「謹んで」の意味・使い方|「謹んでお悔やみ・哀悼の意を表します」の例文つき

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「謹んで」の意味・使い方|「謹んでお悔やみ・哀悼の意を表します」の例文つき

「謹んで」の意味や使い方はご存知ですか?

「謹んで」という言葉は、漢字の見た目からもどことなく固い印象がありますよね。実際にこの言葉が使われる場面も、年賀状やビジネス文書など、形式を重んじるようなシーンばかりです。

それだけに、誤った「謹んで」の使い方はできませんよね。「謹んで」は正しく使うことで文章を引き締めることができるので覚えておくとよいでしょう。

ここでは「謹んで」の正しい意味や使い方、そして文書や手紙など、具体的なシーンにおける例文についてもまとめたので参考にしてくださいね。

「謹んで」の意味

「謹んで(つつしんで)」とは「うやうやしくかしこまる」という意味の「謹む」が副詞として変化した言葉です。

「謹んで」は「敬意を表してうやうやしく物事をするさま。かしこまって」という意味で使われます。「謹んで」は副詞なので、後ろには「謹んで~する」といったように動詞が続きます。

「謹んで」の使い方

「謹んで」というフレーズは「敬意を表してうやうやしく物事をするさま」という本来の意味からもわかるように、謙虚な姿勢を示しつつかしこまって何かを行う場面で用います。

「謹んで」の後に続ける動詞は、敬意を表すために「~申し上げます」「~いたします」といった謙譲語にするのが基本です。

「謹んで」を使った例文は以下の通りです。

【例文】

  • この度は数ある企業の中から弊社をお選びいただきまして、誠にありがとうございます。ご依頼、謹んでお受けいたします。
  • 急な日程変更により多大なるご迷惑をおかけしましたこと、謹んでお詫び申し上げます。
  • この度はご結婚おめでとうございます。謹んでお祝い申し上げます。

「謹んで」は例文に挙げたような、依頼を受ける、お詫びする、お祝いする以外にも、報告やお悔やみのシーンでも頻繁に使われます。

「謹んで」の例文

お悔やみと年始の挨拶における、「謹んで」を使った例文をご紹介します。

どちらも「謹んで」を使うシーンとしては一般的ですが、あまり機会が頻繁ではなく、いざ使うとなると難しい場面です。この機会に使い方をマスターしましょう。

お悔やみの例文

お悔やみの際の「謹んで」を使った例文は以下の通りです。

  • 〇〇様のご訃報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
  • ご祖母様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げますと共に、心よりご冥福をお祈りいたします。
  • 謹んで哀悼の意を表しますと共に、安らかにご永眠されますようお祈りいたします。
  • 新盆を迎えられるにあたり、あらためましてお悔やみ申し上げますとともに、謹んでご冥福をお祈りいたします。

このように、「謹んで」はかしこまった姿勢が求められるお悔やみや法要の場面にふさわしいフレーズです。ただし、口頭では固すぎる表現なので、お手紙や弔電といった文章を中心に使いましょう。直接お悔やみを伝える場合には、柔らかい印象の「心よりお悔やみ申し上げます」といったフレーズがふさわしいです。

年賀状の例文

年賀状を書く際の「謹んで」を使った例文は以下の通りです。

  • 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
  • 謹んで新春のお慶びを申し上げます。
  • 迎春。日頃のご愛顧を厚く御礼申しあげますとともに、謹んで皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。

例文に挙げた文章は年賀状での定型句となっていますが、本来「謹んで」は相手への敬意を示す言葉です。「謹んで~」や「謹賀新年」は、目上の人へ送る年賀状に使うのが適切です。また、お悔やみ同様「謹んで」は口頭で使うには固すぎる表現です。口頭で使うのは、年始の挨拶のスピーチなどのかしこまったシーンにとどめましょう。

「謹んで」を使ったお悔やみの手紙の文例

「謹んでお悔やみ申し上げます」

 貴社代表取締役社長 〇〇〇〇様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
 ご生前中には、ひとかたならぬご懇情を賜りましたにもかかわらず、誠に痛恨の極みでございます。
 ご遺族はもとより貴社社員ご一同様のご落胆、いかばかりかとお察し申し上げます。どうかお力落としのなきよう、心よりお祈り申し上げます。
 心ばかりのご香料をお送りいたしましたので、御霊前にお供えくださいますようお願い申し上げます。
 まずは略儀ながら書面にてお悔やみ申し上げます。

合掌

「謹んで哀悼の意を表します」

 貴社専務取締役 〇〇〇〇様 昨夜ご逝去の由承り、誠に驚き入りました。ここに謹んで哀悼の意を表するとともにご冥福をお祈りいたします。
 故人ご生前中にはひとかたならぬご支援をいただきながら、何のお報いもできませず、誠に残念でございます。
 ご遺族の皆様をはじめ、貴社ご一同様のご愁傷いかばかりかと拝察申し上げます。どうぞ皆様のご自愛のほどお祈り申し上げます。
 別封は些少ですが、ご霊前にお供えくださりますようお願い申し上げます。
 まずは略儀ながら、書中にてお悔やみ申し上げます。

合掌

その他の例文を参考にしたい方は「お悔やみの手紙の文例集」をご覧ください。

「謹んで」と「慎んで」の違い

「つつしんで」には、「謹んで」と「慎んで」と2つの漢字を充てることができます。これらの使い分けは、漢字の持つ意味に注目すると理解しやすくなります。

「謹」には「敬意を表してうやうやしく物事をするさま」という意味が含まれます。一方の「慎」は「慎重」「慎ましい」という言葉からもわかるように、言動や気持ちを控えるという意味が含まれます。したがって、相手への敬いを表す時には「謹んで」を、行動を律する時には「慎んで」と使い分けます。

「慎んで」を使った例文は以下の通りです。

【例文】

  • アルコールでの失敗が続いているので、しばらくは酒を慎む。
  • 悪目立ちしないように、派手な言動を慎む。
  • 彼は今とても傷付いているので、きつい言葉は慎むべきだ。

さいごに

ここでは「謹んで」の意味や使い方をお伝えしましたが、いかがでしょうか。

「慎んで」は口頭で使うには固い表現なので、目上の人へのお悔やみや年賀状といった文章やあらたまった場におけるスピーチで使うのがふさわしいです。他にも「謹んで」は依頼を受けたり、報告や謝罪のシーンにも用いられます。

「つつしんで」には「慎んで」という漢字もありますが、こちらは言動や気持ちを控える際に使う表記。相手への敬いの気持ちを表す文脈の場合には「謹んで」を使いましょう。

この機会に覚えておいてくださいね。

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