「お久しぶりです」は目上に失礼?「ご無沙汰しております」との違い・使い方まとめ

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「お久しぶりです」は目上に失礼?「ご無沙汰しております」との違い・使い方まとめ

しばらく顔を合わせてなかった人と再会した時に、まず初めに交わす挨拶の定型句といえば「久しぶり」ですよね。

この「お久しぶりです」という挨拶、実は目上の人に使うと失礼になるのはご存知でしたか?

ビジネスシーンでうっかり使ってしまうと、相手が礼儀に厳しい方だと不快感を与えてしまう恐れもあるので要注意です。

また、よく似た表現に「ご無沙汰しております」があります。「お久しぶりです」と「ご無沙汰しております」にはどのような違いがあるのでしょうか。

ここでは「お久しぶりです」の意味や使い方をご説明します。「ご無沙汰しております」との違いや使い分け方についてもお伝えするので参考にしてくださいね。

「お久しぶりです」は同等・目下に向けて使う言葉

「お久しぶりです」は「前回会ってから日が経ってしまいましたね」と再会を喜ぶ挨拶です。会えて嬉しいという気持ちを表現しています。

前回会ったときから再会までの期間は人それぞれですが、数ヶ月~半年以上空いたときを目安に使いましょう。

なお「お久しぶりです」は「お」や「です」が含まれた丁寧な言葉ではありますが、一般的には同等から目下の人に向けて使います。そのため目上の人への使用は避け、職場の同僚や後輩に使うようにしましょう。

「お久しぶりです」を使った例文は以下の通りです。

  • お久しぶりです。お元気でしたか?
  • (相手の「久しぶり」に応えて)こちらこそお久しぶりです。お変わりないですか?
  • お久しぶりですが、ご家族の皆さんもお元気ですか?

「お久しぶりです」に続けて相手の近況を尋ねることで、相手を気遣い再会を喜ぶ気持ちがより一層強く表現できます。

目上の人には「ご無沙汰しております」を使うのがマナー

前述したとおり、「お久しぶりです」は丁寧語であるもののややくだけた表現なので、同等から目下の人に向けて使います。

相手が目上の人の場合やビジネスシーンで取引先やお客様に伝えるときは「ご無沙汰しております」を使いましょう。

ここでは「ご無沙汰しております」の意味や使い方についてお伝えします。

「ご無沙汰しております」の意味

「ご無沙汰」の「沙汰」には「便り」や「知らせ・音信」といった意味があります。そのため「無沙汰」は「訪問や手紙・便りを長く出さない状態」のことをいいます。

「無沙汰」に相手を敬う接頭語の「ご」と、謙譲語「おります」をつけた「ご無沙汰しております」は「長らく訪問もお便りもしませんでした(ことをお詫びいたします)」という意味になります。

相手に敬意を払った言い方のため、目上の人に使う言葉です。

「お久しぶりです」は会えて嬉しいという気持ちを表現した挨拶ですが、「ご無沙汰しております」には長い間訪問や連絡をしないままでいたことを詫びる意味合いが含まれます。

「ご無沙汰しております」の使い方

「ご無沙汰しております」は「お久しぶりです」とは違い、長い間連絡しなかったことを詫びる気持ちが含まれた表現です。

「ご無沙汰しております」は「お久しぶりです」と同様、再会までに2~3か月以上空いたときに使います。

なお「ご無沙汰しております」という挨拶に続けて謝罪の言葉を述べることで、より明確に気持ちを表現できます。

【例文】

  • すっかりご無沙汰いたしまして申し訳ありません。
  • 長い間ご無沙汰しており、失礼いたしました。
  • 大変ご無沙汰しておりますが、お変わりございませんか。
  • 久しくご無沙汰しておりますが、〇〇様におかれましてはその後お変わりありませんでしょうか。

「ご無沙汰しております」を使ったビジネスメール例文(社外)

社外の人に宛てたビジネスメールでの「ご無沙汰しております」の例文をご紹介します。

社外に宛てるメール例文(1)

件名:新商品のご案内

株式会社〇〇〇〇
総務部 課長 〇〇 〇〇 様

大変ご無沙汰しております。
株式会社△△、営業部の△△でございます。

〇〇の業務の際には大変お世話になりました。
その後ご連絡が滞り、申し訳ありませんでした。

本日ご連絡いたしましたのは、
新商品「〇〇〇〇」のご案内でございます。

本製品は電気代の使用料を削減する画期的な商品です。

添付ファイルにて詳細をお送り致しますので、
お時間がございますときにご一読くださると幸いです。

メールにて恐れ入りますが、
よろしくお願い申し上げます。

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署名
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社外に宛てるメール例文(2)

件名:新商品に関するご案内

株式会社〇〇〇〇
代表取締役 〇〇 〇〇 様

大変ご無沙汰しております。
昨年9月のセミナーでお会いしました株式会社〇〇の〇〇です。

その節は貴重なお話を聞かせていただき、
誠にありがとうございました。

その後ご連絡が滞り、申し訳ありませんでした。
さて、この度弊社の新商品をご紹介したくご連絡差し上げました。

是非導入をご検討いただけますようお願い申し上げます。

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署名
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冒頭の「ご無沙汰しております」に続けて、前回のやりとりを相手に思い出してもらうための1文を加えるとよいでしょう。

その他の文例については『「ご無沙汰しております」の使い方・期間|ビジネスメールの例文集(上司・目上・返信)』をご覧ください。

さいごに

ここでは「お久しぶりです」の意味や使い方、「ご無沙汰しております」との違いについてお伝えしましたが、いかがでしょうか。

「お久しぶりです」は、長い間連絡を取っていなかった同等もしくは目下の人に対する挨拶です。ややカジュアルな表現ですので友人や同僚、後輩・部下に使いましょう。

目上の人に使うときやビジネスシーンにおいては、相手を敬う気持ちが込められた「ご無沙汰しております」を使うのがマナーです。

「ご無沙汰しております」には再会を喜ぶ気持ちだけでなく、しばらく連絡をしなかったことを詫びる気持ちも含まれます。

状況に応じて「お久しぶりです」「ご無沙汰しております」をスマートに使えると、久しぶりの再会であってもスムーズに会話に入れます。挨拶に続けて相手の近況を尋ねたり、お詫びしたり、前回のやりとりを相手に思い出してもらうとよいでしょう。

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