「ご厚意」の意味・使い方|感謝メールの例文・ご好意との違いを徹底解説!

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「ご厚意」の意味・使い方|感謝メールの例文・ご好意との違いを徹底解説!

突然ですが、「ご厚意」の意味や使い方はご存知ですか?

ビジネス文書やメール、それに式典のスピーチなどで「ご厚意を賜り」「ご厚意に預かり」といった使い方で見聞きするフレーズですね。

また、「ご厚意」と同じ読みの言葉に「ご好意」がありますが、両者の違いや使い分け方をしっかり説明できますか?

ここでは「ご厚意」の意味や使い方について例文をあげてお伝えします。また「ご好意」の違いはもちろん、感謝の気持ちを伝えるお礼メールでの「ご厚意」の使い方も紹介するので参考にしてくださいね。

「ご厚意」の意味

「厚意」の読み方は「こうい」です。

「厚意」とは「思いやりのある心。他人が自分に示してくれた気持ち。厚情」という意味があります。

「ご厚意」は、「厚意」に尊敬を表す接頭語の「ご」をつけた表現であることから、「相手の優しく思いやりのある気持ち」に敬意を示した言葉なのです。

「厚」の漢字には「ぶあつい」という意味のほか、「心づかいがこもっているさま」という意味があります。「手厚い」や「厚遇(こうぐう)」などの熟語でも使われる漢字ですね。

また「意」は「心に思うこと。気持ち。考え」のことです。そのため、「厚意」とは「相手の親切心」を表した語です。

「ご厚意」の使い方

先に述べた通り、「ご厚意」とは相手の親切心や心遣いを表す言葉です。「ご厚意」は大きく分けて、下記の3つの場面で使います。

  • 感謝・お礼の気持ちを伝えるとき
  • 相手の気遣いを断る・謝罪・お詫びするとき
  • 決意表明をするとき

それぞれの場面での使い方を確認していきましょう。

感謝・お礼の気持ちを伝えるとき

「ご厚意」は、相手の気遣いや配慮に対して感謝の気持ちを伝えるときによく使われます。お礼を述べるときの言い回しは下記の通りです。

  • ご厚意を賜る
  • ご厚意に預かる
  • ご厚意により
  • 温かいご厚意を賜り
  • ご厚意に報いる
  • ご厚意に甘えて

目上の人に謝意を述べるときや、かしこまった場面で感謝の気持ちを伝えるときの定番フレーズとして使えるため、「ご厚意」は便利なフレーズです。

【例文】

  • いつもながらのご厚意に深く感謝しております。
  • 過分なるご厚意を賜り、誠に感謝申し上げます。
  • 〇〇様のご厚意には痛み入ります。
  • 皆様の温かいご厚意に支えられ、今日に至ることができました。
  • それではご厚意に甘えて頂戴いたします。
  • 皆様のご厚意に甘えさせていただきます。
  • この度は過分なご厚意を預かりまして、心より御礼申し上げます。
  • ご厚意に甘えて本日はご馳走になります。

なお、「ご厚意に甘えて」は、相手の気遣いに対して遠慮せずに受け入れることを表明するときに使える表現です。

相手の気遣いを断る・謝罪・お詫びするとき

ビジネスシーンでは、相手の誘いや気遣いを断る場面もあるでしょう。そのようなとき、相手に不快な印象を与えないよう丁寧に断るのがマナーです。

  • そこで使えるのが下記の表現です。
  • せっかくのご厚意にも関わらず
  • せっかくのご厚意ですが

「せっかくのご厚意ですが」とクッション言葉を入れることによって、残念に思う気持ちが込められ、また断りの意思を柔らかく伝えることができるため、ビジネスシーンで役立つフレーズです。

【例文】

  • せっかくのご厚意ですが、ご辞退させていただきたく存じます。
  • せっかくのご厚意にも関わらずお応えすることができず申し訳ありません。
  • せっかくのご厚意ですが、お気持ちだけありがたく頂戴します。
  • せっかくのご厚意ですが、不参加とさせていただきます。申し訳ございません。
  • 公職の身にありますので、せっかくのご厚意ですが、贈答品はお受けすることができません。
  • ご厚意にお応えできずこのような次第となり、心苦しく思っております。
  • 皆様のご厚意にお応えすることができず、深くお詫び申し上げます。
  • ご厚意で貸してくださった大切な傘を、私の不注意でなくしてしまい、お詫びの言葉もございません。

謝罪の言葉とセットで使うことにより、お詫びの気持ちが伝わります。

決意表明をするとき

「ご厚意」とは相手の親切心や心遣いを表す言葉です。これまで支えてくれた周囲の方々に感謝の気持ちを伝え、さらなる飛躍を誓う決意表明の場面でも使えます。

【例文】

  • 皆様のご厚意を無にしないよう、目標に向かって努めて参る所存です。
  • 皆様のご厚意にお応えすべく、気持ちを新たに鋭意努力して参ります。
  • ご厚意に報いるべく、一意専心、業務に邁進いたしたく存じます。
  • 皆様のご期待とご厚意にお応えするためにも、よりいっそう業務に精励いたします。

「ご厚意」と「好意」の違い・使い分け方

「ご厚意」と似た言葉に「好意」があります。

「好意」とは「その人にいだく親しみや好ましく思う気持ち」「その人のためになりたいと思う気持ち。親切な気持ち」という意味です。

「好意」は、相手に対して愛情があるときに使う言葉であり、主に異性として好きという気持ちを表すときに使われます。「好意を寄せる」「好意を抱く」という使い方をしますよね。

一方で「厚意」は、相手の優しく思いやりのある行動に対して使う言葉のため、「好き」という感情は含まれません。

ビジネスシーンで、「好意」に丁寧語の「ご」をつけた「ご好意」の文字が使われているのを時折目にしますが、たとえば「ご好意を賜り…」という文章は「あなたからの好意をいただき」という意味になってしまいます。

親切や温情をかけてもらったときは「ご厚意」を使いましょう。

「ご厚意」を使った感謝メールの例文集

つづいては、「ご厚意」を使って感謝の気持ちを伝えるビジネスメールの文例を紹介します。

贈り物のお礼を伝えるメール

件名:お中元への御礼

株式会社〇〇〇〇
代表取締役 〇〇 〇〇 様

貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。

この度はお心づくしのお中元の品を頂戴し、
心よりお礼申し上げます。

いつもながらのご厚意に深く感謝しております。

お送りいただいた名産品のお菓子は、
社員一同でおいしく賞味させていただきました。

向暑の折、これから繁忙期を迎えますが、
どうぞご自愛なさって、この夏を元気にお過ごしください。

今後ともお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。

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署名
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取引先に感謝の気持ちを伝えるお礼メール

件名:ゴルフコンペご参加のお礼

株式会社〇〇〇〇
専務取締役 〇〇 〇〇 様

平素より大変お世話になっております。
株式会社△△の△△です。

先日はお忙しい中、弊社主催のゴルフコンペに
ご参加いただき、誠にありがとうございます。

〇〇様の腕前は流石で、コースをご一緒させて頂いたときの
アドバイスは参考になることばかりでした。

〇〇様のご厚意に重ねてお礼申し上げます。

仕事もゴルフも、より一層励んで参る所存です。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い致します。

メールでのご連絡となり大変恐れ入りますが、
まずはお礼申し上げます。

昨日は本当にありがとうございました。

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署名
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なお、接待のお礼メールの例文を確認したい方は「接待のお礼メールの文例集(飲み会・ゴルフ)」をご覧ください。

飲み会で上司にご馳走になったときのお礼メール

件名:お食事のお礼

〇〇部長

お疲れ様です。営業部の△△です。

本日はお忙しいなか、お食事にお誘いいただき、
ありがとうございました。

その上ご馳走になってしまい、恐縮するばかりです。

業務の進め方について悩んでいましたが、
部長から貴重なご助言をいただいたおかげで
やるべきことが明確になりました。

親身になって相談に乗っていただき、ありがとうございます。

部長のご厚意に報いるべく、
明日からより一層仕事に励んで参ります。

本当にありがとうございました。

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署名
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なお、飲み会のお礼メールの例文を確認したい方は「飲み会のお礼メールを上司に送るときの文例集」をご覧ください。

「ご厚意」の類語・言い換え表現

「ご厚意」の類語や言い換え方を紹介します。

まずは、気心の知れた目上の人や親しい間柄の上司から思いやりのある行為を受けたとき の「ご厚意」の言い換え方をお伝えします。

丁寧語の「お」と「ご」をつけた表現を記載しているので、目上の人には下記の表現を使いましょう。

  • ご親切:相手の身になって、その人のために何かをすること。
  • ご協力:ある目的に向かって力を合わせること。
  • ご配慮:心をくばること。他人や他の事のために気をつかうこと。
  • お気遣い:あれこれと気を使うこと。
  • お心遣い:あれこれと気を配ること。心配り。祝儀。
  • お心配り:あれこれと気をつかうこと。心づかい。配慮。

なお、ビジネス文書やメール、かしこまった場面でお礼を述べるときは下記の類語を使うのが基本です。

  • ご温情:穏やかで思いやりのあるやさしい心。情け深い心。
  • ご高配:他人を敬って、その心配りをいう語。
  • ご恩情:情け深い心。慈しみの心。
  • お取り計らい:あれこれと便宜を図り対処・対応すること。
  • ご厚情:厚いなさけ。心からの深い思いやりの気持ち。
  • 慮り:考えをめぐらすこと。思慮。

【例文】

  • ご親切にしてくださり、誠にありがとうございます。
  • ご配慮いただきありがとうございます。
  • 〇〇様のお心遣いに心より感謝申し上げます。
  • いつもながらの温かいご配慮に心より感謝いたします。
  • 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
  • 末筆ながら、これまで頂戴したご温情に心より御礼申し上げます。
  • これもひとえに貴社のご高配の賜物と心より感謝申し上げます。
  • ご親切なお取り計らい、深謝いたします。

なお、ビジネス文書を構成する前文の、日頃の感謝伝える挨拶文を確認したい方は「日頃の感謝・お礼を伝える挨拶|すぐに使える例文つき」をご覧ください。

さいごに

ここでは「ご厚意」の意味や使い方についてお伝えしましたが、いかがでしょうか。

感謝の気持ちやお礼を述べるフレーズに「ご厚意を賜り」「ご厚意に感謝申し上げます」といった使い方をしたり、遠慮せずに受け入れるときは「ご厚意に甘える」という表現を使ったりと、さまざまな形で使える表現です。

相手の親切心や思いやりに敬意を示しつつ、謝意を表すことができる表現なので、この機会にしっかり覚えておいてくださいね。

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