「努める・勉める・勤める・務める」の違い|意味や使い方・類語まとめ

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「努める・勉める・勤める・務める」の違い|意味や使い方・類語まとめ

突然ですが、「努める・勉める・勤める・務める」の違いはご存知ですか?

読み方はどれも「つとめる」ですが、意味や使い方は異なります。

日常生活の中やビジネスシーンでよく使う言葉ばかりですが、どの漢字をどの状況で使うのが正しいのか、迷ってしまう方も少なくありません。

ここでは「努める」「勉める」「勤める」「務める」の違いはもちろん、意味や使い方をご説明します。それぞれの類語もお伝えするので参考にしてくださいね。

「努める・勉める・勤める・務める」の違い

それでは早速「努める・勉める・勤める・務める」それぞれの意味や使い方をお伝えします。類語も紹介するので、違いを理解するための参考にしてくださいね。

「努める」の意味・使い方

「努める」の意味を辞書で調べると、下記の2つが出てきます。

  • 精を出して仕事をする。努力して事を行う。
  • 無理をしたり、がまんしたりして行う。こらえてする。

意味にもあるとおり、「努」の漢字は「努力」という熟語にも使われますね。

つまり「努める」は、ある目的のために力を尽くして励むときに使われる表現です。

ビジネスシーンでは、与えられた仕事をやり遂げる意思を伝えるときや、掲げた目標に対して努力する決意表明の場、謝罪会見などで反省の意を示すときに使われます。

上司や目上の人に励むことを伝える表現に「努めてまいります」があります。「まいります」は「行く・来る」の謙譲表現であり、へりくだった言い回しのため、よく使われます。

【例文】

  • 今後同じ失敗を繰り返さないよう、再発防止に最大限努める所存でございます。
  • 事件の解決に努める所存です。
  • お役に立てるよう、誠心誠意努めてまいります。
  • 資格取得のため、週末は自己研鑽に努める。
  • 健康維持のため、毎朝ジョギングをするように努めている。

上記例文に「努める所存です」とあります。「所存です」はどういう意味なのでしょうか。詳しくは「所存の意味・使い方」をご覧ください。

【類語】

  • 努力
  • 挑む
  • 尽力
  • 励む
  • 精進
  • 試みる
  • 心がける

「勉める」の意味・使い方

「勉める」には「力を尽くしてあることをする。努力する」という意味があります。

前節の「努める」とほぼ同じ意味ですが、「勉める」には「無理に力を出してはげむ」「困難に耐えて努力する」という意味合いが含まれています。

ですが、実は「勉める」は表外音訓(常用外漢字)のため、あまり使われていません。そのため、新聞や公文書を見ても、「勉める」を目にすることはありません。

現代では「力を尽くす」という意味で「つとめる」を書くときは「努める」の漢字を使うのが一般的です。

念のため、例文を紹介しておきますね。

【例文】

  • 来月の試験に備えて勉強に勉める。
  • 優勝を目指して、チーム全員で練習に勉める。
  • さらなるサービス向上に勉めていきます。
  • 早く退院ができるよう療養に努める。
  • 夢の現実に努める。

ちなみに「勉強」の語源は「強いて勉めること」です。嫌なことなどを強制的に自分に課すという意味で使われていました。豆知識として覚えておいてくださいね。

【類語】

  • 努力
  • 挑む
  • 尽力
  • 励む
  • 精進
  • 試みる
  • 心がける

「勤める」の意味・使い方

「勤める」の意味は下記の2つです。

  • 職に就く。官庁・会社などで職員として働く。勤務する。
  • 仏道に励む。勤行する。また、仏事を営む。

「勤」は「勤務」「出勤」「通勤」といった、働くことを連想させる言葉が使われているとおり、「職に就く。働く」という意味で用いられることが多いですね。

「商社に勤める」「病院に勤める」「旅行会社に勤める」という使い方です。

また2の意味で「法事を勤める」「朝夕に勤める」といった使い方もされます。

【例文】

  • 来月から海外支店に勤めることが決まりました。
  • 長年勤めた会社を退職し、実家で農家を手伝うことにしました。
  • 旅行会社に勤めるには、旅行業務取扱管理者の資格があると有利になる。
  • 最終面接の結果、業界を代表する大手企業に勤めることが決まった。

【類語】

  • 勤務
  • 働く
  • 勤労
  • 就労

「務める」の意味・使い方

「務める」には「ある役割や任務を引き受けて、その仕事をする」という意味があります。

なんだか「勤める」と似た意味です。

「務」の漢字には「力を尽くして当たるべき仕事や役目」という意味があり、「義務」「業務」「公務」「医務」といった熟語でも使われていますね。

つまり「務める」は、仕事に限らず、引き受けた任務や、与えられた役割を果たすために力を出す場合に使われる言葉なのです。

【例文】

  • 高校時代に生徒会長を務めた経験があります。
  • 今度の総会では、議長を務めることが決まった。
  • 新たなプロジェクトでリーダーを務めることになり、責任重大だ。
  • 長年勤めている会社で、社長を務めることになった。
  • 結婚式の司会進行を務める。

「務める」が生徒会長・議長・リーダー・社長という役目(任務)を受け持つ意味になることが分かりますね。

【類語】

  • 任務
  • 役目
  • 役割
  • 役回り
  • 義務

さいごに

ここでは「努める・勉める・勤める・務める」の違い、意味や使い方についてお伝えしましたが、いかがでしょうか。

口頭で「つとめる」を伝えるときは正しい漢字が分からなくても誤魔化すことができますが、メールやビジネス文書を作成するとき、漢字を誤って使うと、社会人として恥ずかしい思いをすることになってしまいます。

この機会に「努める・勉める・勤める・務める」の使い方をしっかり理解しておいてくださいね。

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