「突然の手紙で失礼します」は手紙の書き出しに使える表現なのでしょうか。
面識のない相手や、顔馴染みのない相手に手紙を送るとき、よく見かけるフレーズですよね。ここでは「突然の手紙で失礼します」の意味や正しい使い方をご紹介します。例文はもちろん注意点についてもご説明するので参考にしてくださいね。
「突然の手紙で失礼します」の意味
「突然の手紙で失礼します」の意味をかみ砕いて説明すると「突然手紙で連絡してしまい申し訳ありません」です。
より丁寧な言葉に言い換えると「貴方様にお目にかかったことはございませんが、突然ご連絡をさせていただきました」となり、その中に「その失礼をお許しください」というニュアンスが含まれた表現です。
面識のない相手に、突然手紙を送ることの配慮と、お詫びの気持ちを伝えることができるフレーズです。
「突然の手紙で失礼します」の使い方
初めての相手に手紙を送るとき、相手に不快感や不信感を与えることのないよう非礼を詫びて挨拶するのが基本ですが、そこで「突然の手紙で失礼します」と前置きをすることによって丁寧な印象を与えることができます。
例えば、取引のない会社の総務担当に自社商品を売り込みたくて連絡するときや、職場の同僚や友人の紹介で面識のない相手に手紙を送るときに使える表現です。
また、会ったことはあるものの、ちゃんと覚えてもらっているか自信がないときや、前置きなく唐突に用件を伝えたいときにも使えます。
冒頭で「突然の手紙で失礼します」を使うことによって、無礼な印象を与えることなく話を聞き入れてもらいやすくなります。
初めて手紙を送るときの注意点
初めてやりとりする相手に手紙を書くときは、書く文章に気をつけなくてはなりません。
まずは「突然の手紙で失礼します」という書き出しから始め、つづいて自身の会社名や名前を正式名称で名乗るのがマナーです。
面識のない相手なので、どういった経緯で相手を知ったかについても明記しておく必要があります。また、誰かの紹介による場合は、紹介者名についても触れておきましょう。相手にも安心してもらえます。
もう一点、書き出しのお詫び文は簡潔にまとめるのが基本です。たとえば、前置きで長々と「突然の手紙を差し上げる失礼をお許しください」「こんなお手紙を差し上げまして誠に申し訳ございません」などと何度もお詫び文を続けすぎると、回りくどい印象を与え、用件が伝わりにくくなってしまいます。お詫びや冒頭の挨拶はほどほどにし、必要な用件を述べるようにしましょう。
また、可能であれば手紙だけで終わらせるのではなく、後日電話をかけたり直接会うなど、次のアクションも起こすと最初の不信感をより和らげます。ただし、状況によっては相手に負担をかける場合もあるので、先方の出方や返事の内容から判断するようにしましょう。
以下に例文をご紹介します。
例文1
突然の手紙で失礼します。私、株式会社〇〇の〇〇と申します。この度貴社のホームページを拝見し、ぜひ弊社の商品の設置をご検討いただけないかと思いまして、ご連絡させていただきました。 |
例文2
突然の手紙で失礼いたします。私、株式会社〇〇の〇〇と申します。この度、〇〇様よりご紹介を頂き、お手紙を差し上げた次第でございます。 |
例文3
突然の手紙を差し上げる失礼をお許しください。私〇〇と申します。先日、イベント会場で△△様をお見掛けし、簡単なご挨拶をさせていただきました。その後知人を通じて連絡先を伺い、お手紙を差し上げた次第です。私は人物像を中心に映像制作をしておりまして、勝手ながら△△様が今度の作品のイメージにぴったりでしたので、ぜひモデルをお願いできないかと思い、ご連絡させていただきました。もしご興味がおありでしたら、私の連絡先を以下に記載しますので、ご連絡を頂ければ詳しいご説明などさせていただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 |
さいごに
ここでは「突然の手紙で失礼します」の意味や使い方、初めての相手に手紙を送る際の注意点や例文についてご紹介しましたが、いかがでしょうか。
人間関係は、最初の印象が肝心です。初対面の相手にアクションを起こすことはとても勇気が要ることですが、ビジネスではそう少なくない機会で訪れることがありますので、いざというときに慌てないよう、きちんと内容を頭に入れておきましょう。
今はメールやSNSの普及で、改めて手紙を送るという機会は減りました。スピード社会の中で時間と手間をかけて書いたその一通の手紙によって、新しい相手との交流が開けたりビジネスで成果をあげたりすることもできますので、ご自分の日常生活にぜひ活用してみてくださいね。