社会に出ると、会議に参加する機会が多くなりますよね。その中で「討議」「協議」「検討」といったワードをよく耳にすると思います。
「討議・協議・検討」は語感も似ていますし、使い分けができず何となくごまかしながら使っているなんてことありませんか?
この記事ではそんな紛らわしい「討議・協議・検討」の意味の違いや使い分け方を例文つきですっきりと整理して解説していきます。それぞれの意味の違いを知ると、会議もよりスムーズなものになりますよ!
「討議」の意味
「討議」の読み方は「とうぎ」です。「討議」とは「ある問題について互いに意見を述べ、論じ合うこと。また、ディスカッションのこと」という意味です。(明鏡国語辞典より)
ポイントは「論じ合うこと」。討議とは、議題について参加者が自由に意見を出し合い・話し合うことで、必ずしもその中で結論を出すことを求めていません。討議が行われる場として有名なのは国会・閣議などで、会議の中で言えば自由なアイデアを出し合う場となります。
- 核廃絶について国際シンポジウムで討議する。
- 次の日曜は市民党議会に参加する。
- ホームルームでグループ討議をして男女平等について話し合った。
「協議」の意味
「協議」の読み方は「きょうぎ」です。「協議」とは「ある問題を解決するために、関係者が話し合うこと。また、その話し合いのこと」を意味します。(明鏡国語辞典より)
つまり、ある問題を解決するために複数人で協力して話し合うということであり、結論を出すことを目的としています。
- 協議離婚によって婚姻を解消した。
- 善後策を協議する。
- 運動会の種目について実行委員会で協議する。
「検討」の意味
「検討」の読み方は「けんとう」です。「検討」の意味は「よく調べて考えること」です。(明鏡国語辞典より)
検討は必ずしも複数人で話し合うとは限りません。一人または複数人である物事をよく調べて、良いか悪いか考えることです。
- 来年度の予算案を検討する。
- ご検討のほどよろしくお願いいたします。
- 一旦社に持ち帰り検討させていただきます。
「討議・協議・検討」の違い・使い分け方
では、「討議・協議・検討」の違いについて解説します。まず、下記例文をご覧ください。
- 討議:今年の運動会の目標や種目について、実行委員会で討議する。
- 協議:運動会の種目について、実行委員会で協議する。
- 検討:実行委員会で採決した運動会の種目について、職員会議で検討する。
上記のように「討議・協議・検討」では少しずつニュアンスが違います。
討議とは、自由な意見やアイディアの出し合いの場です。それに対して協議は、方向性を具体的に決定していく場となります。また、検討はある物事が適切かどうかを判断することです。ですから、実行委員会が決定した種目が実現可能か検討するような場面で使います。
つまり、討議でアイディアや意見を自由に出し合い、討議の結果を踏まえて協議で方向性を具体的に決定し、検討で適切か判断し最終決定するというように使い分けます。
まとめ
例文を出しながら「討議・協議・検討」の意味の違いや使い方について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
どれも似たような意味の言葉ですが、しっかり使い分けることで、「この会議はアイデアを出す場だ」といったように参加者の目的意識をそろえることができます。そうして参加者の意識が統一されれば、会議もよりスムーズで充実した内容のものになっていくのではないでしょうか。
この記事でそれぞれの意味の違いを理解し、しっかりと使い分けていっていただければ幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。