご報告申し上げます。

引き続きよろしくお願い申し上げます。

====================
署名
====================

参考記事:打ち合わせ・商談のお礼への返信メールの書き方(文例つき)

「次第です」を使ったビジネス文書の例文

謹啓 紅葉の候、貴社ますますご活躍のことと大慶に存じます。平素は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、おかげさまで弊社は平成〇〇年〇月〇日に創立〇周年を迎えることとなりました。これもひとえに皆様方のご支援の賜物と心より感謝申し上げます。
 これを機に、今一度創業精神に立ち返り、社業に邁進する所存でございます。今後とも、これまで同様のお引き立てを賜りますようお願い申し上げる次第です。
 つきましては心ばかりの粗品を別便にてお送りさせていただきました。何卒ご笑納くださいますようお願いいたします。
 略儀ながら書中をもちまして創立〇周年を迎えさせていただきますことのお礼とご挨拶を申し上げます。

謹白

平成〇〇年〇月吉日

株式会社〇〇〇〇
代表取締役 〇〇〇〇

参考記事:創立記念の挨拶状の書き方|文例つき

さいごに

ここでは「次第です」の意味や使い方、また、言い換え方についても解説しましたが、いかがでしょうか。

ビジネスシーンでは、相手との関係性や場所に応じて言葉を使い分けなくてはなりません。親しい間柄の上司や先輩への敬語は、少し砕けた話し方でもかまいませんが、フォーマルな場や目上の方との会話ではかしこまった表現を用いて礼儀正しい言い回しを心がけなくてはなりません。

その際、この「次第です」という表現は使い勝手の良い言葉なので、これを機にぜひ使いこなせるようになってくださいね。

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